鉛筆とクマ 十勝岳前夜 〜国設白金野営場〜 (1996年 9月7日)


その1. 雨降りキャンプ (おまけ付き)

 私達はいつも、登山に行く?行かない?はTVの週間天気予報を見ながら計画を立てています。 しかし、ただでさえ天気予報はウソつきなのに、それが週間天気予報ともなると、ウソつきどころか 「あ!一日ずれてる!」 「あ!雨になってる!」と、これはダマシか?と思う事もしばしばあり、本当に困ってしまいます。
 とにかく、どんなに小さくても「晴れマーク」さえ付いていれば必ず出かける事に決めているので、今回の「十勝岳」も予定通りにキャンプ道具を車へ詰め込み、白金温泉へと張りきって出発したのでした。

国設白金野営場  今回のキャンプ場は白金温泉より少し奥に入った 「国設白金野営場」です。
カンバンが小さくてちょっと分りづらいかもしれませんが、「大雪 青年の家」の向かいにありますのでこれを目印にしてください。 ここはスペースが約500張ととても広く、もう9月ともなれば人もまばらなので静かで快適なキャンプが出来るはずです。バンガロー(4人用・2500円)もお勧めです!

 さて、テントサイトはよりどりみどりです。 道路に近く炊事場にも近い、さらにテーブル付きのいい場所がありました。
 ちょっと気になったのは、地面が少ーし斜めになっていて、雨水の通り場になっている跡もありましたが、「どーせ、雨なんか降らないだろう 」と、私達はそこにテントを張ったのです。

 いつものように簡単な夕食を済ませ、早々とシェラフの中にもぐり込みました。 そして、あれは何時頃だったのでしょうか。

   ザーーーーーーーーーーーーーッ!!

 おおっ!突然の雨です! しかも雨だけではなく、ちょっとしたおまけ付きでした。

  ピカッ  ガラガラガーーーー!!

 「!!」  うそー、天気予報では雨マークなんて付いてなかったのにー!

 外は大雨とカミナリの大合唱が続いています。(・・・うーん、これはちょっとマズイかもしれない・・・) 明日の十勝岳の事も気になりますが、他にも気になる事がもう一つあります。

雨降りキャンプ じつは・・・、私達はテントの下に青いビニールシートを敷いているのですが、それがテントの大きさよりも一回りデカイときていて、丁寧な事にそれを内側へと折り込んであるのです。 当然そのビニールシートは雨水の受け皿になるはずですし、もっとおバカな事に雨水の通り場の上にテントを張ってしまった・・・。

 どうでしょう、これだけ揃えばもう何も言う事はありません。きっと明日の朝には全員水没しているはずです。
 さようなら、みなさん・・・。今までどうもありがとね・・・。

  ピピッ ピピッ ピピッ ピピッ!

 AM5:00きっかりに目覚ましが鳴り、私達は目覚めました。 どうやら全員無事ですし、外の雨は既にあがっているようです。テントの中も雨水が漏れていないようで 「いやー、すごい雨とカミナリだったねー。」と話していると、父が 「お父さんは水の上で寝ていて、そりゃビックリしたぞ!」と言いました。  「え・・・?」

 ・・・確かに、父が寝ていたのは一番低い場所でした。父のシェラフの下を手で触ってみると、だいぶ雨水は引けたものの、まだ少しブニョブニョしていました。

 「いやいや、それは大変だったねぇ 」と父をねぎらいながらも、(そっちに寝なくてラッキー!)と、ホッと胸を撫で下ろした二人だったのです。


ねぎらう娘達


 外に出てみても、空は厚い雲に覆われ、周りも少しガスっています。 朝食のあと30分程様子を見ていたのですが、「とりあえず登山口まで行ってみようか 」と、テントはそのままで(登山後片付けますと、管理人さんに了解をとってあります)、私達は十勝岳の望岳台へ向けて出発したのでした。
 (はたして、私達は無事に十勝岳へ登る事が出来るのでしょうか・・・!?)



くま 翌日の 「十勝岳登山編」 へ続く!



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