Cカード取得(奄美)

 ふとしたきっかけで、ダイビングを始めようと思い、ツレのイントラのおる奄美へ。
 初ダイビング&初奄美ですわ。
 奄美空港は空港ゆうより、「駅」。それも、阪和線の駅ぐらいの感じやわ。なんせ、飛行機から降りるのが階段や。で、降りたらすぐに外。めちゃめちゃ狭い。でも関空みたいに長々と歩かんでもええから楽。
 荷物受けとって、うんこして出たら、ツレのイントラが迎えに来てくれとった。
 4月1日やのに奄美はぬくかった。セーター着て大阪を発ったのにツレのイントラはTシャツに短パンやん。
 奄美大島はでかい。佐渡島・沖縄島に次いで大きいらしい。淡路島よりもでかいんや。
 本土とは山の色が違う。杉とか桧なんかの人口林があれへん。ほとんどが広葉樹林で、色々な色の緑が山を被ってる。多分、林業ゆうモンがあれへんのやろな。そやから奄美の黒兎なんかが生き残れたんやろな。
 加計呂麻島て奄美大島の南部にかぶさるように位置してるんや。最初、瀬戸内町て、瀬戸内海の人が移り住んだんかいな、て思てたら、ホンマに瀬戸内、ゆう感じ。行くまでは、奄美大島て、外洋の潮に洗われる波の荒い島、て思てたけど、加計呂麻島が天然の防波堤になってる。めちゃめちゃ静かな海やわ。
 初日は奄美のお客さん用料理の鶏飯。あと、魚の煮付けとか、天ぷらとか。野菜もうまい。肉ジャガなんかおかわりしたもんな。ほくほくしとって、ええ芋やねん。
 着いたその日にオープンウォーターの学科講習が2つ。飛行機で勉強した内容やから、器材関係以外はすぐ分った。

 2日目。(白浜海岸)
 朝から実習。限定水域ゆうて、都市型ショップやとプール実習やけど、リゾートの場合は海ね。
 白浜海岸。セミドライ持って来ててよかったわ。セミドライで丁度ええかげん。
 機材のセットから始まって、BWRAFでのチェック法。
 ツレのイントラからスノーケルセットを持ってくるよぉに言われとったけど、ダイビングになんでスノーケルがいるんや、て思とった。でも、水面ではスノーケルやねんな。
 水深1.5Mぐらいのとこで頭まで水に入って実習。
 レギュレーターくわえて呼吸。息を吸うたびに音がして、吐くたびにボコボコ泡が立つ。ふーむ。
 マスクに水が入ったときの対処法(マスククリア)や、マスクなし呼吸なんかは簡単。
 海岸の足の立つようなとこでも珊瑚があって魚が群れてる。すごい。
 この1本目の限定水域実習は、難しいもんはひとつもあれへんかった。これやったらダイビングなんて楽勝やん(と思てた)

 弁当(おにぎり)食って、二本目。
 深いとこ(水深3Mぐらい?)まで泳いでいって、BC(空気入れるジャケット)の空気抜いて潜降。空気をいっぺんに抜きすぎたみたいで、どんどん沈んでいく。足が浮いて、尻から沈む。耳が痛い!
 耳が痛いのと体勢が自由にならへんのとで、水中でのたうちまわる。
 BCに空気入れて浮上し、耳抜きしながら沈降。でもなかなか耳抜きでけへん。大気中での耳抜きは普通の人がやるようなこと(鼻摘むとか唾飲み込むとか)は何もせんでもできるから、自信あったのに。
 やっと耳抜きできて沈降。でも沈降速度も体勢もコントロールできず、また尻から沈降。水底に立ったら耳は痛ないけど、腹ばいになったらまた耳が痛い。耳抜きでけへん。
 辛い。痛い。しんどい。わけわからん。
 実習終了してからも、耳が痛い。ずっと水が入ったまま。頭が重い。
 ヘロヘロなって帰ってきて、すぐ昼寝。
 布団もひかんと寝たからやろか、おなかがしくしくしてせっかくのごちそうが食べられへん。生姜湯を飲んだらやっと落ち着いてきた。
 明日もまた実習か。もぉ厭や、て思いつつ、寝た。昼寝をたっぷりしたのに、夜もまたすぐに寝た。よっぽど疲れとったんやな。

 3日目 (嘉鉄オアシス)
 前日はプール実習に相当する部分で、3日からが海洋実習。でも、両方海やから、気分はおんなじ。
 古仁屋港に行ったら、港やのに底まで綺麗に見えるんに感動。すごいわ。普通、港ゆったらどこでも水は濁ってるもんやのに。
 ボートでペンションの沖合いの嘉鉄オアシスまで行って、ボートエントリー。海底まで綺麗に見通せる。珊瑚礁もみえる。
 バックロールエントリー(船の縁から後向きにひっくり返って海に入る)は問題なし。
 水面でウェイトの調整。前日より4キロ軽くして、2キロで入ることに。4キロも重たかったら、昨日は海底でジタバタしたわけや。
 海底から張ってあるロープを使っての潜降やった。ロープにつかまれるもんで、ゆっくり潜降できるし、ゆっくり耳抜きできる。安心や。水中やとなかなか耳抜きでけへん。鼻つまんだり唾飲み込んだりいろいろやりながら、たっぷり時間かけて潜降。水深10Mぐらい。見上げたら、すぐ近くにボートが見える。でも水深10Mなんや。BCに空気いれすぎて自由浮上したら肺が破裂するんや。そない思たら、慎重になる。
 海底に着いて、ツレのイントラの講習が始まる。
 BCに空気を少しだけ入れ、フィンの先端だけで海底に立ち、肺に空気を出し入れして小さく浮き沈み(フィンピボット)する。限定水域のときはうまいことでけへんかったけど、水深が深い方がやりやすいらしい。
 次は、水底に腹ばいになって、肺に空気を出し入れして浮き沈み(ホバリング)。できたとは思えんけど、とりあえずOKサインが出た。
 コンパスを使っての移動もこの回にやったんやったかな。コンパスを見て、フィンキック10回やって戻ってくる、ゆうても、180度ターンしたら元の場所が見えるからな。あんまり練習にならんかった。
 あとは海の中を泳いで珊瑚礁見物。今まで、TVの画面でしか見たことがなかった水中絵巻が自分の目の前に広がってる。感動や。
 ツレのイントラはあおり足でぐんぐん進んでいく。おれなんか、必死でバタ脚してもなかなか進まん。脚が疲れる。
 浮上するとき、ロープを持ってゆっくり上がっているつもりやったのに、ツレのイントラが脚を引っ張って止めてくれた。気ぃついたら、ツレのイントラに借りてるダイビングコンピューターが、浮上速度が限度を越えてる、ゆうて警告音出してる。うーん。計器類をずっと見ながら浮上せな怖いんやわ。

 午後。同じく嘉鉄オアシス。
 ウェイトを3キロに増やすよう言われた。午前のダイビングで、最後、BCの空気全部抜いたのに急速に浮上してしもたからやろな。ただ、3キロやと着底したら沈んだまま。BCに空気入れて中性浮力を取ったつもりやったけど、泳いでたらまだ沈み気味。イントラからもぉちょっとだけ空気入れるよう指示された。どぉもBCの調整が難しい。でもこれで中性浮力が取れたみたいで、午前中より楽に泳げた。
 イントラ達は珊瑚の上を泳いで行ったりするけど、おれはまだ浮力調整の自信がないから、珊瑚は横を避けて通ってた。でも、砂地にはオニダルマオコゼ(毒針で刺してくる)が居ることがあるから注意するようゆわれた。うーむ。要するに常に中性浮力を取って、安易に着底したらあかんゆうことやな。そやけど、知らん間に沈んで行ったりすることが多い。
 浮き気味になったらBCのエア抜いて、頭を下げて潜降して、深度を保つ。沈むときは海底が近付いてくるし、耳が痛なってくるから分り易いけど、浮くときは知らんうちに浮いてるし、耳もあんまり痛いことないから、要注意やわ。BCの調整するのに、空気を出し入れするホースがうまいこと掴めんから焦ることある。
 おれがタンクの残量が60ぐらいになったてゆうたら、ツレのイントラがまっすぐどんどん泳ぎ始めた。その時にコンパス見てみたら、丁度ボートの方角やった。着いて行くのに一生懸命で、自分がどこでどういうコースを取ったんかをチェックするん忘れてた。
 ロープにつかまって浮上。午前中の浮上のとき、スピードコントロールがでけへんかったもんで、いつでも頭を下にして再潜降できるように身体を水平に保ったままで浮上。
 ボートに上がってから、頭を上にして浮上すべきやて注意された。浮力調整をしながら上昇するのが基本、ゆうことらしい。あと、沈降と浮上のとき、ロープを手でたぐってたけど、これもあかんらしい。基本は、常に中性浮力を保ちながら、ゆうこと。手はあくまでも、潜降や浮上が速すぎるときにそれを止めるための補助的な役割らしい。なるほど。水中散歩の時だけやなしに、沈降や浮上のときにも中性浮力か。


4日目。テノヒシ。
 テノヒシは、前日に潜った嘉鉄オアシスのある湾の隣。ボートエントリー。
 前日、3kgで最後は浮きすぎた、ゆうことで、4kgのウェイト。バックロールエントリーで海の中に入ったら、フィン履くん忘れとった(^_^;)
 ロープにつかまって沈んでいったんやけど、耳抜きがうまいこといかんまま着底してしもた。ずっと耳が痛い。
 フィンキックをいろいろ試してみたけど、全然進まん。
 緊急浮上の練習で、レギュレーターから空気を吸わんと水平方向に泳いでみる。まず思いきり空気吸って、空気を吐き出しながら泳ぐ。苦しい。時計見たら、まだ30秒。40秒我慢が限界やった。10mを1分かけて浮上せな危険やのに、40秒しか息が持たへんのか。息を止めたままやったら2分ぐらいは軽くもつのに、息を吐き続けなあかん、ちゅうのが苦しいわ。
 ウェイトが重すぎたみたい(ちゅうか、BCの調整ができてへん)で、身体が沈みがち。浮き上がろうとするもんで身体が立ってしまう。身体が立ってるん見て、ウェイトが軽すぎる、て判断されたみたいで、ウェイトをポケットに入れられた。ほんなら急に沈み始める。耳が痛い!
 苦しいダイビングやった。ログブック見ても、苦しかったことしか書いてへんわ。
 ボートに上がったら、器材を外して鼻血を出す。ダイビング終った後はいっつも鼻血出るけど、慣れてしもて何とも思わんよぉになった。
 苦しいダイビングやったもんで疲れ果てた。耳が気持ち悪い。
 「昼からは潜りたない」
 「おれ午後は休憩」
てゆうたんやけど、ツレのイントラに、
 「今日トレーニング終らしといた方がええ」
 「明日、潜れるかどうか分らん」
てゆわれて、とりあえず休んでから考えることにした。
 たっぷり昼休み休憩。
 だんだんと耳の痛いのも取れてきた。しゃーないなぁ。あんまり気乗りせーへんけど潜るか。

 海洋実習の最後の回。午前中とおなじくテノヒシ。ウェイトは3kgに戻す。
 2m潜降するのに5分ぐらいかかったけど、3mぐらいから急に耳が抜け始めた。鼻つまんだりせんでも、空気中とおんなじような感じで、なんにもせんでもスコスコ抜けるもんで、すーっと海底まで潜降。潜る前は、また潜るん厭やったけど、耳抜きさえ楽にできたら楽しい。いっつもこんな感じで耳が抜けたらええのに。
 海底に腹ばいになって、BCにちょっと空気入れて、ホバリング。反応が遅れるから、息を吐いたときに浮いて、息を吸ったときに沈む感じ。だいたい2・3秒遅れってとこかな。
 ツレのイントラのフィンを貸してもーたんやけど、ごっつええ。バタ足なんかせんでも、膝を曲げたフィンキックですいすい進む。めちゃめちゃ楽。それまでは初心者用の柔らかいフィンはいてたんやけど、おれにはもっと堅いのの方がおおてるみたい。
 ハナヒゲウツボゆう青い綺麗なウツボが居った。あと、コブシメゆう3・40cmぐらいのイカが居って追いかけた。回りに合わせてどんどん色が変っていく。変色の早さにびっくりした。
 ログブック見ても、水中生物のこといろいろ書いてるんはこの回からやわ。それまでは、ホンマ訓練・試練ゆう感じやな。
 30分すぎぐらいから疲れてきて身体が浮いてきた。なんぼ頭を下にして潜降してもすぐまた浮いていく。おかしい。BCの空気を繰り返し排出して、全然空気が出ていかへんのにまだ浮く。なんでや???
 空気の残量が50ぐらいになったもんで、浮上開始。5mでロープにつかまって安全停止。ほんなら、知らん間に浮上してしもてた。ロープがたるんどったかららしい。潜ったんが水深10mやったからよかったけど、30mぐらい潜ったときにこんなことやってたら、ちょっとやばい。ロープにつかまってるからゆうて安心しとったらあかんねんな。
 ボートに上がってから、ツレのイントラが、ヘッドファーストで潜ってもすぐに浮いてしまうんは、息が上がってたからや、ゆうて教えてくれた。あぁゆう時には、むしろ大きい息をして呼吸を整えなあかんらしい。なるほど。ここでも呼吸法が大事なんやわ。

 5日目。ダイブ#1(蘇刈)
 雨。ウェイト3kg。前日、2ダイブして寒かったもんで、1ダイブだけにする。
 オープンウォーターは一応出してもーて、ファンダイビングの1本目。けど、オープンウォーター講習で、まだ自分では納得できてへんのがあるから、そのへんをやるてエントリー前に宣言。
 エントリー前、BCが膨らまへん。インフレーションホースがちゃんと刺さってへんかった。
 まずはスクーバセットをボートから投げ込んで、水面でのスクーバセット着用。ボートから飛び込むとき、BCなしのウェイト3kgやったら沈んでまうんちゃうか、て思たけど、ちゃんと浮力はあった。特に問題なくクリア。
 耳抜きで苦しんで、15分もかかって沈降。
 降りたとこにエイが居ったらしいけど、分らんかった。ツレのイントラがチンアナゴが居る、て指さしてくれた。3匹砂地から首出してた。「ムーミン」のニョロニョロみたいでおもろいわー。
 珊瑚礁のとこにカワハギも居った。カラフルなカワハギやった。
 中性浮力がうまくとれない。途中でイントラにBCにワンプッシュだけ空気入れるよう指示され、それで中性浮力が取れた。ホンマ微妙なもんやわ。
 マスクなし呼吸。呼吸よりも、マスク無しのときの視界のテストをしたかった。全然見えへん。マスクを失っても、計器類は目ぇ近付けたら見える思たのに、全然見えへん。マスク取れるんは致命傷になるな。BCのポケットに予備のマスクを入れといた方がええんかな。マスクなしで浮上する練習は必要やな。
 ナビゲーションダイブ。コンパスを使って、四角に泳いで元の場所へ。ほぼ完璧。そやけど、コンパスて使お思たら、いっつもどの方角にどんだけ行ったかを覚えながら行かなあかんし流れがあったら距離感覚狂うから、実際にはあんまり役に立たんのちゃうかな。ナチュラルナビゲーションの方が確実な気もするけど。あ、そうか。洞窟みたいなとこに入る前に方角をチェックしとくんか。
 水面下でのBCへのオーラル給気。問題なし。
 背中から海底への着底&背中からの離陸。問題なし。
 息を上がらせ、それを静める練習。なんぼ一生懸命フィンキックで泳ぎ回っても息があがらん。失敗。空気の残量も少なかったし。これは今度、もぉ一回やらなあかん。

 今回の奄美ダイビングは、客がおれ一人の文字どおりの貸切で、そのうえ、潜るときもおれ一人にスタッフが3人もついてくれて、ダイビングスポットも貸切状態、ゆうめちゃめちゃ贅沢な講習会やった。ちょっと寒い日もあったけど、シーズン始まる前にやっといてよかったわ。
 帰る日ぃは、ツレのイントラ夫婦に空港まで送ってもろた。空港のすぐそばの浜に降りたけど、水がめちゃめちゃ綺麗。
 飛行機乗ったら、耳からクキクキて空気抜けていく。なんか、これまでと違う抜け方やわ。どっちかゆうたら妙に気色ええ(笑)。

         (biglobe 大阪BD 1999/4/7−4/19掲載)


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