外伝 アスカとの出会いINドイツ
2012年 アメリカ合衆国、ボストン
碇シンジは昨日大学を卒業したので、部屋で日本への帰国の準備をしていた
そこへ黒服の男達数人がやってきた
「碇シンジさんですね?」と男の一人が言う
「はい、そうですが。あなた達は?」とシンジは戸惑いながら言う
「我々はネルフ情報部のものです」
「ネルフが僕に何のようですか?」
シンジはネルフの存在はもちろん知っていたがそこに入るつもりはなく一度帰国したら
ヨ−ロッパの研究所に就職するつもりだった
「我々と一緒に来ていただきたいのですが」と拒否を許さないような感じで言った
「……嫌だと言ったら?」
「どのような状況になってもお連れするようにとのことですので…」
とさっきよりも更に強い感じで言う
「わかりました」とシンジが言うと男達はシンジを連れて部屋を出ていった
外に出ると黒いリムジンがおいてあった。それに乗るようにとシンジは促された
シンジは言われたように車に乗った。すると車は闇の中を走り出した
アメリカ、マサチュウセッツ、ネルフ第一支部
森の中に目的地があった。その目的地はまるで昔のアニメの秘密基地のようにひっそりと立っていた
「こんな所に、こんな施設があるなんて」と驚いたように言うシンジ
男達は車に乗ってから何も言わない
車は施設の中に入っていった。そして大きな入り口の前でとまった
車を降り男達に促されるままに中へと入っていった
かなり進むと
「どうぞこちらです」と男は言う
そこはある部屋の入り口の前だった。シンジはその部屋へ入った
そこには、ネルフ総司令でシンジの父碇ゲンドウがいた
「父さん……」とシンジ
「久しぶりだな、シンジ」とゲンドウ
シンジとゲンドウはあの実験の日以来会っていなかった
シンジはあの実験について最初のうちは事故だと思っていたが、最近は故意に起こされたものだと思っていた、この碇ゲンドウによって。なので、この二人の関係は、決して良好なものではなかった
「僕に何の用?」と感情を押さえて言うシンジ
「大学、卒業したそうだな」
「うん……」
「この後どうするのだ?」
「フランスの研究所に呼ばれているからそこに行くつもりです」
「ネルフに来ないか」
「ネルフ?……あんな母さんを殺した組織なんかに行けるか」と今まではどうにか押さえていた感情が押さえきれなくなってしまった
「シンジ。お前は何か勘違いしているようだな」
「勘違い?」
「そうだ。あれは確かに事故ではなく、故意に起こされたものだ。しかしあれは我々が起こしたのではない」
「……じゃあ、一体誰が?」
「ゼ−レだ」
「ゼ−レ?」
「そうだ。ゼ−レは我々ネルフを統括する組織」
「そのゼ−レが何故母さんを……?」
「邪魔になったのだろう」
「そう……だからどうしたの。それが僕がネルフに入ることとどんな関係があるの?」
「我々ネルフはある計画を進めている。それはゼ−レを陥れ世界を救うための計画だ。そしてユイを救い出す為の…」
「母さんを?……母さんは死んだんじゃないの」
「ユイは死んではいない。あれの中に吸収されただけだ」
「あれって?」
「エヴァの中にだ」
「と言うことは、また母さんに会うことができるんだね」
「ああ、計画が成功すればな。その為にはお前の力が必要なのだ」
「………わかった、協力するよ。でも、本当なんだろうね?その話」
「ああ」
「父さん。今回は信じるよ」
数ヶ月後、ネルフ第一支部(マサチュウセッツ)
シンジはゲンドウに言われてここでMAGIクロ−ン建設をしていた
そこに日本から来客が来た。ネルフ技術部責任者赤木リツコである
「久しぶりね、シンジ君」とリツコ
シンジとリツコはナオコの葬儀以来の再会だった
「はい、お久しぶりです。リツコさん」とシンジ
「元気そうね。それにしても大きくなったわね」
「はい、それにしても今回はどんな理由でこちらのほうに来たんですか?」
「シンジ君の手伝いよ」
「そうですか」
「ところで、作業は何処まで進んでいるの」
「はい、現在、3基の独立システムは構築を完了しました。これからは3基の連動システムの確認と調整及び人格移植OSの開発をするつもりです」
「そう、こっちの送ったOSになんか問題があったかしら?」
「いいえ、ただ少し容量の問題で不都合を生じたので」
「そう」
三ヶ月後
全てのシステムが完成した
「さすがねシンジ君。こっちのOSの方が動作時間が短いようね」とリツコ
「はい、でもその分正確性に問題がありますが」とシンジ
「そんなに気にすることではないわ」
「いいえ、むかし先生に言われました。科学者はいつでも完璧を目指すようにと」
「母さんが…?」
「ええ」
「そう、でも大した物よ」
「ありがとうございます」
するとリツコは何か気づいたように
「ああ、そうそう。このまえ碇司令からドイツに行くように連絡が入ったわよ」と言う
「僕がですか?」
「そうよ。何でも向こうの支部MAGI の調整と弐号機及びセカンドチルドレンの管理の為にだそうよ」
「セカンドチルドレン?」
「かわいい女の子だそうよ。良かったわね、シンジ君」と急にからかいモ−ドには入る
リツコ
それを聞きシンジは急に赤くなり
「そんな事関係ないですよ」と言う
「そう?」
シンジは数日後ドイツへと旅立った
続く