「体感する美術’99 ミエナイ サクラヲ ミル」
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日常を見直す新たな視点、
それは、アートがまちや人の中にもたらすものの一つではないでしょうか。
今年の体感する美術では、普段暮らしているまちの中の、
目に見えているけれど気づいていないもの、
目にみえないけれども存在しているものを、
アートプロジェクトを通して探っていきたいと思います。
アートの方向へジャンプをすれば、
何でもないことが輝きを帯びたり、
あたりまえのことが危険なものに
変わったりするのに気づきます。
ぜひ参加して、日常からのジャンプを体験してみませんか。
1999年7月17日〜8月8日
佐倉市立美術館他、市内各地
月曜休館/一部の展示は8月13日まで
ワークショップは期間中の土曜日、日曜日、祝日に開催[プレ・ワークショップ:7月3日、4日、10日、11日]
主催=佐倉市立美術館 企画=IFS 企画協力=長田謙一 協賛=日本ペイント株式会社、東京テレメッセージ
参加料等=展示の観覧は無料、各ワークショップは実費
この企画は、公募による市民のメンバー・IFS と、アーティストと、佐倉市立美術館がディスカッションを重ね、つくり上げたものです。(体感する美術’99パンフレットより)
ミエナイ サクラヲ ミル ということ
「見える」あるいは「見えない」という状況。
「見る」あるいは「見ない」という行為。
「見えない」状況のものを「見る」という行為は、矛盾でしょうか。
それは、
時として、かなえられない憧れであり、
また時として、偶然が与えてくれる至福であり、
あるいはまた、当然必要なことではないでしょうか。さて、「見えない佐倉を見る」というのが私たちの企てです。
例えば、
見えていないのに、そこにあると、感じられるもの、
それらを見る、さらに見えるようにする、
つまり、見えないものを視覚化することであるかもしれません。
また、
見えているのに、そこにあると意識されないもの、じつは見ていないもの、
それらを見る。
つまり、意識を目覚めさせることであるかもしれません。
かつて佐倉には、城がありました。
今は、ありません。
現在、佐倉城という建物そのものを見ることはできません。
ですが、
かつてここに城があったという事実が、私たちに見せてくれるものはないでしょうか。
城の形ではない現在の「佐倉城」。
それを見てみたい、見える形にしてみたい、
と考えたところからこの企ては生まれました。
佐倉という街をフィールドとして、私たちと共に、
「見えない」なにものかを「見る」というこの企てに参加して下さるアーティストを求めています。
私たちはIFSです。
これは、企画の段階で、アーティストに発信するものとして用意した文書です。
今回のテーマを決定するにあたり、IFSと永山学芸員、アドヴァイザーである千葉大学の長田謙一先生も交えて、繰り返しディスカッションがもたれました。その中から生まれたのが、今回の「ミエナイサクラヲミル」。佐倉には、戦国時代の中期からあった城郭を原型にして、江戸時代初期に築造された城がありました。佐倉城です。この城は、明治維新後に取り壊されるまで、佐倉のまちのシンボルでした。
現在は、佐倉城があった場所が、「城址公園」として市民に親しまれています。また、公園の一角には、国立歴史民俗博物館が建設され、城址公園と共に、佐倉のまちのシンボルとなっています。
今は、その姿を見ることのできない「佐倉城」なのですが、佐倉というまちに住む人々にとって「城」(城があった場所・あったという事実)は、やはり「佐倉の中心」として位置しているように思われます。それは、このまちに住む人々のアイデンティティの一部だといってもよいのではないでしょうか。
視覚的に、城そのものを見ることはできないのに、城は存在している。見えていないのに、その存在に影響を与えられている。我々はこのようなことを意識して日常を生きているわけではありません。しかし、ふとしたきっかけで、そのことに気づくことができた時、ミエナイものをミルといえるのではないでしょうか?
そして、目に見えないものを見えるようにする、というのは、実はアートの本質でもあると思います。極端な表現かもしれませんが、アーティストというのは、見えないものを見えるようにしてくれる人のことを、いうのではないでしょうか?、
今回の、「体感する美術」では、IFSの呼びかけに応えてくださった3人のアーティストによるワークショップと、IFS自身がファシリテーター(進行役)となる2つのワークショップが展開されました。
体感する美術’99 ミエナイサクラヲミル ワークショップA Constellation Project in Sakura まちの星座をさがそう―佐倉プラネタリウム 朝岡あかね ワークショップB 「手作り見張り塔で佐倉をずいっ〜と」屋外編 磯崎道佳 ワークショップC [POP@sakura]捨て看プロジェクト 西本太郎 ワークショップD GoGoさくらランド IFS ワークショップE まちの気分、空気の色 IFS