SUBARU LEGACY TOURING WAGON 2.0R (4AT) 2003年5月

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  珍しいNAの試乗車
レガシィの試乗車というとターボモデルばかりが普通ですが,ディーラーも本社営業所だといろいろと揃っているようです。今回自然吸気の2.0Rに乗った店は,以前にBH型のB4RS25に試乗したところ。さすがにMT車の用意はなく,4AT仕様でした。今度のモデルチェンジでNAも「スポーツシフト」になったのですが,ターボモデルのようなステアリングのスイッチはなく,セレクターでの変速のみでした。ターボモデルのように5速+ステアリング・スイッチが付かないのは,NA差別でないのかっ?確かにコストは上がるでしょうが「高級車」を標榜するなら,ねぇ。

  なかなかのエンジン
等長等爆エキゾーストパイプとか,難しげなアピールがカタログに並びますが,なかなかいいエンジンでした。うちのBH9に比べるとパワーで+13ps,トルクで-4.0kgmの違い。比較的ゆっくり発進する時の2,000回転前後の条件では,さすがに2割のトルクダウンは隠せず,15〜20%は回転を上げないと同等の加速は望めません。ただ,アクセルのセッティングなのかトルコンの設定をいじったせいか,そんなにペダルを踏まなくても回転はスッと上がりました。3,000〜4,000回転も回してやれば,結構元気に走ります。ターボモデルで見られたような,低速での反応の鈍さはもちろん無く,コーナーの立ち上がりでもアクセル開度に応じて素直にトルクが立ち上がりました。ターボモデルでも,ATだとまた違うのかもしれませんね。水平対向エンジン特有のボコボコという排気音は控えめで,遮音もBH型のブライトンより良好に思えました。

  足回り,シート,パワステ…
Spec.Bに比べれば控えめとはいえ,215/45R17というロープロファイルのタイヤを履いた足回り。乗り心地には問題はなく,Spec.Bで気になった揺さぶられるような振動は感じられません。旦那仕様のBH9より硬めた足回りのためか,きついコーナリングでも姿勢は実に安定しています。その際感じたのがシートのホールドのよさ。実はあとで自分の車に乗ったときにはっきり分かったのですが,比較すると背中のずれが明らかに違いました。形状が旧モデルまでの「ハイサポートシート」に統一されたんだそうですが,それをいえば,BHのラグジュアリー/スタンダードモデルのフラットになるシートって,一体何だったんでしょうねぇ。パワーステアリングの設定はターボモデルと同じのようで,舵角が大きくなると粘るように重くなるように感じました。ただ,エンジンの重量が軽いせいかタイヤのせいか,ターボモデルより全般に軽快なようです。

ターボの2.0GT spec.Bに比べると,現時点では完成度の高いNAでした。しかしツーリングワゴンには2.5g登場の予定はないとのこと。「2gでも2.5g以上のパワーとトルクが出ているから」とはセールス君の弁ですが,これは明らかに嘘。数字的にも体感的にも,上記のように明確なトルクの違いがあります。ただ,これはあくまで比較しての話で,今度のNA2.0にだけ乗れば不足を感じることも無いかもしれません。秋に出るアウトバック(ランカスター)は2.5gと3g(6気筒)の由。同じ時期にLEGACY6も登場の予定とか。これまでのスバルの車種揃えを見ると,2年くらい経ったら,ツーリングワゴンやB4にも2.5gが追加されるのかも。2.5gのEJ25エンジン,気に入っているんですよ。(Test:2003/05/31)