工事監理と工事監督

工事監理とは?
前出のページのように、工事監理を一言で表せば、「設計図書に照らして、設計図書の通りに工事が行われているかをチェックする業務ということになります。さらにいうと、工事施工者の自主管理を基本姿勢として施工されたものを、工事監理者が確認するという業務です。
これは、建築する建物に見合った資格の保持者(建築士)が行える独占業務です。

もっと専門的な言葉で表せば、建築士法第2条第6項に次の通り定義されています。
建築士法第2条(定義)
第6項
工事監理とは、その者の責任において、工事を設計図書と照合し、それが設計図書の通りに実施されていないかを確認することをいう

つまり、工事監理者とは確認するのが業務であって、工程を決めたり現場を指揮したりすることは工事監理業務ではないのです。

また、建築士法第18条第4項には次の記述があります。

建築士法第18条(業務執行)
第4項
建築士は、工事監理を行う場合において、工事が設計図書の通りに実施されていないと認めるときは、直ちに、工事施工者に注意を与え、工事施工者がこれに従わないときは、その旨を建築主に報告しなければならない

工事監理者たる建築士は、建築主と工事施工者の間に立ち、常に中立の立場を守って客観的に判断することが求められます。もっとも建築士であれば業務として工事の指導監督を行うことができますから、このあたりの区別が一般の方々には理解しづらい点があることもまた事実でしょう。
工事監理も工事監督も同じ“”の字を使いますし....(^^;

工事監理業務は“監理”(俗に「さらかん」と呼ばれます)であって、“管理”(俗に「たけかん」と呼ばれます)と違った業務として定義されています。

監理の意味・業務内容
設計図書通りにつくられているかどうか、確認・検査をする
設計内容が不明確である点、不備不足な点を調整・修正する
管理の意味・業務内容
施工者が目的を達成するために立てた自らの計画を実行していく過程での業務そのもの


工事監督とは?
俗に“現場監督”といわれている人があてはまります。一般には工事施工会社の社員の中から建築士若しくは建築施工管理技師資格者が専任され、現場の指揮に当たることが多いようです。

業務としては、

 ●現場で具体的な指示を出し工事の進捗を管理する(工程管理)。
 ●施工図や施工計画書(工程表など)を作成する。
 ●工事の実行予算を組み、下請け会社との調整を行う。
 ●近隣トラブルの際建築主と共に対処にあたる。
 ●工事決算書を作成し会社の売り上げを計算する。
 ●工事内容の変更があった場合、設計者・工事監理者と協議し、指示に従い適切な処置を施す。

などと範囲が広く多岐に渡っています。

ちなみに工事監理者は、施工図の承認は業務として行う必要がありますが、施工計画書(工程表など)は検討はするものの、気がついた点があれば工事施工者に助言を与える程度で、工事監理者の承認行為とはなってはいません(業務範囲外です)。