メイド イン ワリオ

任天堂 2003/03/21

公式サイト

レビュー

自称マリオのライバル、ワリオが仲間を集めてゲーム業界に殴り込み!
個性的なゲームで大儲け!!…という設定のゲーム。
荒くれ者(?)のワリオ一味が作っただけあって、全編に渡って溢れるB級テイストがまず目を引く。
しかしこのB級、言葉を選ばなければ「バカゲー」テイストは計算尽くされたものに思える。

各キャラクターのステージを順番にクリアしていくのが基本的な進行。
ステージ内では、数秒しか時間制限のない、非常にシンプルな「プチゲーム」を次々に突破しなければならない。
一定数突破すると「ボスゲーム」が現れ、それをクリアするとステージクリア、という流れ。
一度クリアしたステージはエンドレスでプレイ(徐々に難易度とスピードが上昇)できるようになり、
むしろ一通りクリアしてからが本番である。

公式の広告ではプチゲームの種類数を謳っているが、実はこれにはあまり意味がない。
見た目を変えただけのゲームや、単独で見ればゲーム未満(単に連打するだけとか)のものも多い。
それらのプチゲームを「数秒単位で連続してプレイする状況」こそがゲームになっている。
ゲーム部分とインターバル部分が秒単位で移り変わるのが独特のリズム感を産む。
(同ステージ内でも)個々のプチゲームごとの雰囲気が全然違うこと自体も、全体として妙な統一感を形作る。
言ってみれば「クソゲー」でも素材として使えば調理次第で一級品の一部になれるということであり、
コンピュータゲームの無限の可能性を感じさせる。というのは少々言い過ぎか。

ステージごとのミニゲームには一応のテーマが設定されている。
特に注目すべきなのが、過去の任天堂のゲームの一シーンを切り取った「ナインボルト」と、
空間認識力などを問われる脳トレ風の「オービュロン」ステージ。
これだけでも単体のゲームとして成立するのでは無いかと思わせるほどだ。

本編とも言えるプチゲームラッシュの他にも、独立した「ミニゲーム」がステージクリアに従ってプレイ可能になる。
任天堂の名作「シェリフ」「ドクターマリオ」「ハエ叩き(@マリオペイント)」等のワリオ風アレンジから、
本編プチゲームの拡張版のようなもの、さらには1台のGBAを2人で操作する対戦ものまで揃っている。
ドクターマリオが姿と名前を変えた他はほぼそのまま(対戦はできないが)入っているだけでも十分元は取れる。

ゲームの遊び方としては昔ながらのスコアアタックが中心になる。
本編の各キャラクターのステージはもとより、リミックスや特殊条件のステージも個別に集計される。
ゲームオーバーになるまではエンドレスのゲームばかりであるが、本編や多くのミニゲームでは
細かいインターバルが入るので、そのタイミングでポーズをかければ問題なく中断・再開できるだろう。
操作のシンプルさも相まって、携帯ゲームによく合うゲームデザインとなっている。

ワリオ達が織りなす世界観が嫌い、あるいはアクションゲーム自体が苦手とかでも無い限り、
あらゆるGBA所持者におすすめできる1作。


最終更新日:2010/10/20

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