2005年9月度MCTツーリングレポート(一泊)・前編 |
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2005年09月16日 第1版公開 |
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日時 |
9月3日(土)〜4日(日) | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
目的地 |
長野県下伊那郡上村 しらびそ高原【ハイランドしらびそ】 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
天候 |
1日目:晴れ\(^o^)/\(^o^)/ 2日目:晴れのち曇りのち雨 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
AM4:00、5回セットした携帯アラームの4回目でなんとか目を覚ました。実は前夜、仕事が超忙しく、寝床に入れたのがAM1:00だった。たった3時間の睡眠でよく起きられたものだと我ながら感心する。前夜だけでなく、この2週間というもの仕事の関係でAM2:00就寝がずっと続いていたのだ。その疲労の蓄積のことも考えると、たった3時間の睡眠で起きられたこと自体奇跡に近いかもしれない。 すぐに My Wife も起きてきてくれて朝食の準備をしてくれる。私は一応外に出て天気をチェック。空気が澄み切っていて気持ちがいい。雲もなく、1日目は雨の心配は皆無のようだ。 今回は2日目に雨に降られても大丈夫なよう、スリップサインが出かかっていたリアタイヤを2日前に交換したばかりで、全く皮むきができていない。しかしタイヤサイドまで使う必要が出てくる道までには一皮むけるだろうから心配はしていない。昨年の一泊ツーリング前にはフロントタイヤを交換している。そのまた1年前の一泊ツーリング後にはリアタイヤを交換、と、なんか一泊ツーリングを目安にタイヤ交換をしている感じだ。この分だと来年は一泊前にフロントの交換かな?....(^^;
私が到着するのを待ちこがれていたようで、ヘルメットを脱ぐとすぐに朝ミーティングだ。それもすぐに終わりすぐスタート。清宮社長とM徳氏のお見送りを受けながらAM5:35、Motor Cycle Shop Kiyomiya 前を出発する。私U海氏と共にケツ持ちで最後尾スタートだ。ちなみにスタート時の先頭はO川氏。
ルート予定通り、裏道から都道5号【新青梅街道】に出て都道15号【小金井街道】や都道14号【東八道路】などを走ってあっという間にR20を渡り都道18号【鎌倉街道】に入っていく。いつものこのルートどりなら、家の目の前を通るM.I 原氏は家の前から途中合流なのだが、今回はツーリングの起案者ということもあって途中合流とはせず最初からの参加だ。自分の家を横目に見ながら、M.I 原氏はどんな気持ちで通過していたのだろう? ........と書いてはいるが、御殿場や沼津まで行く時は最近いつも同じルートどりだ。他にも道はあるが、このルートが一番速くR246に到達できるので常態化している。そこまでは地図を見ることもなく走っていける。 あまり停まることもなく都道158号【多摩ニュータウン通り】、都道20号【野猿街道〜柚木街道】と走っていく。あまりにもスムーズすぎて少々退屈し、「どれ、ちょっとバイクをローリングさせてリアタイヤの皮むきでも......」とバイクを左右に振ると、新品タイヤで丸さを取り戻していることもあって、意図しているよりも思いっきりバイクが倒れ込んでいく。おぉ、ヤバいヤバい。タイヤが減っている時の感覚でローリングさせると倒れ込みすぎて危ない。急いで感覚のリセットをせねば。....(^^;
R16【東京環状】から【八王子バイパス】には無事合流できたが、間もなく立体下の〔橋本五差路〕に向かって左に入っていかなければならないところで先頭のO川氏が右車線からクルマ達を抜かしていく。おいおい、左にいなけりゃいけないのにわかっているのかな?と不安になる。幸いその直前の赤信号で停まったので、念のため私が左の路肩から前まで出て「こっちだよ」と合図すると、O川氏はわかっていたのかわからないものの手を挙げて返礼してくれた。信号青と共に右車線から強引に左車線を横切ってさらに左の立体の側道に入っていく隊列。ちょっとだけ(だいぶ?)クルマ達には迷惑掛けてしまったな。
土曜日ということもあり、R129に入ってもクルマが多く“超高速”で走れるわけではないが、ペースは悪くない。クルマ達もペースが速いからだ。信号で隊列が寸断されるとむしろ喜んで?青信号とともにすっ飛んでいく。 〔金田〕交差点を右折してR246に入っていくとクルマが途端に多くなる。3車線から2車線になる立体交差の所で先頭らが一番左車線から隣の車線のクルマ間の狭いスペースに車線変更するが、U海氏、M.I 原氏、私の後方3台は狭いスペースに入れる余地がなかった。仕方がないので左側からそのまま前に行ってすり抜けしていく形になった。道の途中では待っているスペースがないのでそのまま進み、R246がR129と分岐するところまで先に行くことにする。R246が一番左車線から分岐していくところは少し道が脹らんでいるのでそこで停まって後続を待ってる。すぐに追いついてくるかと思ったが、後続がなかなか来ない。ようやくO川氏の姿が見えたので発進体勢を取るがその後ろがいない。暫し待ってようやく追いついた後続を前にやり、おもむろに再スタートする。 R129と別れたR246は片側1車線になる。時間的にはいつもこのあたりで朝食休憩なので今回もそうだろう、と思っていると案の定、いつも立ち寄るコンビニにすべり込んでいく先頭。ここで朝食だ。AM7:15、セブンイレブン【伊勢原石田店】に到着する。この日は珍しく駐車スペースがクルマで埋まっていて、バイク達は両端にそれぞれ肩寄せ合って?停めるハメに。それでも朝食を買い店外に出ると、あれほどいたクルマ達がきれいにいなくなっていたので、分けて停めておいたバイクを仲間のもとに移動する。
「そろそろ行きませんか?」O川氏の声が掛かる。次はどこで休憩するのか聞くが、特に何処とは決めていない様子。ここからなら2時間くらい走るとちょうど富士市のあたりなのでR1沿いのコンビニを教えておくが、はたして停まるだろうか? 「そのまま走って行っちゃうかも........」のO川氏の言葉が引っ掛かった。もしかして富士市あたりでの休憩は考えていないのかな? 準備が整い、AM7:45にコンビニをあとにする。
土曜日のR246は仕事車の影響もありあまりペースが上がらないものの、渋滞するほどではない。市街地部を抜ければペースは上がるだろうと期待できるので、市街地ではおとなしく走って行く。案の定、秦野市街を抜けるとペースがグンと上がるのでストレスはあまり感じずに済んだ。天気も相変わらず青空が気持ちよく、ストレス低減に一役買ってくれているようだ。 大井松田を抜けると片側2車線の箇所が増えるので遅いクルマをどんどん抜いていく。100 km/h 程度で走って行くとあっという間に御殿場市に入ってしまう。ずっと工事中だった道も工事が終わったようで、全線片側2車線となりスムーズに抜けていくとすぐに裾野市に入ってしまう。その裾野市もほとんど停まることなく抜けていき、気がつくともう沼津市内だ。〔沼津 IC南〕交差点を左折してR1の方に向かっていく。
沼津市から富士市に向かうR1はずーーっとバイパス状なのでどんどん走っていける。信号でもあまり停まらないし、赤信号で停まっても広い路肩&車線間をすり抜ければ先頭に出られるのでストレスは全く感じずに済む。だんだんと富士市独特のニオイ(製紙業界のニオイとも言う)が立ちこめ始め、富士市に近づいたんだとニオイでわかる。一旦バイパスが終わり、先ほど私が提言していた富士市内のR1沿いにあるコンビニ(サークルK)が近づいてくる。O川氏は入るかな?と観察していたが、やはりここでは停まる気は無いようで、コンビニに一瞥もくれずに通過していく。道の駅【富士】も通過していくので、もうこの先は旧清水市(現:静岡市)に入るまでどこも停まるところはない。そろそろ“休憩したいモード”になりかけていたが、ここは覚悟を決めて付いていくしかない。ま、道自体はハイペースで走っていけるので苦ではないが。 ........道は苦ではないが、隊列のペースが上がっていかない。2車線あるうちの左車線を、遅いクルマ(それでも 60 km/h 程度で流れているが)の後ろをビタッと付いて走っている。右車線はかなり速いペースで流れていてクルマ達はどんどんバイクの隊列を追い越していく。遅いクルマの前が詰まっているかというとそうではなくガラガラだ。これは多分、O川氏が睡魔に襲われているのでは、と感じた私は、右車線から先頭に並ぶまで前に出て行く。O川氏は睡魔もあったらしいうえにシートが硬くて尻が痛くなっていたらしく、尻を浮かせたりリアシートに載せたりと色々苦闘していたようだ。私が前まで出てきたのを見てようやく我に返ったのか、スロットルを開けて前の遅いクルマを抜かしていってくれた。 ようやくペースアップできたのでここから先は快調だ。左手にはきれいな駿河湾が広がっている景色が楽しめる。海の潮風も感じることができ、「まだ夏はおわらないゾ!」と意気込んで走っていける。........ん?待てよ?潮風を感じる??.......ヤバい!.だんだんとヘルメットのシールドに塩分が付着して行くではないか!見る間に視界が悪くなっていく。見えないほどではないが、塩のブツブツが目立ち始めて結構不快だ。 厚木での朝食休憩から既に2時間以上経っている。そろそろ休憩したいんだけど........と思っていると、静岡市に入ってからようやくのことでコンビニが現れ、そこにバイク達がなだれ込んでいく。駐車スペースにクルマが全く無くて、各自自由に停められた。AM10:15、キッカリ2時間半走ってヤマザキデイリーストア【清水バイパス店】に到着する。
先ほどのメットシールドに付いた塩分をどうやって除去しようか?石けん水で洗えれば一番早いのだがあいにくそれは無理だ。仕方がないので目の粗いティッシュとタオルで見た目きれいになるまで拭いておく。 休憩中にU海氏が「YZF-R1 に乗ってみる?」と持ちかけてきた。珍しい、今まで一度もバイクチェンジしたことの無かった人が!前に乗っていたハヤブサも、その前のスーパーブラックバードも、他の人に一度も貸したことの無かったU海氏がどうしたんだろう?........実は、YZF-R1(最新型)はニーグリップする太もものところがメチャクチャ熱くなるらしい。その熱さたるや尋常なものではないらしい。U海氏はよく走行中に股をおっぴろげて走っているのを何度も目撃している。その“股おっぴろげ走行”は全て熱さを逃がすためなのだそうだ。その“熱さ”を体験してみないか?と言ってきているのだ。“熱さ”にも興味があったが、現行型の YZF-R1 に乗らせてもらえる方が嬉しくてすぐにOKした。
私の方は当然ながらN野氏の ZEPHYR750 に乗っていく。フルノーマルの ZEPHYR750 に乗るのは初めて(他の人のは乗ったことがあるが改造多数のため参考にならず....(^^;)なので楽しみだ。まずは軽くローリングさせてみる。素直な操縦性でクセがない。たったこれだけでも、かつてジムカーナのベース車になりやすかった理由がわかる気がする。続いてフツーの走行を。音量は大きくないものの、マフラーからしっかり重低音が響いて耳に届いてくる!しかも空冷大排気量車らしい、結構心地よい響きだ。ノーマルマフラーとしてはいい造りなんじゃないかな?今どきのオーバーリッターバイクのノーマルマフラーの静かさとは明らかに一線を画す感じだ。静かすぎるもんなーー、今の大排気量車のノーマルマフラーは。 しばらく走った後、信号待ちの際にお互いに自分のバイクに戻る。「どうでした、KATANA は?」とN野氏に聞いてみると、「直線だけだったからね。もうちょっと乗ってみたかった気もする」とのこと。でも直線程度でやめておいた方が正解だと思うよ。乗ったことのない人がいきなり KATANA でクネクネ道走るのは、今のバイクとまるで操縦性が違うので無茶というか、無謀だと思う。 自分のバイクに戻って少しすると、今度はU海氏が「チェンジする?」と誘ってきた。そうだそうだ、U海氏のバイクにも乗らせてもらえるんだっけ。....(^^; 信号待ちの時にそそくさとチェンジする。 そして肝心の YZF-R1 の“熱さ”の方だが、確かに熱いのだが最初のうちはなんとか耐えられるじゃないか、U海氏が言うほどなのかなぁ?と思っていた。しかし初めのうちは耐えられるものの、それが走行中ずーーーーっととなるとやはり熱さ自体が耐え難くなっていく。上半身は風を受けて涼し目なのに、下半身は脚全体が汗にまみれている感覚だ。U海氏の“股おっぴろげ走行”のワケを身をもって体験できた。やっぱり熱い! 斜め前を見ると KATANA に乗るU海氏の姿が。革パン履いて乗っているその姿がまたカッコいい!走りながらなので写真に残せないのが残念だけど、KATANA には革パンもよく似合う。私もかつては革パン派だったのだが体重の増加と共に持っていた革パンが履けない体になってしまい(....A^^;)、ちょっぴり残念だ。 しばしの間 YZF-R1 の感触と“熱さ”を楽しんだ後自分のバイクへ。走り出したと同時に感じるこのヒンヤリ感はなんだ!まるで股の間にクーラーを付けたように涼しい。あぁ、気持ちいい!それほど YZF-R1 が熱かったことの証でもある。これは KATANA に乗り出した時のU海氏も同様に感じでいたらしい。もっともU海氏はU海氏で KATANA のポジションを「ハンドルが遠いよー!」と戸惑っていたようだ。 途中にあるトンネルの中で、先ほどのメットシールドに付着した塩分の拭き取りが不十分なことが判明した。トンネル内の照明がメットシールドで乱反射してとっても見づらい。先ほどのティッシュとタオルは、ただ塩分をシールド上でかき回していただけだったのだ。
暫しのバイクチェンジ会が終わるといつの間にか静岡市を抜け藤枝市に入っていた。ここからは市街地を抜けていくようになるのでそんなにペースは上げられない。しかし混むこともないので淡々と隊列を進めていく。しばらくすると「R1は右折」の標識が出るが、O川氏はそのまま直進していく。いいのかな?直進する予定はなかったと思うが。ま、そのまま直進してもR473には到達できるのでたいした問題ではない。すると少しして隊列が停まった。O川氏が道路の標示が「静岡県道381号」と出ているのを見てR1から外れていることをようやく認識したらしい。そのまま直進してもR473に出られることを地図で確認できたからか、1分ほどの停車でリスタートできた。 大井川を渡るとR473が姿を現すのでこれを右折していく。ここからしばらくは大井川鉄道と併走する道になる。M.I 原氏によると、運がよければSLと併走できるか、または道の駅あたりで走るSLの雄姿をゆっくり見られるかも、ということだ。
ここでは先ほど一人だけ給油したN.T田氏も給油していた。たったの数リットルしか入らなかったようだが、この先は翌日まで給油無しと聞いて「念のため」と満タンにしていた。 10分ほどで全車の給油が終わり、PM0:20にGSをあとにする。次は昼食処に向かう。
R473をさらに北上し、静岡県道63号に出たところでこれを右折する。どこも立ち寄らず目的地に向かうにはこれを左折だが、お昼ご飯を食べるために右折で道の駅に向かうのだ。右折後 3 km 程度で道の駅が見えてきた。PM0:40、道の駅【川根温泉】に到着する。
食事処は温泉の休憩所ということでごった返している。9人がまとまって座れるスペースはなく、4人と5人に分かれて別々に食べることに。食券を買う時に食堂のおばちゃんがしきりに「天丼が名物なのでオススメですよ!」と推薦してくる。それにつられて何人かが天丼にしていたが、なんかうさんくささを感じた私は当たり外れの少ないカレーライスにしておく。カレーライスはそこそこおいしく食べられたが、天丼をたのんだM.I 原氏は「衣のサクサク感がない!」と苦言を呈していた。味はどうだったのかな?....(^^; 座敷で食べた私ら4人は早々に食べ終えたので、椅子席で食べている5人に「先に出ているよ」と告げ外に出る。外は日の当たるところは暑いので、日陰を選んでみんなが出てくるのを待つ。
全員が揃ったところでO川氏から「この先は静岡県道58号に至るまでの静岡県道63号全線をフリー走行にします」とのお達しが。道程は約 20 km ある。結構な距離だな。フリーと聞いて真っ先に飛び出していったのはU海氏........ではなく、なんとM.I 原氏。珍しいこともあるもんだ。私は最後に出発したO川氏を待ってから最後尾でスタートする。時間はPM1:45になっていた。
静岡県道63号を戻り、先ほどやって来たR473を渡れば本格的なフリー走行の始まりだ。するとすぐに道幅が狭くなっていく。ツーリングマップルにも書いてあるがおおむね1〜1.5車線分しか全幅がない道だ。こういう道では対向車がいつ現れてもいいような走りが要求される。また直感や“場の空気”を読む力も大切だ。私の場合は何となく直感が働き、「何ともいえず空気が違うな」とか「なんか来そうだな」と思えた時は対向車が来ている時が多い。直前に予め身構えておけるので、いざ対向車が来ても慌てることが少ない。 初めて走る静岡県道63号だが、クネクネ度は結構ある。それでもリズムに乗って操っていけばそんなに苦ではない。少しするとO智氏に追いつくが、上り左コーナーの所でどういうワケかストップしていた。多分とっちらかって失速し停止してるのだろう。O川氏が「先に行きな」と合図しているので、O智氏の脇を抜けて先に行かせてもらった。O智氏、大丈夫だった? さらに走っていくと上りの直線の所にM.I 原氏が停まっていてこちらを向いているのが見えた。よくよく見るとデジカメを構えている。予告無くいきなり現れたM.I 原氏を見てどんなポーズをとれば一番カッコ良く写るか頭の中は急速回転するが思い浮かばなかったので、直線だけど少しバイクを傾けて上体をタンクの上に覆い被せ、メットごと視線をM.I 原氏がいる方とは逆に向けて通過していく。どんな風に写っているのか、M.I 原氏からデータをもらうのが楽しみだ。 そのままM.I 原氏をおいて先に進んでいくと、しばらくして他のメンバー達に追いついた。スクーターの2台を先頭に5台が連なって走っている。フリー走行ではあるが道幅が狭く抜かしていくことはできないので、私を含めて6台が隊列状に走って行く。またしばらくするとM.I 原氏が追いついてきた。 隊列状のまま少し車間を開け、グワッ!と峠道の感覚でリキ入れてブラインドの右コーナーをクリアしたと思ったら十数メートル先になんと信号が。それも赤だ!勢いが付いているので停まれない!........幸い信号が変わった直後らしく、直交する道からクルマ達がまだ動く気配を感じられなかったので、「ええい、行っちゃえ!」とそのまま交差点を通過する。クルマ達は全く動かなかったので事なきを得たが、こういうこと(ブラインドコーナーのすぐ先に信号)もあるので以後は注意していかねば。 そしてこの赤信号から先が静岡県道58号となった。少しして隊列が停車し、前に出て行ったM.I 原氏の先導で再び走り出す。
静岡県道58号もそれまでの道と印象はあまり変わらないが、道幅は広くなっているので静岡県道63号よりは走りやすい。ペースも速すぎず遅すぎずでどんどん進んでいく。結局一度も地面に足を付くことなくR362まで到達してしまった。そのR362はほんの2 km ほどしか利用せず、すぐに現れた静岡県道286号へと入っていく。静岡県道286号はクネクネ度合いは少ないものの道幅は再び1〜1.5車線分しかない。またしばらく適度に緊張しながらバイクを進めていく。 川沿いのクネクネ道を走った後は急に道が緩やかになり、橋の所で左折するとその橋を渡った所にR152の案内標識が。あとはこのR152をひたすら北上していくのだ! ........ホントにひたすら北上していく。全然停まる所がない。ツーリングマップルをめくる暇もなく龍山村、佐久間町などを通過していく。途中に一つあった信号も青でそのまま通過したため、全く停まらないままズンズン突き進んでいく。こうなると睡魔という悪魔がどこからともなく現れてくる。私はそれほどでもなかったが、私の後ろでケツ持ちしているO川氏が明らかに睡魔に襲われているのがわかった。極端に車間距離が開いたかと思うと接近し、また車間が開いて今度はステップの上で立ち上がったり座ったり、と屈伸運動を繰り返している。うーーん、こりゃ相当眠そうだな。 ようやくのことで赤信号に捕まった。するとすかさずO川氏が横に来て「(眠いから)バイク替わって!」と言ってきた。人のバイクに乗ることで緊張感を呼び起こし睡魔を退治しようというものだ。O川氏ほどではなかったが私も睡魔が来だしていたので快諾し、信号待ちの間にバイクチェンジする。青信号とともにスタート!........と、先頭が道路脇にある自販機の所で停車した。さぁ!と加速体勢だった私らは急停車。どうやらここで休憩するようだ。おかげでO川氏と私のバイクチェンジはたったの 20 m であえなく終了となった。....(^^; この時点でPM3:30となっていた。なにはともあれ、睡魔との闘いに終止符が打てるので休憩大歓迎だ。
ここではトイレ施設が無い。別にトイレに行きたいわけではなかったが、走っている最中にトイレに行きたくならないとも限らない。M.I 原氏に「どこかトイレ休憩は入れるの?」と聞いたが、この時点では明確な返答はなかった。コンビニすら無い道すがら、はっきり「ドコで」とは答えにくかったのだろう。ま、どこかにあれば立ち寄れればいいや、的に思っておこう。それよりも今は水分補給をっと。いっぱい汗かいてるし。....A^^; 20分ほど休んでPM3:50、自販機をあとにする。
さらにR152【秋葉街道】を北上していく。それまでと同様全く停まらずに進んでいくと約1km ほどのトンネル(草木トンネル)に入る。別にどうということのないトンネルだが、このトンネルは自動車専用道路とのこと。ツーリングマップルによると 125 cc 以下は通行禁止らしいが特にゲートがあるわけでもないので、知らない人はそのまま通ってしまうのではないだろうか? その草木トンネルを抜けて少しすると、道の感じは変わらないのにいきなり林道となる。【兵越林道】だ。林道になると急に道幅が狭くなったり少し広がったり、と道幅が一定ではない。そういう時に前にクルマが現れるが、追いつかれたクルマ達はみな親切にバイクを先に通してくれる。ありがたく先に行かせてもらい、抜かし際に左手でお礼の挨拶をする。デカいダンプなどは道幅が広くなったと同時に端に寄ってくれ、窓から手も出して「先に行きな!」と合図してくれている。嬉しかったので抜かし際にホーンを鳴らして手でも礼を言うと「プァッ!」とホーンで返礼してくれた。総じて、このあたりのクルマ達はバイクにとっても親切だ。クルマが親切な分、バイクもちゃんと礼をしないと。それがよりよい四輪と二輪の共存につながると思う。
トイレを済ましてそそくさと兵越峠をあとにする。その先はまた林道で、今度は下りだ。時折対向車が現れるが、前走車の挙動を見ていれば対向車が来ているかわかるので不安はない。右に寄りながら走っていて対向車に驚いて慌てて体勢を立て直しているN野氏の姿も見える。そんな中先頭のM.I 原氏はすいすい走って行く。普通、道幅の狭い峠道で先頭だと対向車に注意しながら走らなくてはならないので遅くなりがちだが、日本全国あちこち走り回っているM.I 原氏にとってはこのくらいの道は“あたりまえ”なのだ。こういう山道を速く走るコツを体得しているのだろう。おかげで2番手以降は離されがちになってしまう。M.I 原氏も2番手以降が離れていくのをミラーで確認しているのだろう、ペースを落として後続があまり離れないように調節しているようだ。そういえば休憩時にO川氏がM.I 原氏に「(細いクネクネ道なのに)ペース速いですよ〜」と話していたが、M.I 原氏は「え、そう?速くはないよ〜」と応じていたのを思い出した。M.I 原氏にとってはたいして難しい道ではないのだろう。 下り急勾配の右ヘアピンカーブのど真ん中で、対向車のクルマが車体の半分以上をこちら側に飛び出させた状態で停まっている。なんでこんなところで停まっているんだ?迷惑なクルマだなぁ。そのクルマを横目に見遣りながらゆっくりと右ヘアピンを通過していく。そのヘアピン、結構な急勾配が付いていた。........おそらく対向車のクルマは、急勾配を意識しないで(向こうから見ると)左ヘアピンのインで上ろうとしたところ想定外のイン側の急勾配に失速するか腹付きするかして停まってしまったのだろう。どう体勢を戻そうか、というところに私らバイクの隊列が来てしまい、動くに動けなくなってしまったのではないだろうか?いずれにしても、コーナーの途中で停まってしまうような走りは避けて欲しいものだ。 そしてその右ヘアピンカーブを通過するとそこからまたR152【秋葉街道】に合流となるが、見た目にはそれまでの林道と変わらない。R418が左手から合流してくる地点を越えるとようやく道幅が広がり、快適に走れるようになった。そしてまたしてもノンストップ走りが続いていく。
しばらく走ると先頭がまた林道に向けて右折していく。右折しながら「下栗の里入口」の看板が確認できたので、目的地が近いことがわかった。M.I 原氏によると「ここから先の道はスゴイです。大変ですよ」と聞いていた。いったいどれほど大変な道なんだろう?それはそれで楽しみだ。 急勾配のヘアピンカーブが何箇所もあり、2速では上れず1速にすかさずシフトダウン。中にはシフトダウンが遅れてギクシャクしている人もいたようだ。それでも何とかかんとか上っていき、小さな集落を抜けた道の途中で隊列が停まる。M.I 原氏によると、ここが別名「日本のチロル」と呼ばれている【下栗の里】らしい。
ここでは長くは停まらない。まだ先があるのだ。地図上ではもうすぐなのだが、急傾斜の細いクネクネ道(しかも峠道ではない集落の中の生活道路)を延々と上って行かなくてはならないのだ。M.I 原氏によると、目的地まではまだあと30分くらいかかるようだ。暫し急傾斜を眺めて本日最後のスタートを切る。 急傾斜・ヘアピンの連続の道を上っていく。集落の中の細い道を通っていく感じなので、民家の軒先を通過する箇所も多い。そんな中路面に無造作な白ペイントで「しらびそ峠はこっち!」と書かれている。書いてないとわからないくらい“道”という感じではないのだ。 しばらくすると左手に【高原ロッジ下栗】があった。今回のツーリングでは宿泊の第2候補になっていた宿だ。それを脇に見ながらさらに先に進んでいく。 【高原ロッジ下栗】を通過すると普通の林道の感じに戻った。【南アルプスエコーライン】の名前がついている林道だ。道はなだらかになったが高度はさらに上がっていく。ふと気が付くとあたりは霧というか、靄がかかって来だした。それだけ高地に来たんだと実感できる。道には小さいものの落石が目立ち始めた。これを避けつつ注意深く走って行くと、靄の中から突然大きな建物が姿を現した。事前に建物外観をネットで見ていたので、それが今回の宿泊地であるとすぐにわかった。山奥にある建物とは思えない規模と色づかいで少々異様だ。これがまた村営だというから驚く。PM5:25、靄の中【ハイランドしらびそ】に到着する。
写真を撮り終え部屋へ。寒くなる地方だからか、窓は二重サッシだ。現時点でも結構涼しく、窓を開けておくだけで天然のクーラーだ。早速無事着いた旨自宅に電話しようと携帯を取り出すが、無情にも「圏外」の表示が。建物内だけでなく外でも同じだ。残念。これで i-mode による翌日の天気予報を見ることも不可能になった。ちなみに「圏外」なのは DoCoMo だけではないようで、au も同じようだ。ボーダフォンの人(O川氏)には繋がるか聞いていなかった。ツーカーは持っている人ないのでわからないが、DoCoMo と au が繋がらない時点で携帯はほぼ全滅ということだ。 仕方がないので軽装に着替えた後はこの宿のウリでもある「展望風呂」に行く。男湯は南アルプスが、女湯は中央アルプスが望めるとのことだったが、あいにくこの日は靄がかかっていたために景色は全く望めなかった。窓の外はただただ白い靄が見えるのみだ。残念....(__;)
おやすみなさい..........zzZZ...... 1日目の走行距離:388.9km ☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆ |
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(後編に続く) |
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