外部メモリであるターボファイルの使い方や注意点など
参考サイト:ダビスタ98の高み
アスキー社による任天堂ハード向けの周辺機器。対応するゲームのセーブデータを外部保存することができる。
単3乾電池によるバッテリーバックアップ式で、ユーザー側でも簡単に電池交換を行えるのが強み。
セーブデータを余計に保存したり、強制セーブ式のゲームで任意のポイントまで巻き戻したり、
変わったところでは続編以降にデータをコンバートしたりといった用途に使われた。
ここでは、ダービースタリオン(ダビスタ)シリーズに関する部分に絞って解説する。
保存のために電池を入れっぱなしにしておくという都合上、液漏れが発生しやすいのが難点。
中古で売られているものは液漏れの痕跡がある場合が少なくない。ひどい場合は液漏れした電池が入ったまま売られていることも。
購入するにあたっては可能な限り状態を確認したいところである。
スーパーファミコンで使える「ターボファイル」は3種類存在する。
本来はファミコン用だが、変換ケーブルである「ターボファイルアダプター」によってスーパーファミコンで使うこともできる。
出荷数が少なかったのか、中古でもめったに見かけない上に、機能的には後発の下位互換なので存在自体を無視しても問題ない。
ターボファイルの強化版で、4倍の記憶容量を誇る(物理的なスイッチ操作でバンクを切り替える仕組み)。
スーパーファミコンとの接続には相変わらずターボファイルアダプターが必要。
比較的高価で取引されている。SFCのダビスタシリーズだけを遊ぶ上では敢えてこちらを選ぶ理由は存在しない。
(もちろんファミコンソフトで使うなら必須だし、特に『ウィザードリィ』でFC版からSFC版にデータを移送するならアダプターによる変換も意味を持つ)
SFC専用。ターボファイル2(TF2)の機能に加えて、スーパーターボファイル(STF)というモードを搭載。
ダビスタ3以降の牧場データの保存にはこれが必須である。
ダビスタ2にもしっかり対応している(ダビスタ2の説明書には、まだ発売されていなかったので記載されていない)
SFC版ダビスタを遊ぶ上ではこれさえあれば十分である。出荷数も多かったのか、中古価格もターボファイル2より遥かに安い。
なお、パッケージには「ターボファイル2とスーパーターボファイルが合体」などと書いてあり、
これが「ツイン」の由来なのだろうが、スーパーターボファイルが単品で販売されたことはない。
1994年発売なので、名馬(迷馬?)ツインターボに引っ掛けたネーミング…かも知れない。
牧場データをTF2及びSTFに保存可能。1つの領域に対して1つのみ。
間接的に、その牧場に在籍しているBC登録馬も保存可能で、そこからブリーダーズカップに出走させることが可能。
3以降のようにBC登録馬そのものをカセットやターボファイルに保存することはできないのが不便。
レースのVTRも保存できる。牧場データを選んだ後に、牧舎のメニューのVTR操作画面から行う(一番右のボタン)。
10本を1セットとして、TF2の1つのバンクに3セットまで保存することができる。なおVTRデータは全牧場で共有である。
STFへの保存は不可能。保存されたかのように表示されるが実際には保存されない。
牧場データをSTFに保存可能。複数のデータを1つのSTF内に共存させることもできる(例えば牧場だけなら9個まで保存可能)。
また、BC登録馬や録画したレースVTRを、STFまたはTF2に保存可能。
基本的に、TF2に保存できるデータはTF2側に保存したほうが容量面で得である。
マル父ならぬマル「タ」マークが表示されるようになったのも3からである。
ターボファイルから読み込んだ時点で牧場データにフラグが立ち、以降はBC登録した馬全てに「タ」が付く。
(表示はBCのみで、ゲーム内のレースでは付かない)
逆に言えば2にはこのフラグがないので、2においてターボファイルを乱用した馬を3以降に読み込ませても無印のままである。
また、STF・TF2ともに、メニュー画面からセーブデータの確認と消去ができるようになった。
ダビスタ2では(VTR以外は)一括でセーブまたはロードすることしかできなかったのである。
BC登録馬の扱いには注意が必要。
メニュー画面でターボファイルからロードした場合、カセット内のデータは警告なしで全て上書きされる。
一方、BC登録馬の画面からターボファイルを読み込む場合、1頭単位でデータをロード可能。
逆に、カセットからターボファイルに保存する場合は、メニュー画面から一括で行うことしかできない。
ダビスタ96のBC登録馬を(STFではなく)TF2に保存すると、ダビスタ98からも読めるようになる。
これにより、本来はパスワードの互換性がないはずのダビスタ96以前の馬を、ダビスタ98に移動することができる。
情報元(閉鎖):http://kurebc.web.infoseek.co.jp/98ssbc/event/96-98.htm
ただしこの方法でまともに移動できるのはリストの先頭にいる1頭のみ。2頭目以降はデータがめちゃくちゃになってしまう。
(おそらく96と98ではデータの長さが異なるので、2頭目以降は読み取り開始の位置がずれているのではないかと思う)
そのため、メインメニューからの一括ロードではなく、BC登録馬の画面から1頭ずつロードすること。
うまくいかない場合は、96側の登録馬を一旦すべて削除してから1頭だけ入れ直すのがよい(上記サイトでもそれを推奨している)。
余裕があればデータ移送のために(プレイ用とは別に)専用のカセットを用意しておくと便利である。
また1頭目に関しても、健康や重馬場適性といったデータが存在しないので一部の表示に不都合が出る。
上記の画像では「フジヤマッ」のみが正常。以降はミドリマキバオーやサイキョウヌスットといった馬名の残骸が見える。
(これでもバグって止まったりせず、ちゃんと最後までレースが成立するのがすごいんだけどね…)
ダビスタ96には、ダビスタ2や3のパスワードも入力できるので、これらの馬を間接的にダビスタ98まで連れてくることも可能。
ただしこの方法で読み込んだ馬のパスワードをダビスタ98内で出力することはできない。
(もっともこれに限らず、外部から読み込んだ馬のパスワードは出力できない仕様のようだが)
ダビスタ98には、PS版(97)やSS版のパスワードを入力することもできるので、非常に多様なプラットフォームに対応していることになる。
実際に上記のサイトでは、多バージョンの馬を一同に集めたドリームレースが開催されていたようだ。
ターボファイルの電池を交換する場合、直前に通電させておくこと。具体的にはSFC本体に繋いだ状態で1分以上電源を入れておく。
こうすることで本体内臓のコンデンサに電気が溜まり、電池を抜いても短時間ならデータを保持できる。
保存用の電池は数年単位で持つという話もあるが、余裕を見て1年周期で交換するプレイヤーが多い模様。
長期間入れっぱなしにする場合、液漏れには要注意である。ちなみに電池の残りが少なくなると通電中のランプが点滅するようになる。
ただし経年劣化や接触不良の可能性も考慮すると、ターボファイルの機能を全面的に信用するのは考えものである。
例えばカセット側の内蔵電池交換を行う(この場合はデータが完全に消去される)場合、
ターボファイルだけでなく別のカセットに(ターボファイル経由で)バックアップしておくという安全策が考えられる。