COLORIS (カラリス)

任天堂 2006/07/27

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レビュー

「bit Generations」シリーズの1作であるパズルゲーム。
ゲーム画面は一見すると色とりどりの正方形のパネルが敷き詰められたシンプルなもの。
しかし、タイトルが示すように「色」が重要な要素となっている。
色合わせのパズルゲームは数多いが、色の違いが単なる識別子に留まっていない。

敷き詰められた四角いパネルにカーソルを合わせてボタンを押すと、
そのパネルの色がカーソルの色に近づく(カーソルが青い場合、黄色が緑になって緑が青になる)。
カーソルの色はこの作業を行うたびに変わる。次に変わる色のみ画面上に表示される。
色を揃えて、縦か横に同色を3つ以上揃えると消え、上にあるパネルが降ってくる(連鎖消しも可能)。
最初のステージでは原色2色とその中間の2色が出てくる程度だが、
途中からは三原色を基調にして色がループし、最大12色という恐ろしいことになる。
さらに「補色」の概念があり、例えば紫に黄色を混ぜるとお邪魔パネルであるグレーになってしまう。
クリア条件は一定枚数のパネルを消すことだが、グレーが1枚でもある状態ではクリアカウントは増えない。
さらにパネルには寿命があって、消さないと一定時間でグレーになる。周囲のパネルを消せば寿命回復。
グレーパネルは周囲のパネルを消すことで薄いグレーになり、さらに周囲のパネルを消すと消える。

…こうやって書くと複雑で難しそうだが、色数やステージの広さは順を追って増えていくので、
チュートリアル的な序盤から非常に忙しくなる終盤までスムーズに移行する。
各ステージは完全に独立しているので、クリアしたところまでなら好きなところから始められる。
さらにはパステルカラーや妙なアニメをするパネルなどを使った、ビジュアル重視のアドバンスモードがあって、
これがまた楽しめる。おすすめとしては本編に疲れたら簡単なアドバンスステージに挑む、というあたりだろうか。
アドバンスではかなり見づらい配色も多用されているが、おそらく意図的なものであろう。
おまけモードとしてのスタンスは間違っていないと思う。

終盤のステージは難しいが、アイテムによる一発逆転に頼ればパズルが苦手な人でもなんとかなるだろう。
初めのうちは必死でクリアしたステージも、慣れてくると余裕で遊べるようになる。

惜しむらくはやり込み要素が足りない。一応スコアアタック用の専用モードはあるが、
色数に合わせて数ステージが選べるだけで、アドバンスモードの多彩なステージは選べない。
通常モードでは得点すら表示されない。タイムアタックなども出来れば良かったのだが。
さらに欲を言えば、ステージごとに多彩な効果音が流れると面白かったと思うが、さすがに望み過ぎか。

なお、このゲームはワイヤレスアダプタによる対戦も可能だが、
1カートリッジプレイに対応していないのが不親切。他のシリーズは対応しているのに。

総合的に見ると、自分がプレイしたパズルゲームの中ではかなり好みの方に属する。
(そもそも完全クリアできるパズルゲームがあまり無いので…)
ただし、かなり細かい色の違いまで見分ける必要があるので、
色覚能力を問われるアンチバリアフリーなゲームである。
好き嫌いではなく身体能力で「人を選ぶゲーム」というのがもったいない。


最終更新日:2010/10/20

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