最低映画


C級二本立て

『ボアVSパイソン』(2004年/監督:デビッド・フローレス)

大金持ちのブロデリック(アダム・ケンドリック)は仲間とハンティングを楽しむために、巨大なパイソンを密輸するが、輸送途中のフィラデルフィア郊外で檻を破ってパイソンが逃げ出す。迷路のような浄水場の地下排水溝に潜伏して人間を襲うパイソン捕獲のため、CIAのシャープ(カーク・B・R・ウォラー)は、海洋生物学者モニカ(ジェイミー・バーグマン)が開発したイルカの追跡用装置を、毒蛇の万能血清を採取するためにエメット(デビット・ヒューレット)が飼育している巨大ボアに取り付けて、パイソンを見つけだそうとする。一方、ブロデリックはハンター仲間とパイソン狩りに……

題名に釣られて録画した作品です。巨大といっても、手足のない蛇が格闘するのだから、あまり期待していなかったのですが、予想通りウ〜ンでした。

パイソン退治のハンターたちもマヌケ揃いで、コメディーのつもりでしょうかね。

 

『フランケンフィッシュ』(2004年/監督:マーク・ディッペ)

沼地で巨大な生物に噛み殺された死体が発見される。検死官のサム(トリー・キトルズ)は、調査のために女性生物学者メアリー(チャイナ・チャウ)と現場に向かう。水上生活者の人たちに聞き込みをしていると……

狩猟用に密輸された遺伝子操作により巨大で凶暴になった雷魚(フランケンフィッシュ)が逃げ出し、次々に人に襲いかかる動物パニックホラーです。発想は『ボアVSバイソン』と同じで、ハンターたちはもちろんフランケンフィッシュの餌食になります。定番の女性生物学者がヒロインかと思ったのですが、あっさり死んじゃって意外でしたね。

逃げ出したフランケンフィッシュがオス1匹・メス2匹だったので、ラストは多分そうだろう考えていたら、これは予想通りでした。

結局、如何ってことのない暇つぶし映画で〜す。

 

『蝋人形の館』(2005年/監督:ジャウム・コレット・セラ)

フットボールの試合を観戦するために長距離ドライブをしていたカーリー(エリシャ・カスバート)たち6人の若者は、地図に乗っていない町に迷い込む。何者かに自動車を壊され、修理のためにガソリンスタンドを訪ねるが……

『肉の蝋人形』のリメイクとのことですが、死体を蝋人形にするところだけが同じで、中身はまるで違います。

仮面を被った殺人鬼が出てきて、学生たちが次々殺されるのは、『ラスト・サマー』などと同系統のホラーです。先の読める展開でゾォーとするような恐怖はありません。

ニャンニャンしている男女が殺されるような定番ばかり見せられてもねェ。

 

『ヴェノム 毒蛇男の恐怖』(2005年/監督:ジム・ギレスビー)

ルイジアナの田舎町、交通事故でブードゥーの悪霊を封印した毒蛇を入れたトランクが壊れ、逃げ出した毒蛇に噛まれて運転手(リック・クレイマー)が死ぬ。しかし、運転手は悪霊によってゾンビと化し、町の若者を次々に殺していき……

何故か、たった一人生き残るヒロイン(アグネス・ブルックナー)に対しては、毒蛇男の攻撃が散漫という典型的なC級ホラー。

血みどろシーンばかり見せられても、演出が平板でサスペンスもスリルもないんですから全然ハラハラしません。

こんなホラーばかりでは、アメリカのホラー映画ファンがJホラーを歓迎するのがわかります。ハマーの『蛇女の脅怖』でもリメイクしたら如何かな。

 

『X博士の復讐』(1970年/監督:ケネス・G・クレイン)

脚本がエド・ウッドで、監督がケネス・G・クレインとくれば、内容は予想通りでした。

NASAで働きすぎてストレスの溜まったブレーガン博士(ジェームズ・クレイグ)が、助手のポール中村(ジェームズ八木)の勧めにより日本で休養することになるんですな。ブレーガン博士は植物が専門(何故、NASAでロケットの研究をしていたのだろう?)で、ガソリンスタンドで見つけた食虫植物を持って、温室のある浅間山近くのホテルに滞在します。人間は植物から進化したというのが博士の持論で、日本の海底から採取した食虫植物を交配させて新種の植物を作ろうとします。実験は成功し、その植物はみるみる成長し、人間の血を与えると心臓ができて歩きはじめるんですよ。

でもって、村人を襲いはじめるわけです。突拍子もない物語展開は、やっぱりエド・ウッドだァ。

ケネス・G・クレインは日本を舞台にした最低ホラー『双頭の殺人鬼』(1959年)の監督で、日本を気に入っていたんでしょうねェ。海女や村人は本物で、日本ロケしていることは確かで〜す。

 

『血のバケツ』(1959年/監督:ロジャー・コーマン)

芸術家が集うレストランで働くウォルター(ディック・ミラー)は彫刻家になることを夢見ていたが、はずみで殺した猫を題材にした作品が評判になる。皆から天才扱いされたウォルターは有頂天になり……

芸術家志望の狂った男が、死体に粘土を塗って作品に仕上げるというのは、“蝋人形の館”的死体芸銃とでも云いましょうか、ホラー映画の定番ですね。予算5万ドルで、たった5日で撮り終えたというロジャー・コーマンらしい作品ですが、内容は安っぽさが目立ちます。とくに死体を埋めた彫像が、芸術性に程遠くてシラケますよ。

それと低価格DVD(780円)というものの、ビデオからダビングしたような画像も酷いねェ。お寒い作品が余計に寒くなりま〜す。

 

 

 

 

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