アクションホラー


『バイオハザード』(2002年/監督:ポール・アンダーソン)

生物兵器に汚染された研究所内で、ゾンビなどの怪物と戦う日本製の人気ゲームの映画化。

私もこのゲームをプレイしたことがありますが、すぐに殺されて、投げ出しました。アクション・ゲームは苦手なのです。

映画の方はというと、記憶を失った特殊隊員のミラ・ジョボビッチが、コンピュータを破壊しにきた特殊部隊と一緒にゾンビ集団と戦いながら少しずつ記憶を取り戻し、研究所内で起きた事件を解明するというもの。スレンダーなミラ・ジョボビッチの中性的な魅力が捨てがたいので〜す。

そういえば、長いことテレビゲームをしていないなァ。

 

『バイオハザードU アポカリプス』(2004年/監督:アレクサンダー・ウィット)

バイオウィルスに汚染されたアンブレラ社の地下研究所から帰還したアリス(ミラ・ジョボビッチ)は、研究員によってラクーンシティーの病院に隔離される。アリスが目覚めると、ウィルスは既に研究所から漏れており、増殖したゾンビによって街は占拠されつつあった。アンブレラ社が生存者ごとゾンビを核爆弾で殲滅する計画を知ったアシュフォード博士は、街に取り残された娘アンジェラの救出のためにアリスへ連絡するが……

新キャラとして、アリスとともにゾンビと戦うジル(シエンナ・ギロリー)と、バイオモンスターのネメシスが登場します。パワーアップしたミラ・ジョボビッチとCG美女的雰囲気のあるシエンナ・ギロリーには満足、満足です。

人気ゲームの映画化ですが、ドラマの厚みを期待するのは無理。アクションだけを楽しむしかないでしょうね。私は途中で飽きてきましたが……

 

『ハウス・オブ・ザ・デッド』(2003年/監督:ウーヴェ・ボル)

孤島で開催されるパーティに遅れた5人の男女が、カーク船長(ユルゲン・ブロフノフ)の船をチャーターして島に渡る。カーク船長は密輸品を運んでいたので、それを追って警察の船も……

セガのシューティング・ゲームの映画化とのこと。つまり襲ってくるゾンビをガンガン射ち倒すわけですな。密輸船に銃が積んであり、それを使ってね。船長や、船長を追ってきた女性警官が銃の名手というのはわかるのですが、イカレた若者までが銃の扱いに慣れているとはねェ。

ゾンビを作ったのは、不老不死の研究をしていたスペインの神父。神父が作った血液が体内に入ると、脳が破壊されない限り死なないわけです。だから、ゾンビに咬まれると、ゾンビの血が体内に入るので咬まれた人間もゾンビになるんですな。そのためか、ゾンビの動きの早いこと。走り回っていましたよ。

ゲーム画面を挿入して新しさを出していますが、アクション・シーンばかりで恐ろしさは全然ありませ〜ん。

 

『ドーン・オブ・ザ・デッド』(2004年/監督:ザック・スナイダー)

原因がわからず人間が突然ゾンビになる。ゾンビに咬まれると、咬まれた人間もゾンビになるので、瞬く間に周りはゾンビだらけになる。アナ(サラ・ポリー)はゾンビから逃げる途中で、ケネス(ヴィング・レームズ)たちに出会い、ショッピング・モールへ逃げ込むが……

走り回るゾンビというのは、最近の傾向なんですかね。この作品のリメイク元となった『ゾンビ』のユラユラ動き回るゾンビの怖さに親しんだ私としては違和感を覚えます。

動きが早いと、突然襲われる恐怖というのがないんですよ。ひたすら相手を倒すだけの、ゾンビとの戦いに終始します。ゲーム世代にはうけるかもしれませんが、私たちの年代だと……駄作!

 

『ゾンビ』(1977年/監督:ジョージ・A・ロメロ)

20世紀末のアメリカ、惑星の爆発による放射線が地球に降り注ぎ、死者が甦って人間を襲うという大パニック状態が発生していた。SWAT隊員のロジャー(スコット・H・ラインガー)とピーター(ケン・フォーレ)は、友人のテレビ局員・ステファン(デイヴィッド・エンゲ)とその恋人フラン(ゲイレン・ロス)と共に、ヘリコプターでフィラデルフィアを脱出する。しかし、ゾンビの群れはどこまでも続いており、ひとまずショッピングセンターの屋上に着陸する。武器と食料を確保し、ゾンビの侵入を防ぐためにショッピングセンターの入口を巨大トラックで塞ぐが、ロジャーがゾンビに襲われ、片腕を失って死んでしまう。そして、平穏も束の間、暴走族の一団が現れ……

内容はともかくとして(私の尊敬する双葉十三郎は酷評している)、ゾンビという新時代のキャラクターを生み出したことに歴史的価値があります。

ゾンビというのは、ブードゥ教の呪術として昔から伝わっていましたが、人肉を喰らうキャラクターにしたのはロメロの創作です。とにかく自己主張するわけでなく、ぼんやりした生前の記憶に支配されて動き続け、本能的に人間の新鮮な肉を食べだけという無目的集団。極めて現代的ですよね。彼らは地球を征服しようと思っているわけでなく、人肉を食べたら勝手に仲間が増えていくだけで、結果としてゾンビの世界になっていく。これって怖いことですよ。

それと、この作品の優れているところは、カニバリズムの気分の悪さをブラックユーモアにしているところですね。暴走族とゾンビの戦いは、笑いの世界です。誰が何と云おうと、ホラー映画史に残る傑作だァ。

 

 

トップへ   目次へ   次ページ