営業革命講座 - 第3回 「不況時代の営業日報活用法(2)」 |
前回の営業革命講座で、営業日報には「顧客の生の声」や「営業マンの現場の声」がたくさん詰まっているというお話をしました。今回は、営業日報を利用して効果的に情報を収集し、蓄積する方法について考えてみましょう。 |
1.営業日報で集める情報 |
まず、営業日報で、どんな情報を収集するかを決める必要があります。「日付、氏名、報告内容」といった簡単な書式では、営業日報で集まる情報の質も量も、営業マンによって違ってしまいます。バラバラの情報がたくさん集まったところで、何の役にも立ちません。収集したい情報についての項目を、ただ漠然と設けるのではなく、情報の種類ごとに項目を分け、必要な情報を効率よく集めなければなりません。例えば、 「作成者名、作成日時、訪問先、訪問日時、訪問場所、面談者、件名、内容、情報区分、作業区分、重要度、受注確度、阻害要因、受失注理由」 ・情報区分 − 営業報告、情報提供、クレーム、要望・・ ・作業区分 − 初回訪問、提案書提出、プレゼン、受注・・ ・重要度 − 5,4,3,2,1 ・受注確度 − 0〜100% ・阻害要因 − 価格が高い、お金がない、興味がない・・ ・受失注理由− 価格、サービス、プレゼン、熱意、競合・・ このように、具体的な項目を個別に設けることによって、意味のあるデータを収集できるのです。 |
2.営業日報のデータベース化 |
営業日報によって収集される情報は、どのように蓄えるのが効果的なのでしょうか。従来のような手書きで作成する紙の営業日報では、せっかくの情報を効率よく活用できません。そこで、パソコンなどで営業日報データベースを構築し、すべての営業マンの営業日報をデータベースに蓄積するようにします。営業日報をデータベース化することによって、必要な情報を迅速に検索し、活用することができるようになります。前回も述べましたが、データは蓄積しただけでは意味がありません。誰もが簡単にその情報を利用できるしくみがとても大事なのです。 営業日報データベースの活用例としては、 ・商談履歴や購買履歴を基に、「個客」対応の提案活動を行う ・成功事例や失敗事例を知識ベースとして活用する ・類似事例の資料(提案書など)を再利用する ・営業戦略の立案時に「現場の生きたデータ」を活用する ・現場の声を生かした商品企画、生産計画を立てる ・顧客の関心がある製品やサービスを発見する ・優秀な営業マンの営業手法を参考にする ・営業担当者の引継ぎをスムーズに行う など、挙げればきりがありません。 営業活動に必要な情報、資料、ノウハウを共有し、活用することによって、組織全体の情報活動を高い水準に引き上げることができるのです。。 |
3.ワントゥワンマーケティングへの応用 |
「ワントゥワンマーケティング」という言葉を、最近よく耳にするようになりました。ワントゥワンマーケティングを一言で説明することはできませんが、あえて言うならば、「商品やサービスを顧客一人一人のニーズに合わせて(カスタマイズして)個別に提供すること」と言えるでしょう。ワントゥワンマーケティングの詳細については、参考ページをご覧ください。とてもわかりやすく説明してあります。 ・参考 http://www.imi.ne.jp/mbi/one/wakaru.htm ワントゥワンマーケティングを実践するには、顧客一人一人のニーズを十分に把握する必要があります。営業日報データベースには、顧客の要望やクレームなどのニーズがたくさん蓄積されていきます。これらのデータを活用し、顧客ごとにカスタマイズした商品やサービスを提供することで、ワントゥワンマーケティングを実践でき るのです。 市場が成熟し、商品やサービスで競合他社と差別化するのが難しい業界においても、ワントゥワンマーケティングによる「個客対応」が差別化の切り札となり得ます。 「顧客を知ることが不況時代を生き抜くための最大の武器になる」ということを忘れないでください。 |
4.お知らせ |
さて、みなさん。今回は、データベースやらワントゥワンマーケティングやら、難しそうな言葉が出てきて、「営業革命って難しそうだな・・」と感じた方もいらっしゃるかもしれません。でも、心配は無用です。営業日報を作り直したり、データベースを構築したりする必要はありません。営業革命に必要なソフトウェアは、営Netが提供いたします。楽しみにお待ちください。 |