1999年5月 ゴールデンウィーク(奄美)

予約しとったんは、11:25伊丹空港発奄美行き。

10:15ごろ大阪駅着いて、リムジンバス乗り場へ。お、ちょうどバス来てる。もぉ

すぐ出発やん。あわてて切符買うて乗り込んだら、すぐ出発。

 梅田入り口から阪神高速へ。バスの乗り継ぎがうまいこといったから、空港でちょっ

と買い物できるな。日焼け止め忘れたし。

 新聞読んで、外見たら、観覧車がみえる。んんん?まだ阪急の観覧車が見えるん?せ

やし、なんか観覧車の形が違うぞ。回りにでかい川が流れてるし。淀川てあんなに広い

はずないし・・・。

 もしかして、あれ、天保山の観覧車ちゃうか。伊丹空港に行くのになんで大阪港行く

んや?

 んん?バスが堺方面に曲がった。

 もしかしてこのバス、関空行きちゃうか?(笑)

 まずい。背中にどっと汗がでてくる(笑)

 バス止めるわけにいかんしなぁ。座席のポケットにも飛行機の時刻表あれへんし。

 しゃーないから、関空まで行って、鹿児島経由で奄美行きの便を探すか。GWやから

満席かなぁ。7万円ドブに捨てることになるんかぁ(泣)

 そやけど、鹿児島やったら大丈夫やろ。鹿児島まで行ってしもたら、あとは船もある

し。

 バスの中から宿に電話。

 「ホンマは伊丹空港に行かなあかんのに、バス乗り間違えて、関空に向かってますね

ん!」

 

関空で、総合案内のおねーさんに聞いたら、鹿児島までは全日空便があるらしい。

 全日空のカウンターにいって聞いてみたら、12:00発のやつで、鹿児島でJAS

に乗り継ぎで奄美まで行けるらしい。空席もある!

 最悪、GWは関空見物で終わるか、て思てたのに、今日中に奄美に着けるんや。ラッ

キー!

 銀行に行く時間もなく搭乗して、鹿児島に1時間で到着。

 鹿児島空港のおねーさん達は美人ぞろい。採用条件が容姿端麗てなってるんちゃうか

、思うぐらい美人が多いわー。

 

 4時ごろにはペンションに着いてるはずが、夜の8時ごろ到着。

 で、玄関入って、ホールで飯食ってた人たちに挨拶したら爆笑された。なん

か、伊丹に行くはずが関空に行ってしもたことをみんな知ってるやん。

 他の人らは、一番少ない人でも50本ぐらいは潜ってる。一番多い人で80

0本。ものすごいなー。おれなんか、ファンダイブはまだ1本やもんなー。

 ログブックとかMG用の充電器とかいろいろ忘れてる。ダイビング旅行用の

携行品リストを作っとかなあかんわ。

 翌日は朝7時起きの8時出発のダイビング。10人の客を2グループに分け

て一日5ダイブも組まれてる。おれは2ダイブしかせーへんけど、スタッフは

これ全部潜るんやろか。

 

初日。ダイブ#2 (テノヒシ)

ファンダイブ通算2本目は、前回も行ったテノヒシ。客が五人+スタッフ2人。

イントラのツレがサポートでついてくれる。

 飛行機の中で勉強した通り、船の上で耳抜きしといてからエントリーしたら、

5分で底までいけた。これまでは10分から15分ぐらいかかってたから、大

幅にスピードアップ。そやけど、他の人は全員底でおれを待っててくれる。み

んな早いわー。

 底まで行ったとき、残圧150。潜降だけで40も空気使ってるやん。

 知らん人らと潜るんは初めてやから、とりあえずついていくんが目標。

 BCに空気を入れて、中性浮力を取る。足首を柔らかく使ってゆったりとフ

ィンキック。どぉも左足の足首がうまいこと使われへん。深くなるにつれ、少

しずつBCに空気を入れる。ゆっくり空気を吸い込み、時間をかけて吐き出す。

 何十本も潜ってる人でも、流線型姿勢を取れんと身体がナナメの状態でフィ

ンキックしてたり、もうもうと砂煙を巻き上げて砂底を蹴ったりしてるなぁ。

 逆立ちで中性浮力を取ってみる。空気中と違って、頭に血が上ったりせーへ

ん。でも、呼吸にあわして浮上するとき、そのまま足から浮上してしまいそう

で怖い。

 イントラのツレから浮上を指示される。BCから空気を抜きながら浮上。ダイブコ

ンピュータを見ながら浮上速度をコントロール。安全停止も忘れてへん。

 水面浮上時の残圧は。エントリー後の潜降以外はまぁなんとか迷惑かけん程

度にはいけた。

 ボートに上がったら、女の子二人がおれより先に上がってた。なんか調子悪

ぅなってしもたみたい。おれも自分のことで一生懸命で、人数が減ってること

に気づかんかったわ。

 

 ボートで港に戻ったら、もう次のグループが来てる。おれらのグループと交

代でボートはピストン運転やん。スタッフはダイビングとダイビングの間隔が

1時間もあれへんのちゃうか。オープンウォーター講習のときは、器材の積み

込み・積み下ろしなんかは全部スタッフにやって貰ってた(ゆうか、自分でや

るだけの元気がなかった)けど、今回は結構元気やったから手伝った。一緒に

泊まってるグループの人らもみんな手伝ってる。わりとマナーのええグループ

みたいな感じ。

 ペンションに戻って、器材を洗ったりシャワーを浴びたりして、11時ぐら

いに早い昼食食って、30分ぐらい昼寝(朝寝?)。

 

 午後。ダイブ#3(蘇刈)

エントリー後、ブイまでのスノーケリングで水を飲む。どぉもスノーケリング

での失敗が多い。5分で着底。でもまた着底までに空気を40も使ってしもと

る。うーむ。

 前回ので、ある程度はついていけるんが分かったもんで、今回は魚を見る余

裕ができた。

 4月の最初に行ったときは、ボートの上から海底が見通せるぐらい透明度が

よかったのに、今回はだいぶ濁ってる。プランクトンが増えてる感じ。そのぶ

ん、魚影が濃い。イントラのツレに魚の名前を聞きまくったわ。

 コチみたいなんがマダラエソ。くちばしがごっつ長いのがヘラヤガラ。チョ

ウチョウウオがひらひら。ガイドがこれこれ、て指差したんがイロブダイの幼

魚。身体の前半分が真っ白で後ろ半分が黒い。これの成魚も居って、30cm

ぐらいの渋い色調。

 水面浮上時の残圧は45。

 ボートに上がってから、ウェットスーツで潜ってる他の人らは寒がってる。

おれはセミドライやから、ちょうどええぐらい。

 

この日の2本は失敗がいろいろあった。

 まず、潜降するとき、耳がなかなか抜けんもんで口を動かしたりしてたら、

レギュレーターが口から外れてしもた。落ちついてリカバリーできたけど、初

心者ならではの失敗やよな。

 水面に浮上してスノーケルに切り換えたとき、レギュレーターから空気がフ

リーフロー状態になってしもた。イントラのツレから、マウスピースを下に向けなあ

かん、て教えてもろた。

 スノーケリングは失敗が多いから、エントリーからエグジットまで全部レギ

ュレーターくわえたままのほうがええな。

 

 

2日目。ダイブ#4(清水)

 朝は第二グループやったんで、30分ぐらい余分に寝れた。

 イントラのツレがついてへん初めてのダイブ。ちょっと緊張。

 着底までに空気を消費しすぎるんは、ブイまで移動するのに下手なスノーケ

リングで水を飲んだりして慌てるからちゃうか、て思てたもんで、スノーケル

は一切使わんことにする。これが成功して、着底までの空気消費量が半分にな

った。

 このポイントは、ブイのあるとこは水深5mぐらいと浅ぁて、そこからだん

だんと深いとこに移動してく。

 ムレハタタテダイの大群やクマノミなんかが居った。

 ブイの下まで戻るとき、流れがきつい。大きいストロークのフィンキックや

と流されてまう。一生懸命フィンキックしてたら息が上がってくる。あかん。

 ゆったりした呼吸に戻す。ゆっくり呼吸しながら一生懸命フィンキックゆう

のは難しい。ホンマにちびちびしか進まん。

 ガイドが、底の岩を持って手で進むように教えてくれた。確かにこれやと楽

に進める。でも擬態してる毒魚のことや視界に入らんとこにウニがあったりす

ることを思ったら、怖なって、すぐにフィンキックに戻す。

 やっと浅瀬まで戻れた。ふぅ。

 げ!浮いていく!!!

 まずい。頭を下にして、ヘッドファストで再潜降。お尻の排気栓をさぐるけ

ど、どこにあるか分からん。しゃーないから頭を上にして通常の排気栓を使お

うとしたけど、うまいこと手に入ってけーへん。頭を上の状態やと浮上速度が

早い。浅いとこやから、あっという間に水面が近づいてくる。まずい!

 また頭を下にして再潜降。フィンの先が水面をたたいた。完全に浮上速度オー

バー&減圧停止違反や。大失敗や。減圧症になるかも。

 潜降しながらやっと排気栓を手に取れて排気。

 しばらく浅いとこで減圧停止を兼ねて魚を見るよう指示されたけど、急浮上

の失敗があったもんで、魚を見て楽しむ心の余裕がない。

 残圧60で浮上を指示される。

 

 清水ポイントでの急浮上の失敗は、流れのあるとこを流れに逆らって浮上し

ていく、ゆう初めての状況に対応でけへんかったことや。

 フィンキックに一生懸命で、BCから空気を抜きながら泳ぐ、ゆうことをや

ってへんかった。これまでは、浮上=垂直浮上しかやってへんやったからなぁ。

 それと、急浮上に気づいたとき、素早く排気弁をさぐれんかったこと。BC

には3カ所も排気弁がついてるのに。

 3つめは、流れに逆らって泳いでるとき、残圧計はしょっちゅう見てたけど、

水深計を見てへんかったこと。流れに負けんように泳ぐ、ゆうことに一生懸命

で、水深22mから水深5mまで斜めに浮上してる、ゆうことの意識がなかっ

た。

 今回は幸い、なんともなかったけど、こんなんやってたら命失うわ。ホンマ、

ダイビングて怖い。

 

 

この日 2本目 ダイブ#5(安脚場)

 40cmぐらいあるツバメウオが10匹ぐらい群れになってる。近づいても

近づいても逃げへん。陸の動物や川魚とは全然違うなー。川魚も潜ってる人間

は怖がらへんのやろか。

 30cmぐらいのフグとか、カマスの群、ヘラヤガラといった、中型の魚が

うようよしてる。すごい。1mぐらいのウミヘビまでおったもんなぁ。

 一緒に潜ってる女の子の一人がテーブル珊瑚に乗って魚を見てる。おいおい。

それはないやろ。おれみたいな初心者でも珊瑚には指一本触れんよぉに潜って

るんやぞ。

 レギュレーターリカバリーのバリエーションをいろいろやってみる。逆立ち

してのリカバリー、身体を回転させてのリカバリー、手を後ろに回してファー

ストステージからたぐっていくリカバリー。オクトパスへの切り替えの練習も

やった。オクトパスがなかなか見つからん。

 浮上まで時間と空気の余裕があったんで、砂地に移動。イントラのツレにBCの下

部から空気抜くのを見てもらお。BCのポケットから伝言板を取り出そうと、

頭を上にしてごそごそしてたら、急浮上が始まった。ヘッドファストで潜り直

し、空気を抜く。深度が浅なってたのにそれに応じた中性浮力が取れてへんか

ったんやわ。それと、ヘッドファストで潜る前にまず肺から空気を吐き出さな

あかんのにそれができてへん。

 イントラのツレにやりたいこと伝えて、空気を入れ、ヘッドファストで潜りながら

BCの下部から空気を抜く。OK。

 はぁ、失敗だらけの1日やった。

 浮上時の残圧は65。

 

ペンションに帰ってから、一緒に潜ったグループで海岸を散歩。アサリを探し

てんやけど、一個もみつからへん。難しいわ。

 砂浜に、緑の石が落ちてるのを発見。よぉ見たら、蟹が足を縮めてる。波の

タイミングをはかって拾った。

 全然動かへん。死んでんのかな。

 よぉ見たら口から泡吹いてる。生きてるんやわ。

 それにしても、甲羅だけ見てたら石以外には見えへん。はさみも完全に石の

一部と化してるもんな。息吹きかけたったらはさみと脚がでてきた。おー、元

気やん。おれらが近づいて来たもんで、石に化けたつもりが、波で足の部分が

見えてしもたんやろな。

 帰ってきてから、女の子が図鑑で調べて、マルソデカラッパゆうカニやて教

えてくれた。

 

 

3日目。ダイブ#6(黒崎西)

 これまでは、潜降のときはとりあえずBCから空気を抜いてしもて着底し、

そのあとで空気を入れながら中性浮力を取ってた。それを、沈みながら空気を

少しずつ抜いていった。やや浮きぎみかな、て思たけど、なんか身体が軽い。

ふわふわ水中を漂う感じ。水平姿勢もとりやすい。フィンキックも効率がええ。

これがホンマの中性浮力かもしれん。

 これまでは、水底に沈んだ後は、息を苦しいぐらい思いきり吸い込んでやっ

と底から浮き上がる感じやった。これは中性浮力よりも沈みぎみの状態やった

んやな。

 フィンキックはピッチ系をやってみた。前日の流れの早いとこで潮に負けそ

うやったんで、本でフィンキックのやりかた勉強したんや。ピッチ系が一番効

率がええとされてる。まえ試みたときは自転車こぎになってしもて失敗やった

けど、今回はなぜかうまいこといったような感じ。後でイントラのツレに聞いたら、

ちゃんとピッチ系のフィンキックになってるそうや。

 2mもあるでかいオオイソハナ(海シダの一種?)がある。水はごっつ澄ん

でるけど、魚はあんまりおれへん。「水清ければ魚住まず」ゆうやつやな。そ

れでも、ツノダシとかチョウチョウウオの類とかがおった。

 最初は何でも珍しいから、イントラのツレにあれこれ聞いたり、帰ってからも図鑑

調べたりしとったけど、だんだんだれてきて、「チョウチョウウオの類」でひ

とくくりしてまうよぉになった。

 残圧60で浮上。

 

 

3日目の2本目。ダイブ#7(安脚場西)

 桟橋で器材セッティングのとき、スクーバセットを背負ったままでBCへの

給気ホースの脱着の練習。給気ホースからBCに無制限に空気が入り続ける状

態(インフレーターホースのフリーフロー)になる事故があって、そないなっ

たらすごい速度で浮上してしまい、減圧症になってしまう。

 やってみたら、このホースはマスクをしても場所がわかる。手探りせんでも

ええから、そのぶんは安心。イントラのツレに、

 「インフレーターホースのフリーフローのリカバリーの練習したい」

てゆうたら、

 「やめてくれ」

てゆわれた。ちょっと危険な練習やからなぁ。もっと客の少ないときにやって

みよ。

 エントリー。

 耳抜きはだんだん慣れてきたけど、まだ4分かかる。おれ以外は全員1分以

内で沈降してるもんな。それぐらいで沈降できるようになって初めて初心者か

ら初級者になれるんやろな。

 アカククリゆう50cmぐらいある魚がゆったりと泳いでた。

 コブシメ(イカ)は岩に擬態してた。ゆわれるまで分からんかった。で、一

瞬にして色を変えながら逃げていく。

 タコもおった。ガイドからゆわれて穴をのぞき込んでも分からん。吸盤は見

えたから居るのは分かるけど、腹の部分が見えへん。よぉ見てみたら、腹は回

りと完全におんなじ色調にしてるんやわ。うーん。イカの擬態もすごいけど、

タコの擬態もすごい。

 残圧60で浮上。

 

 

3日目の3本目。ダイブ#8(嘉鉄)

これまではずっと一日2本のペースやったけど、体力的に十分余裕あるし、他

の人らもみんな、最終日やから3本潜る、ゆうもんで潜ることにした。

 水深5mぐらいから水が冷たなってきた。セミドライのおれでもちょっと冷

たいて思うんやから、ウェットで潜ってる人らはたまらんやろな。

 ヨウジウオがおった。ちょっと見たら水中を漂ってる海藻の切れ端みたいな

感じや。タツノオトシゴも見てみたいな。奄美にも居るんかな。

 ハダカハオコゼは木の葉っぱみたいな感じ。海の生き物は擬態がごっつうま

いわ。

 イントラのツレが、ウツボがおる、て教えてくれた。穴の中をのぞき込んでみたら、

太さが15cmぐらいあるでかいウツボがおった。あんな太いウツボやったら、

長さも1m以上あるんやろな。

 イントラのツレが、「昼と夜」ゆうてメッセージボードに書いてくれたけど、意味

が分らんかった。後で聞いたら、同じ魚でも、昼と夜で色が違う、ゆうことら

しい。けど、どの魚のことか分らんかった。とにかく、海の生き物はまださっ

ぱり分らん。

 亀も居ったらしいけど、よー見んかった。すぐに逃げたらしいわ。

 潜る前は元気やったのに、30分ぐらいで疲れてきた。やっぱり一日3本は

しんどいわ。イントラのツレなんか毎日5本潜ってるもんな。バテバテになるやろな。

 水中で集合写真撮った。地上と違って、位置を決めるんがなかなかや。透明

度も悪かったから、ぼんやりとしか写ってへんのやろな。

 写真撮るのんで時間くったから、浮上時の残圧は45やった。


(Biglobe(pc-van)大阪BD 1999年4月30日−5月10日掲載)



ダイビングコーナートップへ