PORSCHE Boxster (5AT) 2002年9月

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試乗車は2002modでした

ミッドシップ・2シーター・オープンスポーツ…このディメンションだけなら,TOYOTA MR-SだってMG-Fだって該当します。でも,これはPORSCHE!車好きには,きっちりとオーラを感じさせる存在です。ボクスターはポルシェの廉価版。とはいえ試乗したティプトロニックS仕様で¥6,100,000と,新型フェアレディZのほぼ2倍の値段です。試乗するのに思わず緊張してしまう存在って,国産車にはそうはありません。もっともこれが911ともなると,一番安い仕様でも¥9,900,000とか。ま,値段のことはこの際言いっこ無しにしましょうか。

  自然な加速感
2687cc/228ps/26.5kgmの6気筒水平対向エンジン。フェアレディZの3498cc/280ps/37.0kgmと較べるとスペック上はややしょぼいのですが,実際の動力性能にさしたる違いは感じられません。ボクスターの重量が100kg軽いことを差し引いても,馬力過重はZの5.1kg/psに対して5.9kg/psと差があります。しかし5kg/ps台ともなると,私のような素人では区別がつかない,という訳です。長い直線路でフルスロットルを踏むことができたのですが,その加速たるやあっというまに150km/h!いかんいかん,ここは一般道路,自重せねば…という世界。NAらしいリニアな加速ですから,ターボ車に時折り見られる気持ちが悪くなるような感覚もなく,ただただワクワクしてしまいました。この速度域でも恐怖感を憶えないのがすごいですね。同じNAでも,HONDA NSXでは一瞬血の気が引くような強烈な加速を感じたものですが,それに較べるとかなりソフトです。またHONDA S2000のこま落とし的な加速とも異なります。(制作者が甲羅を経て,ずうずうしく,そして鈍く?なっただけかも)

  安定した車線変更
60〜80km/h程度(!)でのレーンチェンジはとても安定しています。六百万円もするスポーツカーなんだから当たり前,といってしまえばお終いですが,いわゆるステアリング・ゲイン(笑)が非常に高いのが印象的で,スパッと隣のレーンに移り,切り戻しでも不安な挙動は全くありません。100km/h前後でさらに加速中でも,涼しい顔でレーンチェンジが可能です。ステアリングは重すぎず軽すぎずの適度な重さ。中立位置付近の遊びは殆ど無いのですが,機敏過ぎて進行方向が乱れるということもありません。また大きな交差点での,Uターンに近い動きでもスムーズな旋回を示しました。試乗車は7000kmあまりを走った2002modでしたが,いかなるシチュエーションでもボディはみしりともしません。うちのロードスターが,新車の時からバタバタ,ブルブルしていたのとは対照的です。バルクヘッドが1枚多いミッドシップならではですが,さすが六百万円!との声も…

  運転席だけ振動が…
不思議だったのは座席による振動の出方の差。助手席ではとっても快適で,さすがは水平対向6気筒と感心していたのですが,運転席へ移ると??? 小さい,しかし明確なドゥドゥドゥドゥという振動を始終感じます。フロアからではなく,シートの下や背中から小突かれるようなバイブレーション。アイドリングでも感じましたし,60km/hくらいでもやっぱり…。左右でこれほど違うっていうのは,どういうことなんでしょうね。エンジンの回転方向やトランス・ミッションの関係なんでしょうか。オートバイではステップに出る振動が,左右で違うことがあるそうです。100km/h以上だと感じなかったのは,振動が収まってしまうのか,自分にそれを感じ取る余裕がなかったのか。ともあれ,一般道路で長距離巡航をしようとすると,これでは疲れが出てしょうがないかもしれません。