「口腔周囲筋群の運動訓練」
◎口唇
●突出(ややオーバーに「ウ」と発音するときの口の形)と横引
(「イ」と発音するときの口の形)を、10〜20回繰り返す。
●口をすぼめたまま左右に動かす。10回を1セットとして
2〜3セット行う。
◎ 舌
●できるだけ前に突き出し、しっかり引っ込める。10回を1セットと
して2〜3セッ行なう。
●左右の口角に交互に付ける。10回を1セットとして2〜3セット
行なう。
●上唇と下唇に交互に舌先を付ける。10回セットを1セットとして
2〜3セット行なう。
●舌庄子(スプーンでよい)を舌先で押す。10回をセットとして
2〜3セット行なう。
◎あご
●口を大きく開け、パッと閉じる。10回を1セットとして2〜3セット
行なう。
●舌庄子を噛む。唾液の唾下がうまくできる患者では、するめで行って
よいが、切れ端を飲み込まないように注意する。
◎軟口藍・頬
●ブローイング(コップに水を入れ、ストローでブクブクと吹くこと)
を、できるだけ長く5回行なう。
●頬を膨らませ、へこませることを繰り返す。10回を1セットとして
2セット行なう。
「頸部のリクラセーション」
◎手順
@車いす座位または椅座位で姿勢を正し、枕などで麻痺側あるいは
両側を固定して、しっかりとした座位をとる。
●これらの体位が難しい場合には、ベットをギャッジアップした
状態で行なう。
A次に、首を前に倒し、5〜10秒間ゆっくりとストレッチをする。
B後ろ、右、左、右回旋、左回旋をそれぞれ2〜3回ずつ行なう。
C肩をすぼめるようにギュッと力を入れ、十分に力が入ったらダランと
力を抜く.これを5回繰り返す。
「呼吸訓練」
◎手順
@大きな深呼吸を3回行なう。
A大きく吸気した後、数秒息を止め、吐き出す、これを3回行なう。
Bゆっくり息を吐いた後、数秒止め、大きく吸気する。
これを3回行なう。
「発声訓練」
◎手順
@大きく息を吸い、できるだけ長く(10秒以上を目標に)
母音を発声する。
●発声持続時間の標準値は、成人男性25〜35秒、成人
女性で15〜25秒である。(老人ではこれより短い)
A「ア、ア、ア、・・・・・・」というように、母音を繰り返し
発音する、5回を1セットとし、2〜3セット行なう。
これは呼気のon/offの練習となる。
「構音障害のスクリーニング」
患者に「パンダのたからもの」と発音させ、どの音がはっきりしないのかを
聴きとる。
◎「バ」
●「ファ」に聞こえる場合 : 口唇が閉鎖できていない。パ行,バ行,ま行の
練習をする。
●「マ」に聞こえる場合
: 軟口蓋の挙上不全.パ行,バ行の練習をする。
◎「ン」
◎「ダ」
●「ア」に聞こえる場合
: 舌先の挙上不十分.タ行,ナ行の練習をする。
●「ナ」に聞こえる場合
: 軟口蓋の挙上不全.タ行、ダ行の練習をする。
◎「の」
●「オ」に聞こえる場合 : 舌先の挙上が不十分.ナ行、タ行、ダ行の
練習をする。
●「ド」に聞こえる場合
:鼻がつまっている.鼻づまりを解消する。
◎「た」
●「ダ」と同様。
◎「か」
●「ア」に聞こえる場合 : 奥舌の挙上が不十分.カ行、ガ行の
練習をする。
◎「ら」
●「ア」に聞こえる場合
: 舌先の挙上が不十分.ラ行の練習をする。
◎「も」
●「オ」に聞こえる場合 : 口唇の閉鎖が不十分.パ行、バ行、マ行の
練習をする。
●「ボ」に聞こえる場合
: 鼻がつまっている.鼻づまりを解消する。
◎「の」