お茶犬くるりん

MTO 2004/10/28

公式サイト

レビュー

お茶犬を題材にした落ち物パズル。
1人で延々とスコアを競うモード、詰めパズルとCP戦が遊べるストーリーモード、
そして通信ケーブルを使用する対戦モードなどがある。

パズルのルールは「ぷよぷよ」に似ているが、同じ色のキャラを並べただけでは消えない。
同じ色の「湯飲み」を隣接させることで、湯飲みと同時に隣接した同色キャラが全て消える。
対戦ではお邪魔ブロックの「シャボン玉」が登場。シャボン玉は下にいるキャラを取り込む。
シャボンに入ったキャラは消すことができず、何かを合計5回落とす(場所は問わない)までシャボン玉は消えない。
空っぽのシャボン玉はこの方法では消せないが、湯飲みを落とすことでまとめて割ることができる。
(なお、ゲームシステムはカプコンの「スーパーパズルファイターIIX」、
及びキャラ変えの移植作である「アイルーでパズルー」に類似している模様。
詳細は異なるようだが、未プレイなので細かくは触れない)

プレイした印象としては、とりあえずシャボン玉が凶悪。
キャラが入ってしまうと自発的に消す手段が無いというのが厄介。
積もったキャラを消して被害を軽減しようにも、湯飲みが無いと何も出来ないので「待ち」が多くなる。
一方で、連鎖などが絡まないシンプルな消し方でも相手にシャボン玉が降ってくるので、
土壇場に陥ってもちまちまと攻撃することが可能で、CP相手では逆転勝利も何度か見られた。
湯飲みを事前に仕込んでおかないと大量消しはまず無理なので、
実力が拮抗していると終盤は狭いエリアをぎちぎちに使う息苦しい戦いになる。
ゲームとしての評価は人それぞれだろうが、「ほんわかパズル」というキャッチコピーに反している気がする。

お茶犬(お茶猫)達は設定上、キャラごとに(湯飲みに限らず)固有の茶器があるが、
ゲーム画面に出てくる物は「キャラと同じ色の湯飲み」に統一されている。視認性を優先する妥当な判断。

通常のモードとは別に、予め設定された初期配置と落下ブロックで課題をこなす、
いわゆる「なぞぷよ」的なパズルモードがある。チュートリアル同然のものから歯ごたえのある物まで揃っているが、
ストーリーモードと連動していることが気になった。
パズルだけを独立して遊ぶことはできず、ストーリーモードで出現した問題しかプレイできない。
出現は基本的にランダムなので、全ての問題をプレイするためには何度かプレイする必要がある。

ストーリーは、対象層を考慮してもちょっとぞんざい過ぎると思う。
「パズルに勝ったら教えてあげる」「パズルでもして待とう」「パズルして落ち着こう」など、
とにかく何でもかんでもパズルに結びつけてくる無茶なシナリオ。
また「ぷよぷよ」との比較になるが、あちらがギャグ仕立てであるのに対しこちらは天然。反応に困る。
常用漢字くらいは普通に使っていてルビも無いので、特に子供向けと言うことでも無さそう。
なお、分からないパズルはパスできたり、対戦でのコンティニューは無限であったりして、
クリア自体の難易度は高くない。CPの強さにもムラがあるので、パズルが苦手でも何度かやっているうちにクリアできると思う。

パズルゲームとしては全体的な出来は悪くない。
ただ、お茶犬というキャラを生かしているかどうかというとやや疑問。


最終更新日:2012/10/25

ご意見、ご質問は随時受け付けています→お問い合わせについて

レビュー目次 →トップ