シルフィス恋物語
 
 広場
 
 
出会い
その1
 
 
突然、降り出した雨に、困ったような顔をする少女。
「同窓会の打ち合わせに行かなきゃいけないのに……どうしよう。
この雨では制服がびしょぬれになってしまう」

【小牧】
パラレル設定の連載ものです。
カップリングはセイルシル。
レオニスの方が(背徳的で)都合がよかったのですが、あ、あえて難しい方にトライ。
セイリオスじゃ、普通の恋人同士になりかねない。ありきたりにならないよう、がんばろっと 


 
 
 
  
 
出会い
その2
 
 
 
「よかったら、これを使うかい?」
見知らぬ青年に傘を差し出されて、シルフィスは戸惑った。
「あの……でも」
「遠慮しなくていい。私の家はここから1分程度なんだ」
傘を渡すと、青年は走りさった。
【小牧】
オーソドックスな出会いですが……。

 
 
 
 
出会い
その3
 
 
「すみません。人を捜しているのですが、
このあたりで、ものすごく髪の長い男の人を見かけたことはありませんか?
年は20代前半で、髪の色は水色、背の高さが180センチくらいの長身で細身の人なのです。
……ご存じない。そうですか。ありがとうございました」
 その週末。
 シルフィスは傘を貸してくれた親切な青年を捜していた。
 傘は思いがけず立派なもので、柄の部分にイニシャルが刻んであった。
「S.A.Sか。名前の頭文字だよね。
ショーンかな。それとも、ソーン、…………スティーヴって感じではなかったな」
 こんな高価な傘を、通りすがりの他人に貸せるくらいだから、
お金には困っていないだろうし、もしかすると、もう覚えていないかもしれない。
 それでも、ちゃんとお礼を言って傘を返したい。
 律儀な性格のシルフィスは、「駅から1分」という彼の言葉をヒントに、
朝から駅の周辺を歩きまわっていた。
だが、いっこうに、彼の行方はつかめなかった。
「目立つ人だから、案外、簡単に見つかると思ったんだけどな……」

 
 
 
 
出会い
その4
 
 
「シルフィス。
兄を紹介しますわ。
いつもの運転手さんがお休みで、代わりに迎えにきてくれましたの」
親友のディアーナが引っぱってきた青年を見て、
シルフィスはあっと声をあげた。
「あなたは!」
「きみは……」
青年もまた、驚いたような顔をしていた。
ディアーナは二人の顔を代わるがわる見て、首を傾げた。
「二人は、知り合いでしたの?」
ディアーナの兄こそ、シルフィスに傘を貸してくれた親切な青年、その人だった。
 
【小牧】
ありきたりにならないように……などと言いつつ、
ありがちな路線をまっしぐらに進んでいます(笑)。
今後のことを考えると、最初からあまり奇天烈すぎるのも、どうかと思うのですよ……(笑)。

 
 
 
 
 
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