任天堂 2003/08/01
任天堂が得意とする(というか他社がやりたがらない)ピンボールゲーム。
ポケモンを題材にしたものとしてはGBで出た無印版に続く2作目となる。
タイトルが示すとおり、ルビー・サファイア版のポケモンが中心となっており、
同作に登場した200種類+αのポケモンが出現する。BGMも流用が多く雰囲気作りに一役買っている。
このジャンルのゲームをあまりプレイしたことがない(前作すら無い)のだが、
往年の「カービィのピンボール」と比べると、実機で再現できそうなギミックが多いように思う。
わかりやすそうな例で言うとWindowsのピンボールによく似ている。
一方で、盤上を歩き回るポケモンのようなコンピュータゲーム的要素も多い。
言ってみれば、「ポケモンが住み着いたピンボール台」だろうか。
ゲームは基本的に、残機の限りスコアを競うというクラシックなスタイルだが、
盤上で特定の条件を満たすことで「捕まえた」ポケモンのデータは、
ゲームオーバーになっても「ポケモン図鑑」に記録される。
ハイスコア達成と図鑑完成という二重の目標のためにゲームをすることになる。
ルビー台とサファイア台の2つが用意されており、ゲーム開始時に選択する。
どちらも基本システムは同じだが、各ギミックの配置やデコレーション、出現するポケモンが異なる。
ゲーム中に台の移動は不可能。ハイスコアも台ごとに記録される。
基本的に、ボールを落とさずに転がしまくっていればひたすら点数は増えていくが、
効率よく稼ぐためには桁違いのスコアが得られるボーナスステージに行きたい。
そのボーナスステージに行くにはポケモンを捕まえることが必要。
そしてポケモンを捕まえるためには所定のポイントにボールを通過させてフラグを立てる必要がある。
大きく分けて、場所(森や草原など。特定の動作によって変更される)ごとに変わる野生ポケモンと、
場所に関係なく出現するタマゴから孵るポケモンがいる。
捕まえたポケモンを「進化」させることができ、当然この方法でしか入手できないものもいる。
ゲームオーバーになると進化用ストックは消滅してしまうので、進化させるまで気を抜けない。
ギミックの配置はよく考えられており、操作の上達を実感できる構造。
特に「台揺らし」が非常に効果的に使える配置になっている。
「カービィ」と比べると(他に任天堂のピンボールをやっていないので唯一の比較対照だが)、
セーフティネットが回数制ではなく時間制だったり、フリップが1段しかなかったりするために、
ロストするときは実にあっけなくロストしてしまうのは好みが別れるところだと思う。
あとはボーナスステージなどがちょっぴり演出過多(操作不能時間が長い)なのが今ひとつ。
オプションとして、ボールスピードの変更やキーコンフィグが可能。
速度を遅くしても各種イベントの制限時間は変わらないというあたりプレイヤーの好みが別れそうで面白い。
ただ、キー設定のデフォルトでは、フリップ動作に並ぶ最重要コマンドの「上揺らし」が
LR同時押しに設定されているのは意地悪だと思う。
ポケモンが捕まえたらそれっきりの収集対象としてしか扱われていなかったり、
ギミック上のポケモンと収集するポケモンに関連性が無かったり
(例えばハスボーのギミックをいじったからと言ってハスボーを捕獲できるわけではない)
ボールセーバーやアップグレードの制限時間がよくわからなかったり、
細かいところでも気になる点はいくつかあったが、全体としての出来は良い。
今までのピンボールゲームに馴染めなかった人にもおすすめ。
最終更新日:2010/10/20
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