中野区江古田遺跡

 中野区江古田遺跡の現地説明会が3月12日に行われました。現地は江古田の森に隣接し、公務員宿舎の跡地に、独立法人都市再生機構が行う宅地造成に先立ち、江古田三丁目の約2万平方メートルの範囲が調査対象となりました。発掘調査は東京都埋蔵文化センターによって行われていました。4月前半現在、旧石器時代から中世(鎌倉・室町)にかけて多くの遺構、遺物が発見されています。発掘調査は平成26年8月までの予定になっています。


旧石器時代
・切出し形のナイフ形石器(頁岩(けつがん)製)と角錐状石器(ガラス質黒色安山岩製)が地表下約1.2mのローム層(W層下位)から出土。 約17,000年〜18,000年前

・槍先型尖頭器(黒曜石製)地表下約1.0mのローム層(W層上位)から出土。 約15,000年前

縄文時代
・縄文早期前半(8,000〜9,000年前)
撚糸文(よりいともん)土器の破片が出土。

・縄文中期後半から末 竪穴住居跡2棟 そのうち1棟は敷石住居跡の可能性が高い。

・縄文時代中期後半 加曽利E式土器、磨製石斧、打製石斧、垂飾り(ペンダント)(蛇紋岩製)

古墳時代
・古墳時代(7世紀中葉) 竪穴住居跡 カマドが作られていた。 土師器の鉢や皿状の杯が出土

奈良・平安時代
・平安時代 竪穴住居跡 カマドが作られていた。 土坑からは内面を黒くする特徴をもつ黒色土器出土(表面を緻密にするため、炭素を吸着させて黒色にした土器)

鎌倉時代以降
・溝が多く見つかっており、中世の溝と重なっている江戸時代の溝もある。

1 ・江戸時代のカイロ温石(おんじゃく) 溝から出土した寛永通宝

中野区江古田遺跡の現地説明会 中野区江古田遺跡の発掘現場
左奥から旧石器時代のナイフ形石器、角錐状石器、槍先型尖頭器、
縄文時代中期の打製石斧
左手前から縄文時代早期前半の撚糸文土器、
縄文時代の垂飾り(ペンダント)、磨製石斧
加曽利E式土器 縄文時代中期後半 約4,500年前 加曽利E式土器 深鉢 縄文時代中期後半 約4,500年前
奥は古墳時代後期(7世紀中葉)の土師器(鉢と杯)
手前は平安時代後半の土師器(高台付杯)

参考  2004年3月6日に行われた江古田遺跡の現地説明会