チョコエッグの動物に合わせて作った銀製の頭骨の作り方です.
大まかな手順としては,ワックス(蝋)で作った原型を鋳型材の中にいれ,それを電気炉中で熱しワックスを焼却してできた空間に金属を流し込んで,原型と同じ形に金属に置き換える方法です.
器材などの関係で誰にでも出来るものではありませんが,簡単に順を追って説明をしておきます.
まず原型を作りますが,これには彫刻用のワックスを使います.
ワックスは熱すると軟化し,冷えるとすぐ硬化するので足りない部分への追加が簡単にでき,冷えればすぐ彫刻に取りかかれるのでたいへん使いやすい素材ではあります.
また後でワックスを焼却するわけですが,燃えカスが鋳型内に残ったりすると正しく金属に置き換えられなかったり,鋳型内面を粗雑にしてしまったりするので,そういうことでもワックスは優れているのかと思われます.
今回は歯科の彫刻用ワックスを使いましたが,原型を直接指で持って作ったため体温で暖まり,べた付いたりするので硬めのワックスを使ったほうが良いかも.
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缶に入ったワックスを軟化して適当な量を取り,冷えて固まるまでにチョコエッグのニホンザルの頭骨相当の大きさ(10mmほど)に指でおおまかな形を作っておきます.(上の画像)
あとはもうひたすらワックスを追加したり削ったりの繰り返しで,右画像のような形になるまでは数時間を要します.(^_^;ゞ だいたい形ができ上がったら頭頂部に棒を立てますが,この棒の部分が後で金属を流し込む湯道といわれる通路になります.
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原型が出来たら鋳型材を作る作業に入ります.
植立台に先ほどの棒を差してチューブ状の囲いで覆います.
この画像では下顎の原型を台に立てたところです.
鋳型材を水で溶いてクリーム状にした物を流し込むと,おおよそ30分程で硬化し鋳型となります.
原型はここまでの命で,鋳造が成功すれば同じものは二つとない貴重なニホンザルの頭骨となります.(^_^;ゞというほどの物ではないが・・・
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植立台にチューブ状の囲いをかぶせて鋳型材を流し込んだところ.
固まったら植立台をはずし,棒を抜き,電気炉にいれワックスを焼却します(およそ700度).
鋳型材は棒部分の湯道と原型部分が空洞となり,金属を流し込む用意ができてきましたね.
銀を流し込むのに適した鋳型材の温度がわからないが,とりあえず600度あたりから始めたがうまくいった.
もう少し下げてもいいかも. 銀の融点は961度(たぶん (^^;))だが,銅を混ぜた合金になると少し温度は下がるのではないかと思う.タブン(^_^;ゞ
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鋳型材に銀を流し込むには遠心鋳造を使いました. 鋳造後鋳型材のなかから掘り出し水洗すると画像の様に,頭骨に湯道と植立台の形に銀が置き換わっています.
ほぼ原型と同じ形にできあがっていると思われます.
銀価格は安いので(純銀で30円/g),このサル頭骨分でも100円位になるだろうか.
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少し整形研磨した頭骸に鋳造したばかりの下顎を組み合わせたところ.
金属になってから形態が気に入らなくてもどうしようもないから,原型を作る時にしっかりしなければいけない,と,何時も思うのだが,一向改善されない. (^^;) この後研磨してピカピカにしたり,サンドブラストでつや消しにしたり,汚し液で黒くしたりして完成させます.
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