バイク用オートライト
2001年製作


1.まえがき
うちの家の車はもう10年以上前の日産ローレル(C33)というやつなんですが、そのローレルが当時から夜間やトンネルなど入ったときに暗くなったらライトが点灯し、
明るくなったら消えるというオートライトがすでに備わっていたんです!
そのオートライトは薄っすら暗くなるとスモールランプが点き、さらに暗くなると普通のライトが点くという2段階でした。

しかし、このオートライトをバイクで標準装備されているのは見たこと無いのです。
自転車になら結構前からついていますが(笑)
現在の二輪車はもう常時点灯が義務化されてますからね・・・95年以前のバイクについてと、輸入車の場合は別ですが。

そこでバイク(ここではapriliaRS250)にオートライト機能をつける方法を紹介していきます。

2.どうすりゃいいの?

オートライトは要するに、暗くなったのを感知する→ライトのスイッチを勝手にオンにするという2段階のことをすればいいわけです。
人間がやってることを、キカイにやらせればいいだけです。
そのために電子回路をつくります。

以下に、今回作る回路で重要な部品をあげます。

部品名称 機能 今回使った部品(値段の目安かなり適当w)
CdSセル 光が当たると抵抗値が下がる(センサーの役割) CdSセル(50円)
コンパレーター
(オペアンプ)
二つの電圧の高低を判別する LM393(30円)
トランジスタ 電流が入ると(出ると)もう片方にも電流が流れる 2SA1015(10円)
リレー 電流が入ると、もう片方の端子が短絡(電気のスイッチ) OMRON G5V-1

これと抵抗とコンデンサがあればもうできたも同然(笑)

この4つの重要な部品の効果を読んでいればどんな回路を作ればいいのか想像はつくと思います。
CdSセルは光が当たると抵抗値が下がるので、暗くなると逆に抵抗値は上がります。
今回の回路の考え方は・・・↓

CdSセルで暗さを感知 → CdSの抵抗値の増加で上がった電圧をコンパレーターで読み取り判定 → コンパレーターの出力からトランジスタを駆動
   → トランジスタでリレーを動かす → そのリレーにライトのスイッチを作動させる


ってな具合に流れをとらえると分かると思います。

3.回路紹介

2で紹介した、流れを具体的に回路図に落としたのが以下です。
ポイント

・可変抵抗VR1で、どのくらいの暗さで動作させるかを調整できます。
・可変抵抗R5で、ヒステリシス特性を変えられます(ヒステリシスについてはここでは詳しく述べません・・・)
・ダイオードD1は、リレーの逆起吸収です。(これも詳しくは述べません・・・)
・C1とC2はICが安定して動くようにさせるおまじないだと思ってください。

工夫点

1.作動ランプ
LED1はオートライトスイッチ(S1)がオンになったときに点灯
LED2は、コンパレータICが判断し、ライトを自動点灯させた時に点灯。
2.オートライトスイッチS1をコンデンサC1の後ろに配置
何故かというと、コンデンサC1より前にスイッチを置くと、溜まってる電気のせいで、
イグニッションをオフにしてからも1秒くらいライトがつきっぱなしになる(笑)
回路は、電気の本読んだり、ネットから情報収集したりして組みました。
ここが参考になりました。ありがとうございます。
抵抗の定数とかは大体を決めてあとは、ブレッドボード上のバラックで決定(適当w
だからこの回路図の定数は若干違うかも。

この回路図は問題点が一つ(以上・・)あります。

それは、車両の12V電源を直で使っているため、
アイドリング・中回転時などの電圧の影響をもろに受け、
ライトがつくタイミングがそのときによって変わりますw

まだ動かしてもいないのにいきなり言うなよw

これを解決するためには、7805とかの定電圧レギュレーターを使って、
しっかりオペアンプに一定の電圧が流れるようにしておいてくださいw
なので、12Vで組むんじゃなくて5Vで組んだほうがいいです。
4.作成

回路図を作っただけで満足しちゃダメです。
実際にモノにしないと効果は出せないのですw 三現主義マンセー

今回使った部品です。
ショボデジカメなので画質は勘弁してくださいw
1号機部品内訳:
左にある細長いのは抵抗
上にある箱はリレー
左の板がユニバーサル基板です
2号機部品内訳:
こちらにはケースが写ってます。既にCdSセルを差し込む加工済み。
箱に入るようにユニバーサル基板を小さめに切ってます。
いきなり1号機・2号機とか出てるけどなんだよwとか言うと思いますが、
事情があり2個作りました。(といっても2号機作ったのは1号機の数年後)

ってことでいきなりですが、実際に形にしてみたものの写真をご覧ください。
右:1号機 CdSセル外付け・作動ランプ外付け(現在aprilia使用中)
左:2号機 CdSセル・作動ランプ内蔵一体型
2号機をapriliaRS250に取り付けたところ。
メーターの上に両面テープで貼り付けてます。

最初に1号機をアルミケース+外付けセンサー類で作ったのですが、回路削減・小型化をして全部詰め込んだのが2号機です。
1号機は現在apriliaRS250で使用中です。(2001年から)
2号機は別のバイク用に作ったのですが、右の写真のようにapriliaで動作確認をしただけでお蔵入りw
ギボシ・コネクタ類は1号機2号機共に共用化させて、相互に使えるようにしてます。
設置は2号機の方が簡単ですが、自由度を考えると1号機の形式の方がいいかも。

1号機中身:
80mm×50mmくらいのアルミケースで作成。
実際に自分で回路を考えて物作ったのはこれが初めてだったので、かなり見た目かっこわるいですw
赤いジャンパ線がw
2号機中身:
50mm×30mmくらいの樹脂ケースで作成
左の1号機と比べるとスリム化されてるのが分かるかと思います。
部品点数も若干削減してます。(というか1号機に無駄が多かったw)
リレーも小さいものに変えてます。(スイッチングさせるだけだからあまり大きいのがいらない)
蓋にCdSセルを埋め込んでホットボンドで防水。

1号機も2号機も回路の構成は大体同じです。
2号機はユニバーサル基板にしてはなかなか小さく収まったと思います。

あとは車両に搭載するだけですが、割愛します(笑)
ちなみに、車両に搭載するより、自分の思った暗さで光らせる(先述の可変抵抗の調整)ようにする調整がめちゃくちゃ難しいです・・・。
車両に搭載してから、調整することが多いので、もしかすると可変抵抗は基板上じゃなくて、外に引っ張って手元で調整できるようにするといいかも?

5.使用感・耐久性その他

ツーリングに行くと、トンネルが続く道がよくあったりしますが、そういうところで便利です。
(常時点灯すればいいじゃんってのはここではご法度w)

1号機をapriliaRS250に搭載してから既に5年?(2006年現在)くらい経ってますが、致命的な損傷無く動いてます。
接続のギボシが抜けかけてて動作不安定になってたことくらいしか不具合はありませんでした。

電子工作入門としてこんなのを作ってみたらいかがでしょうか?

おわり
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