マルサスの人口論
イギリスの経済学者ロバート・マルサスは1798年に「人口の原理関する一論」を著した。
マルサスの人口論は二個の公準からなりたっている。
第一は人間の生存には食料は必要である。
第二は人間の情欲は不変である。
公準をもとに人口論の原理がなりたっている。
@人口は生活資料(人間が生きていくためのに必要な食料や衣料などの生活物資)が増加するところでは常に増加する。逆に生活資料によって制限される。
A人口は幾何級数的に増加し、生活資料は算術級数的に増加するから、人口は常に生活資料の水準を越えて増加する。この結果必然的に不均衡が発生する。
B不均衡が発生すると人口集団には、それを是正しようとする力が働く。すなわち人口に対してその増加を抑えようとする「積極的妨げ(貧困、飢饉、戦争、病気、退廃)」や「予防的妨げ(主として晩婚化・晩産化・非婚化による出生の抑制)」がおこる。また生活資料に対してはその水準を高めようとする。「人為的努力(耕地拡大や収穫拡大など)」がそれぞれ生まれる。
C人為的努力の結果もたらされる新たな均衡状態は、人口、生活資料とも以前より高い水準で実現される。