SAAB 9-3 Linear 1.8T (5AT) 2003年6月

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  小さなシートに,あれっ?
SAAB,といっても,もちろんオペル・ベクトラのシャーシをベースとするGMの世界戦略車。全長は4,610oに収まるものの,全幅は1,760o。まぁオペル・ベクトラは1,800o,マツダ・アテンザは1,780oありますから,今時のMクラスのセダンとしては,そう驚くには当たらないのかもしれません。で,その広い全幅が生かされた広い広〜い車内に,我が目を疑うような小さな小さなシート。前後長はともかく,幅が信じられないくらい狭い…細身の私でピッタリという寸法です。シートの横からドアまでの間に,拳骨が2つ入りそう…。これはちょっと寂しいものがありますね。ベクトラよりかなり小さめ。そのかわり,ホールド性はいいですからあまり文句は言えませんか。面白いのは運転席のカップホルダー。横と下の支えがクルクルと回って出入りする様子は,手品を見るよう。ひところ秀逸といわれたレガシィのカップホルダーの動きも,これには負けてしまいます。カタログにも動作写真がでていますから,自慢したいのでしょう(笑)

  気持ちのいい脚
それはともかく,走り出すと,とにかく気持ちがいいんですね,これが。ステアリングは適度な重さで(つまり,うちのBH9よりはあきらかに重いのですが,すぐ慣れる程度),文字どおり“切った分だけ”素直に向きを変えてくれます。BP型レガシィと違って重さが途中で変わるようなことはなく,狭い道をちょこまかと走るようなシチュエーションでも,全く苦になりません。逆に制限速度の2倍ほどの(^_^;速度でも,どっしりと安定しています。60km/h以上でのレーンチェンジも滑らかにこなしました。ロールの出かたが緩やかで,最近の国産小型車に時折(よく?)見られる,不安を感じさせる動きなど微塵もありません。ん〜ん,やっぱり欧州車の足って,いいのかなぁ(^0^)

  1.8なのに2g+ターボ
エンジンはSAABお得意のロープレッシャーターボ。どんなシチュエーションでも過給を感じさせない,自然な吹きあがりです。1998t+過給ですが,2500tの自然吸気エンジンだといわれたら信じてしまいそう(後で調べたらトルクは24.5s-mありますから,本当に2.5g級です)。アクセル開度に応じてスゥーっと加速します。もっとも4,000rpmほども回せば,ターボの音がヒィ〜〜ン…と(微かにですが)車内に侵入してきます。同じ時に乗ったオペル・ベクトラの2.2gNAエンジンよりずっと振動が少ないのが印象的。ちなみに比較的流れの良い地方道中心の試乗で,燃費は15g/100q。車載コンピュータに示された数値です。日本流にいうと6.7q/gですか。信号停止が少なかった走行状況を考えると,あまり良い値じゃァありませんね。

  キシキシミシミシ…
音といえば,きしみ音などの異音は少なからず気になりました。左のセンターピラーからはコトコト,右リアドアあたりからはミシミシキシキシ…。これが360万円もする車なの?というくらいの安っぽさです。360万円といえば,異次元の遮音性/静粛性を誇るクラウンの2.5gが楽に買えてしまう値段…ま,クラウン買う人はSAABなんぞはハナから考えないでしょうけれど。ベクトラ2.2に較べて乗り心地も良好でした。ベクトラの215/55R16に対して195/65R15という,ごく控えめなサイズのタイヤが功を奏しているだけなのかもしれません。もちろんクラウン的なふんわりした乗り心地ではなく,ぴっと筋の通ったしなやかさでした。

  車の幅と日本の道
ただ,やはり1,760oの全幅は苦にならないといえば嘘になります。狭い田舎道で対向車とすれ違う時には,それなりに緊張感がありました。輸入車って,比較的サイドミラーの幅が大きいでしょう?ベクトラほどじゃありませんが…。そのうえ左側に歩行者や自転車がいた日にはもう…ドキドキ!(試乗車は右ハンドルでした) これがフェアレディZのようなGTやスポーカーだというなら諦めもつくのでしょうが,なにしろ普通のセダンですから…。最近はアテンザのみならず,国産車もどんどん拡幅していく傾向にあります。日本の道がそう急に広がるわけでもなし,一般の駐車場だって1台当たりのスペースが大きくなるわけでもなし…あ,大型店舗の駐車場はかなり広くなりましたねぇ。駐車スペースの間の線が二重線になったりして…。(Test:2003/06/21)