第15章 2000年の前半は好調な毎日だった。好天に恵まれた5月の山開きに参加して 下山して小用のところ、コーヒー色の尿が出て、その後1ヶ月ほどしてから 時々濁った尿が出るようになった。近所の内科のお医者さんが 大きい病院の泌尿器科で診察を受ける様奨める。 県立病院で検査をしたら・・・膀胱に2センチ大の腫瘍があり、 多分悪性の腫瘍だと言う。息子に相談したところ・・・上京し検査を受けろと奨める。 五反田のN病院で内視鏡・CTなどの検査の結果・・・直ぐ入院し 腫瘍の切除となったが・・・膀胱を摘出するか?内視鏡で切除するか? 生体検査の結果によると言う こうして私の生まれて始めての入院が始まった…不安が一杯である。 幸い内視鏡で切除出来たが、血尿と発熱で二週間の入院予定が 1ヶ月余に及んだ。さらに退院しても血尿と発熱に苦しめられ 再入院40数日そして退院の検査で再発が発見された。 膀胱ガンは10万人に7〜8人の発症で60〜70才代の男性に多いという。 30〜70%が再発を繰り返す様だ 小さい腫瘍で内視鏡で切除できたが・・・細胞を検査に出したら 進行性で転移しやすいガンだと判明・・・膀胱を全摘出しないと リンパ球から肝臓・肺などに転移し1〜2年の命と言う。 国立がんセンターを紹介されて1月中旬には大手術? 不安と恐怖でストレス一杯で・・・私の21世紀が始まった。
病院に縁のなかった私は、病人がこんなに溢れる様に多いとは思わなかた。 数日もすると足音で看護婦さん?先生?患者さん?見舞い客?判るようになる 看護婦さんと先生は大股で元気良く歩く、 患者さんは足を引き摺る様に元気がない。 ガラゴロ・カラコロ点滴スタンドは淋しい音だ・・・・ カーテンを下ろした夜の病室は 暗く淋しい そんな環境で明るく過ごされたのは看護婦さんの 献身的な動きと明るい言動で、 全員がニコニコして患者の暗い不安な気持ちを 和み、忘れさせてくれる。 看護婦さんと結婚したご主人が羨ましいな!、 看護婦さんは笑って・・・いえいえ白衣を着た時だけですよ! でも私には天使に見えて仕方がなかった。
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