アキラ映画


二連銃の鉄(1959年・日活/監督:阿部豊)

刑期を終えて戻ってきた鉄太郎(小林旭)は、服役中に昔の恋人(南田洋子)が自殺したことを知る。鉄太郎は二蓮銃の鉄と渾名される射撃の名手で、船長の犬塚(二本柳寛)に頼まれてラッコの狩猟に手を貸すが……

小林旭自薦作品と銘打って放送されたチャンネルNECOのアキラ映画の中から録画したもの。アキラが歌って、暴れるアクション映画。後の“渡り鳥”シリーズの先駆けとなる作品です。アキラ自身も、そういった意味で気に入っているとか。

北洋の海が舞台かと思ったのですが、アクション・シーンは陸地ばかり。ラッコ狩猟のシーンは記録映画の使いまわしでした。

あまり知られていないのですが、アキラのヒット曲「ダイナマイトが150屯」が挿入歌として使われたのはこの作品で〜す。

 

東京の孤独(1959年・日活/監督:井上梅次)

ディッパーズの監督・大貫(大阪志郎)は、入団テストでピッチャーの猿丸(小林旭)と打者の黒柳(宍戸錠)に目をつけるが、二人は採用通知を出す前に消息不明となる。大貫の失脚を狙うオーナーは、優勝を条件に二人の獲得を約束する。二人を入団させても優勝はできないと考えたからだ。黒柳はディッパーズに入団するが、猿丸はスポーツ記者の野々宮(西村晃)の策謀によりライバル球団のウエーブスに入る。ペナントレースが始り……

 大貫監督を崇拝するアキラの朴訥な青年演技はグッド。バーテンをしていて、シェーカーで手首が鍛えられたというのは、ウ〜ン。

内容的には、チャチャを入れたくなるシーンがたくさんあるのですが、野球映画というのは珍しいので是としましょう。

当時の名スポーツ・アナウンサーの志村正純や、名野球解説者の小西得郎、南村侑広が特別出演していました。

 

若い豹の群れ(1959年・日活/監督:松尾昭典)

亡き兄の志をついでボクサーとなった大学生の浩(小林旭)は、密かに愛していた義姉(渡辺美佐子)が再婚したため、酔っ払って関係を持ったダンサーのチエミ(白木マリ)と同棲する。チエミの弟がヤクザだったことから……

アキラが“渡り鳥シリーズ”でブレークする前の作品。真面目に演技しています。演技力はあっても、どこか陰性で、スターとしての魅力がまだ発揮されていませんね。

作品の内容云々より、脚本が三木克巳(ジェームズ三木ね)、助監督が浦山桐郎というのが注目されます。

主題歌の「若い豹のむれ」は、初めて聴く曲でした。それほど良い曲ではないけど、レコード化されているのかなァ。

 

大森林に向かって立つ(1961年・日活/監督:野村孝)

ダム工事に賑わう伊那の町で、津山木材の娘マキ(浅丘ルリ子)は、ならず者たちを人夫として雇う。競争相手の須賀運輸に人夫を引き抜かれたためだ。そこへ、賭場の出入りで死んだ仲間の弟を訪ねて伊吹(小林旭)が津山木材へやって来る。伊吹は色々なしがらみから津山木材で働くことになり……

アキラの役は、ダイスの腕前が超一流という賭博師。死んだ仲間のために、悪党たち(黒幕が安部徹で、ボスが金子信夫、子分は深江章喜)から仲間の弟が働く木材会社を守って去って行くんですね。

これまでのアキラの役と違うのは、組織に属するヤクザで、丹波哲郎がアキラを迎えに来るんですな。だけど、木材会社で働くうちに堅気になろうと決心し、丹波哲郎と対決ムードになります。だけど、結末は甘〜い。

丹波哲郎もそうですが、かまやつひろしや、『三匹の侍』でブレークする前の長門勇といった日活では馴染みのない面々が出演しているのが珍しいで〜す。

 

遥かなる国の歌(1962年・日活/監督:野村孝)

トランペット吹きの山川(小林旭)は、神戸を流しているうちにベースの小野、ドラムの中西、サックスの庄司、ピアノの前田と知合い、ジャズバンドを結成する。そして、キャバレー出演が決まったが、メインバンドと衝突してクビ。しかし、東京からスカウトにきていた雑誌記者の須貝京子(笹森礼子)のおかげで東京の山野プロダクションと契約ができる。彼らはメキメキ売出すが、三ヶ月後ギャラのことから独立する。京子が紹介してくれたクラブも愚連隊とケンカしてお払い箱。そこへ、山川が神戸にいた時に知合ったトミー福田(山内賢)という混血少年が訪ねてくる。トミーは知らずに麻薬の運び屋をやらされていたギャングの組織から逃げ出し、母を捜していたが……

音楽の世界を舞台に、友情と野心、ヒューマニズムを扱ったアクション・ドラマです。奈良岡朋子、宮城千賀子という出演女優と比較すると、笹森礼子はアキラの相手役としては、少し力量不足でしたねェ

 

 

 

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