スーパーマリオアドバンス4

任天堂 2003/07/11

公式サイト

レビュー

GBAの移植マリオシリーズの最終作で、今回の移植元はマリオブラザーズ3。
4作目にして15年も昔のゲームを持ち出すことは意外とも思えるが、それだけ完成度が高かったということだろう。
マリオアドバンス4が発売された2003年は、ちょうど20周年記念ということで、
やたらとスーパーマリオ1作目のビジュアルがもてはやされたので影が薄れていたが、
間違いなくファミコンを代表するアクションゲームの一つ。

操作性の良さについては今さら敢えて言うのが恥ずかしいくらい語り尽くされてきただろうし、
前作から引き継いだダッシュとジャンプはそのままに、自由にスクロールできるステージや飛行要素が追加。
ワールドごとのコンセプトも非常に個性的で、とにかく遊んでいて楽しい。見ているだけでも楽しい。
レアなくせにちょっとしたミスで儚く失われてしまうスーツ系アイテムも、
初心者には目新しく、慣れたプレイヤーにはアクセントになる良いアイディア。
ゲームオーバー後のコンティニューでも一部のステージはそのままになる等、
どんなプレイヤーにもちゃんとクリアさせることを考えた采配。非常に良くできたアクションゲームだ。

今回の移植はSFC版(スーパーマリオコレクション収録)をベースにしている。
元々あった画面下のステータスバーを簡略化したおかげで、
解像度の再現性はマリオアドバンス系の中でも高い(GBAはドット数が少ない上に横長)。
それでも画面範囲は狭くなってしまっているが、絶妙なブロック配置の変更がうまく相殺してくれている。

一通りクリアした後は、全てのステージやボーナスが何度でも遊べる状態になる。
SFC版のコンティニューはワールド単位であり、クリアしたステージを再び遊ぶには再開し直す必要があったが、
今作ではマップ上で好きな面を何度でも選ぶことができる。マリオアドバンス2でも同様だが、
本作は元々コースの途中から再開する(再開しなけらばならない)ことがないのでシステムとの相性は良い。
アイテムも使い放題なのでマリオ3の世界を隅々まで堪能できるようになる。
ピーチ姫に謁見するカエルマリオが見られる日もそう遠くは無いだろう。
プレイの様子はなんと映像として保存可能(1つのプレイデータにつき2件まで、合計6件)。

移植にあたっての追加要素はもう一つあり、これが良くも悪くも本作最大の特徴である。
別売りのカードeリーダー+を経由して専用のカードe+を読み込ませることで、
新たなコースや、「裏面」的なモードでプレイすることが可能となる
詳細は別コンテンツにて解説しているが、まさに2Dマリオの集大成といったところであり、
リアルタイムで80〜90年代のマリオに触れた人には是非遊んで欲しいステージばかり。
現在ではカードe+の入手も困難であり、代替手段も無いので、
名コースの数々が埋もれたままになっているのが非常に惜しい。

しかし最大の目玉であるカードコースを除いても、良い原作を持つ良い移植作であることは揺るがない。
マリオ3を知っている人でも知らない人でも楽しめること請け合い。


最終更新日:2010/10/20

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