サスペンス・ホラー


ブレス・ザ・チャイルド(2000年/監督:チャック・ラッセル)

看護師のマギー(キム・ベイシンガー)のところへ妹のジェンナがやって来て、生まれたばかりの娘・コーディを預けて失踪する。それから6年後、マギーとコーディは実の母娘のように暮らしていたが、ジェンナがカルト教団の指導者である夫(ルーファス・シーウェル)と現れ、強引にコーディを連れ去る。その頃、連続してコーディと同じ誕生日の6歳児が誘拐されて殺されるという事件が発生し……

キリスト教国の欧米では、天使と悪魔の存在は身近なものなんでしょうが、日本人にはピンときませんね。コーディが起こす奇蹟も、少しばかりシラケます。

ルーファス・シーウェルの顔立ちと瞳は知的な異常者にピッタリ。クリスティーナ・リッチは、殺されるためだけの出演なの……?

 

 

スリーピー・ホロウ(1999年/監督:ティム・バートン)

18世紀末、ニューヨーク北部のスリーピー・ホロウという村で、連続首斬り殺人事件が起こる。事件の捜査のために警官のイカボット(ジョニー・デップ)が派遣される。事件の犯人は独立戦争で悪名をはせた首なし騎士(クリストファー・ウォーケン)だと村人から聞かされるが、イカボットは騎士の正体を確かめるべく、科学捜査を開始する。

19世紀に活躍したワシントン・アーヴィングの「スリーピー・ホロウの伝説」がこの作品の原作だそうだが、ストーリーは同じでも雰囲気はまるで違うような気がします。

ティム・バートンが作り上げた世界は、ホラーというよりコメディー。まともなホラーと思って観たら、肩すかしをくいますよ。ジョニー・デップが可笑しいのは当然だし、クリストファー・ウォーケンには笑ってしまいましたよ。演ってる本人が、一番面白がっているんじゃないかな。

クリスティーナ・リッチもどこか可笑しい。金髪だったので、『アダムス・ファミリー』のマセタ女の子と最初気づかなかったけど、どこかで見た顔だと資料で確認したら、やっぱりそうだった。

まともなホラーも好きですが、この手の映画も楽しくていいですねェ。

 

ふるえて眠れ(1964年/ロバート・アルドリッチ監督)

♪〜Hush, Hush, Sweet Charlotte

    Charlotte, don't you cry

    Hush, Hush, Sweet Charlotte

    He'll love you till he dies

おどろおどろしく厚化粧したベティ・デービスなんて観たくもなかったんですが、主題歌(アカデミー賞にノミネートされた)が好きだったものでね。

映画の中ではアル・マルティーノが歌っていますが、翌年(1965年)に発売されたパティ・ペイジのレコードがベストセラーになりました。私が聴いて好きになったのもパティの歌なんです。

フランク・デボールの美しい旋律にのったマーク・デビットの詞を、キメのこまかな情感をこめて歌うパティによってスタンダード・ナンバーになりました。後年セコハンレコードを手に入れたのも、この歌を聴きたいためでした。

映画の方はというと、残忍きわまりない殺人事件(ナタで手首がバッサリ斬り落されるシーンは、当時としてはかなりショックだと思いますよ)のトラウマにより世間から逃避している主人公(ベティ・デービス)の財産を狙う医師(ジョゼフ・コットン)と、彼の愛人で主人公の従姉妹(オリビア・デ・ハビランド)が、あの手この手を使って主人公を完全な気ちがいにしようとする物語。

H・G・クルーゾーの『悪魔のような女』のパクリのようなところもあり、現在の視点でみると今イチでした。だけど、有名になる前のブルース・ダーン(殺害される主人公の恋人)やジョージ・ケネディ(工事責任者)の出演、『奥さまは魔女』のアグネス・ムーアヘッド(サマンサのお母さんね)が出演していたのが嬉しかったです。

 

シックス・センス(1999年/監督:M・ナイト・シャマラン)

小児精神科医マルコム・クロウ(ブルース・ウィルス)はある夜、10年前に治療した患者に自宅侵入され、拳銃で撃たれたうえ、眼前で自殺される。それから1年後、マルコムは8歳の少年コール(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の治療に向かう。コールには死んだ人間の霊が見え……

封切当時、テレビCMをチラッと見て、面白そうだったので録画しました。

アッと驚く意外なラストは、途中で予測がついたのですが、違うと思っていました。マルコムが少年の治療を開始するまでの1年間の空白がどうしても引っかかるんですね。まあ、その点を差し引いてもホラー・サスペンスとして楽しめる作品です。

それと、オスメント少年が上手いですねェ。ただ、名子役は一部の例外を除いて大成していないので、例外になってほしいです。

 

コールド・クリーク/過去を持つ家(2003年/監督:マイク・フィギス)

放送作家のティルソン(デニス・クエイド)は、息子が交通事故にあいそうになり、安全な田舎に住む決心をする。妻のリーア(シャロン・ストーン)も上司との不倫の誘惑に負けそうになり、田舎移住に賛成する。ティルソン一家は銀行の抵当流れ物件“コールド・クリーク”邸を購入して引越すが、やがて以前の住人ディル・マッシー(スティーブン・ドーフ)が現れ……

上記紹介以外にもジュリエット・ルイスやクリストファー・プラマーが出演しており、劇場公開されてもおかしくない顔ぶれですが内容が今イチ。

ブキミ感もなければ、ハラハラ・ドキドキもありません。恐怖が伝わってこないスリラー・サスペンスで〜す。

怒りの大放屁、チャブ台返し!

 

 

 

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