吃音改善ルーム

   受 講 生 の 声

  このコーナーでは、受講生の声を紹介いたします。
吃音は、かくれた部分が大きく、当レッスンに励んだ結果、受講生の内部でどのような
変化が生じているのか、日々のいとなみの中でどのような経験の変化が起こっているの
かを、指導している筆者自身が外から推し量ることは大変困難で、それらは、受講生自ら
語っていただく内容によって始めて分かるものです。受講生の声は、吃音改善に取り組ん
だ上での変化の姿を表しています。

当ルームの受講生は自己の吃音に対してしっかりした問題意識を持ち、問題は解決して
いきたいという強い意欲を持っております。この大変困難と見られている吃音という言葉の
問題を小さな問題へと改善させることができた暁には、問題は克服できるという大きな自己
への自信と信頼に繋がります。その願いに少しでも当ルームの提供する発語レッスンがお
役に立てることができればと考えております。


*年齢やお名前、性別は、プライバシー保護の観点から伏せさせていただきます。

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受講生 P 様    レッスン開始日    平成15年4月12日
       レッスン受講回数: 63回 累計時間  31時間



(声をいただいた日:  平成18年7月9日)
近いうちにレッスンをお願いしたいです。昨日久々に電話で はい (  )です、と言って
みたら言えました。美容院の予約もうまくできました。

(ルームコメント)
このような小さな発語成功体験を重ねると自信が育っていきます。筆者も依然、受付けで
不意に名前を聞かれて冷静に答えらたときに昔は出来なかったなあとこの変わりようにう
れしく思えたものでした。

受講生 N 様    レッスン開始日    平成18年3月10日
       レッスン受講回数: 17回 累計時間  18.5時間


(声をいただいた日:  平成18年6月30日)
私の直したい問題は、電話で会社名のあとに名前が出ないことです。教室で指導して
頂いた点は、名前の前に力んでしまう、この力みと語るときの動きの対応です。練習後
に会社から家から教室に電話をかけて会社名のあとに名前が言えるか試してみたので
すが最初のころは、やはりつまって出てこなかったですが、レッスンが一ヶ月くらい過ぎた
ことから電話ですこし冷静になっている自分が分かるようになりました。そのころから教室
へ電話をかけて会社名のあとに名前がでるようになりました。仕事での電話でも少し冷静
になれるように変わってきています。これからもレッスンを重ねて変わっていかれればよい
なと思っています。


(ルームコメント)
電話で声の発語に困難をおぼえる方に、これまで何人も指導してきました。問題は、萎縮が
おこっていてその状態で冷静に発語をつくっていけないのです。萎縮に対して時間と力の調
整を行なえば、発語はできるようになります。発語ができるようになれば、少しずつ不安・恐
怖からの萎縮もゆるんでいきます。そこまで辛抱強くレッスンを重ねていくこと、語れるように
なってもレッスンを止めないことが大切です。



受講生 M 様       レッスン開始日   平成16年4月20日
                レッスン受講回数 : 126回 累計時間 75時間

(声をいただいた日 : 平成16年11月30日)

レッスンを始めて、変わった点を述べて見ます。
@名刺交換のときの自己紹介が楽にできるようになりました。
A電話をかけるときに話す名前や会社名は、以前よりもレッスンのイメージに近く
  話せるようになっています。
B電話を受けるときに職場名や名前をあせったり詰まることがまだあります。うまく
  いかないときは、もう一度レッスンで学んだイメージやレベルを下げて慎重に
  電話応対を行なうと状態が少しずつ良くなっていくことがわかります。
これからも、レッスン学んでいるイメージとレベル合せを慎重に行なっていきたいと
思います。


ルームコメント

 電話対応は、かけるよりも受ける方が条件としては難しいと考えられます。
電話をかけるほうは、かなり自分のペースでできるものですが、電話を
受ける方は相手が主体で受け手は相手に合わせることが要求されますの
でもし相手が早口で語ってくると受け手はそれがプレッシャーになるもので
す。できるだけ、受ける時にも相手にペースを乱されないで相手に許容して
いただける範囲で自分のイメージに沿って話すことをおすすめいたします。

受講生 E 様    レッスン開始日 平成15年 7月 19日
   レッスン受講回数 38回  レッスン累計時間 28時間


(声をいただいた日 : 平成16年8月20日)

 以前は友達と会う前に緊張する事が多かったのですが、最近は会う前の緊張はほとんどなくな
り、楽しめるようになりました。電話は以前のように極度に緊張状態になって、無理な話し方をす
るのはなくなりましたが、まだ苦手意識があります。日常会話で(名前)と名乗る時うまく言える事
が多いので嬉しいです。
  

(コメント)
吃音者と非吃音者の大きな違いは、話す行為における判断(出来るか出来ないかの判断)に
あります。非吃音者は、話すときに話せなくなるというということは考えたりしないはずです。こ
の判断は、経験的判断になるのです。経験から判断しているのです。従って吃音が改善される
ということは、とりもなおさずこの判断が変わることなのです。吃音の数が日常で減ってきて、
イメージ通りに話せる回数が増えてくれば、この経験から話す行為における判断は、良い方へ
変わるのです。従って、発語成功体験の蓄積が、話す判断を変えることになります。当受講生
は、日常の発語成功体験(友達と楽しく話せた経験、名前を名乗ることが出来たという成功体
験等)の蓄積が進んでいるのです。当ルームでの発語練習もこの発語成功体験の一部になっ
ていることは、言うまでもありません。


(声をいただいた日 : 平成16年1月13日)

電話受講を始めて半年が経ちました。この半年間でかなり変わったと実感しています。
以前は、吃音がなければもっと楽しく違った人生を送っていたはず、と悲観的な考え
を持っていましたが、今は吃音は私のライフワークのようなものだ、長い年月をかけ
て改善していければいい、と考えるようになりました。以前は主人や気の知れた友達
と話す時もよく詰まっていたし、苦痛感を伴う発語の仕方をしていました。レッスン
を受けて大きく変わった点は、胸や喉のあたりに力を加えて無理な発語の仕方をする
事がほとんどなくなった事です。それによって、友達とおしゃべりする事がとても楽
しく感じられるようになりました。

 また、育児サークルでたまに自己紹介をする機会があるのですが、以前の私なら頭
が真っ白になって逃げ出したくなっていましたが、今ではなんとかなるだろう、と考
えるようになったし、実際まあなんとか話せるようになりました。緊張はします。で
も緊張の度合いが小さくなったのです。
それは、自己紹介の前に話す事を頭の中で繰
り返し、そうする事で気持ちがだんだん落ち着いてくるからだと、理解しています。

 ブレスも大変効果があるものだと思います。私は同じ事を継続してするのが苦手な
のですが、ブレスを毎日やっているうちに、いつの間にか声がしっかりしてきたと感
じています。大きな声が出るようになりました。自分の名前を名乗るのが苦手で、特
に電話に出るのはまだ緊張します。少しずつ改善していけばいいなあと思っています。

 吃音のメカニズムを知って理解する事とレッスンを続ける事で、吃音に対して前向
きになれました。レッスンを受けて本当によかったと思います。


(声をいただいた日 : 平成15年11月4日)
こんばんは。
教室に行ってきました。落ち着いて話せたし、たくさん発言できました。自信になりまし
た。以前は苦痛感を伴っていましたが今はだんだん減ってきました。声もしっかりして
きたように思います。先生にはとても感謝しています!

(声をいただいた日 : 平成15年10月22日)
 こんにちは。今日クラブがあって10人くらいの前で自己紹介しました。まあまあなんと
か言えました。自己紹介の後のおしゃべりは声もよくでてつまったりせず大きな声が出
てました。 もし電話受講していなかったら、逃げ出したい気持ちになってしどろもどろ
だったと思います。本当に受講していてよかったと思いました!!みなさん結構はきはき
話していたので少しうらやましく思いました。来週はクラブがあってまた自己紹介がある
と思うけどなんとか大丈夫だろうと思っています。やはり場数をふんで成功を積み重ねて
いって自信がついていくように思います。



 ルームコメント

 電話レッスンは、女性の受講生が大勢おります。女性は、おしゃべりを楽しむ才能
が男性よりも勝っていると感じられます。毎月送られてくる電話の明細書で我が家の
女性陣の一時間を越える通話の記録を何件も見せ付けられるたびに、そう思わずに
はいられません。言葉の問題で、おしゃべりを楽しめないということは、やはり人生の
ある部分で損をしているのかもしれません。おしゃべりは、日々の生活にうるおいを与
える重要ないとなみでもあることは、確かです。当受講生が、おしゃべりを楽しめるよ
うになったと語るのを聞いて大変うれしく思ったものです。

この声の中に”緊張はします。でも緊張の度合いが小さくなったのです”とあり
ますが、これは大変重要な部分です。吃音を持っている人と非吃音者の違いは、
相対的なものです。非吃音者の発語能力も人によってそれぞれ違います。つまり
人それぞれ発語能力は異なっており、吃音者は、平均的な発語能力の人との差を
感じるはずです。この差を小さなものに変えていくことが、とりもなおさず吃音
改善の目的になると筆者は思っております。そしてこの差を小さなものに変えて
いくことは可能だという確信を筆者は体験から強く持っております。
吃音は、改善されていくものです。いつしか、平均的な人と変わらない状態まで
段階的に改善は進むものです。改善は、一気に進むものではなく、段階的に進む
もので、ある改善がおこり、その状態が固まってから次の改善に進んでいくとい
うプロセスが取られます。この改善が固まるために必要な期間、つまり踊り場で
根気が続かない人も多いのです。当受講生はライフワークのつもりで吃音改善に
取り組んでいきたいという心構えを持っていますので、吃音も恐れをなして離れ
ていくことでしょう。



受講生 L 様   レッスン開始日  平成15年 6月 30日
       
レッスン受講回数 21回 レッスン累計時間 15時間


(声をいただいた日 : 平成16年 06月16日)


(電話にて)

 レッスンを始めて、変わったことは、電話が大変楽になったことです。今まで、話すことで
精一杯だったのですが、今は相手のことを考えられるくらいに、少し余裕を持てるようにな
りました。それに、最近小学校の授業参観で、自己紹介するときにほとんど緊張しないで
名前を言えるようになりました。こまっていることは、仕事でお客さんに説明することは、何
とかできるようになったのですが、調理場の人に、大きな声で連絡することには、うまくいか
ないことがあります。タイミングよく話さなければいけないときにまだまだ苦労しています。
レッスンを中断していたのですが、ホームページを見たら、またレッスンを受けたくなりました。
これからも、またよろしくお願いいたします。


(コメント)
 当受講生は、昨年からレッスンを始め、今年の春先まで20回のレッスンを受けました。
その成果は、受講生の言葉にあるように、電話が楽になった、電話で少し余裕を持てる
ようになった、小学校の参観日での自己紹介が割と楽に出来るようになったことだと語っ
ております。吃音改善を始めて改善を実感できる点は、小さな問題から始まることです。
大きな問題は、どうしても後になってしまい改善に時間がかかります。当受講生にとって、
電話での会話は、抱えている問題の中で、小から中の部類、小学校でお母さん方の中で
の自己紹介は、比較的小と見ています。仕事場で、元気な声で、タイミングよく相手に伝
達することは、大きな問題であるはずです。吃音で困ることは、タイミングを要求される度
合いです。吃音の特徴は、話せないのではなく、ある時間内にあることを話すことができ
ないという姿です。つまりタイミングよく話すことが、難しくなっているのです。複数の友人
と話の輪の中で次にこれを言ったら受けると思っても、タイミングよく言えないという経験
は、多くの吃音者のストレスの中心です。このへんは、どうしても相手のペースに合せてし
まうという戦略上の失敗があります。筆者の友人との会話で、話したいことは、プロ野球
選手がヒットを打つように逃すことは、ありませんが、一番気をつけていることは、自分の出
来る範囲でペース配分を再設計する、自分のペースで、話を進めるということです。自分の
ペースをつかむ、これが出来ると、相当変われるはずです。
 当受講生は、再度、レッスンを再開する運びになりましたが、今回のレッスンでさらなる改
善を進められることを、共同で作っていければと、当ルームは、考えております。



受講生 K 様  レッスン開始日 平成15年 10月 20日
        
 レッスン受講回数 15回  レッスン累計時間 11時間
    
(声をいただいた日 : 平成16年 04月15日)

(電話にて)
やっと、ここにきて”ありがとうございます”を電話に言えるようになりました。ほっとしました。
ありがとうございました。これからも、よろしくお願いいたします。

コメント

 ”ありがとうございます”という言葉は、相手とのコミュニケイションにおいて、なくてはならな
い最重要語の一つです。トップに位置するといっても過言ではありません。この”ありがとうご
ざいます”という言葉に苦手意識を持っている人は、意外に多いのです。特に女性でこの言葉
を苦手とすると、電話の応対に大変なストレスを受けます。この”ありがとうございます”問題は、
隠された社会問題と言ってもいいもので、大変多くの人がこの問題に苦しんでいるのです。
 当受講生は、会社で外線から電話を受けた時に”ありがとうございます。(会社名)の(名前)
でございます”という発語に問題を持っており、昨年の10月から当ルームの電話発語レッスン
を始めて現在、半年くらい経過しています。ここにきてやっと電話の応対で”ありがとうございま
す”を何回も言えるようになってきたとの報告を明るい声で電話で受けました。ここまで、半年か
かったことになります。その改善の兆候は、以前の電話で次のような報告から当方でもつかん
でおりました。”最近、電話ではまだだめですが、対面でお客さの帰り際に”ありがとうございま
す”が自然と言えるようになりました。以前、こんなことはなく、この変化に驚いています”。 電
話と対面での発語は、電話の方が難易度は高いものです。特に、かけるよりも受ける電話の方
が、難易度は高いです。当受講生は、対面での”ありがとう”が楽に発語できるようになったと
言っていましたので、あきなめないで電話発語レッスンを継続するならば、この先、必ず電話で
の”ありがとうございます”も発語できるようになるだとうと思っていました。当受講生は、女性の
なかでも線が強くしっかりしている性格の持ち主なので、改善が育ったのだろうと思われます。
成果が出るまでは、最低でも半年は頑張っていただきたい。改善したら、そこで安心しないで、
その改善をしっかり固める作業が次に必要になります。改善の初めは、まだ状態がやわらかく、
いつでも後戻りがおこります。ここでレッスンを継続して、改善を固める、しっかりゆるぎないもの
に変えていく努力が必要になります。
何事も困難な仕事を成就させるには、継続する努力が必
要になるのです。


受講生 G 様  レッスン開始日 平成15年 5月 13日
        
 レッスン受講回数 18回  レッスン累計時間 15時間



(声をいただいた日 : 平成16年 04月01日)

PS: 最近は人と話をする時にご指導いただいている吃音改善法に従って話をするとうまく
いくようになりました。以前はそれがなかなかできませんでした。1年、2年とあきらめずに
練習を続けていくことが大切だと実感しています。


 コメント

 吃音改善を進めるにあたり、方法論が大切に思われます。吃音の治った理想とする状態
に一日でも早く変わりたいと思う気持ちが強ければ強いほど吃音改善の努力の持続に困難
さを来たします。その理由は、吃音改善は、マラソンを走るようなもので、ゴールは遥かかな
たの見えない地点にあるものです。ですから吃音改善の努力の走り方は、ペースを間違えな
いように、早からず遅からず走る必要があります。早く治そうと思えば思う人ほど、吃音改善
を短距離走のような走り方を行い、その先には必ず挫折が待ち構えているのです。この例は
、大変多いものです。
 吃音改善には、理想とする状態に近づくというよりも、今の状態が以前の状態と比べて改善
されていれば、良しとして吃音改善の努力を継続する気持と実践を持ちつづけることが大切
になります。つまり、吃音を治そうと意気込むよりも、吃音の改善を子供を育てるように辛抱
強く育て、この育った状態に喜びを味わう気持ちが大切に思われます。


 当受講生の、"最近は人と話をする時にご指導いただいている吃音改善法に従って話をす
るとうまくいくようになりました。"という言葉は、吃音改善が育ってきたことの証です。また
1年、2年とあきらめずに練習を続けていくことが大切だと実感しています。”と語るようにな
られたということは、吃音を治そうと焦ることから、発語動作の安定(吃音改善)を発語レッス
ンを継続しながら辛抱強く育てていこうという気持ちに変わってきたことの表れと見ます。



(声をいただいた日 : 平成15年 11月10日)

吃音改善の取り組みを始めた動機

私が吃音改善ルームで改善の取り組みを始めたきっかけは2つあります。

1つは今までの方法に吃音の進展が見られなかったこと、2つめは本ルーム
の改善方法が吃音の大きな原因と思われる吃音不安にどう対応していくか、
人と話をしなければいけない状況にどう対処していくのか、今までの方法より
もより具体的で自分の弱点克服に合っていると思ったからです。

私が吃音を意識するようになったのは小学生の時で国語の音読の授業がいや
でたまりませんでした。それから中学、高校に入ってからますます吃音がひどく
なり一人で悶々と悩む日が続きました。その時いろいろな吃音改善法を試みて
きました。暗示による不安改善法や音読を通しての呼吸改善法、器具を用いた
改善など行ってきましたが、一時的に吃音が良くなるもののスランプになった時
に元に戻ってしまいどう対処すればよいか具体的な方法がなく、訓練を続けても
改善する見通し立たないような気がしました。

大学生、社会人になってから少しずつ自分なりに吃音を少なくする方法を見つけ
てなんとか人前で時間はかかりますが話せるようになりました。しかし、調子が良
い時はいいのですが、スランプに陥ると一言も人前で話せないのではないかと思
うほど落ち込んで人との会話だけでなく人に会うのも避けたい気持ちになりました。
今まで調子が良いときは人と話す時にその場をごまかして自分が吃音を意識しな
いで話すことはできたのですが、スランプなど吃音を意識せざるを得ない状況にな
ると吃音をごまかすことができないのです。その時今までの自分は吃音を正しく理
解しようとせずに自分の吃音から逃げてばかりいたのではないかと思い始めました。
吃音の問題を正面から見つめていこうと思ったのは社会人になってからでした。

それからは自分なりに話しやすい方法を工夫して人前での発表もなんとかできる
ようになりました。しかし、スランプになるといままでの方法が使えず、精神的に落
ち込むことがありました。私の問題点はスランプになると長くそれが続くということ
でした。

現在までの吃音改善の成果

私が吃音改善ルームにお世話になり、練習を続けるなかで気持ちの面が大きく変わ
りました。スランプになっても、気にせずに冷静に自分でそれを受け止めて、時間を
かけてゆっくり話すように心がけているので、前のようにスランプが恐くなくなりまし
た。市川先生との電話レッスンはスランプに陥っても十分に対応できる練習法だと
思います。最初に話す言葉をいつも間をあけてゆっくり話す練習を普段の会話の中
で応用していくことを心がけています。

吃音はゆっくり話してごらんと言われてもゆっくり話すことができないという面があり
ます。それは早くじょうずに話そうという気持ちや人の会話のペースに合わさなけれ
ばいけないという話すことは難しいことだという習慣的な思い込みから来ていると思
います。吃音改善ルームはそのような話すという行為は難しいものでなく自然にでき
るものだという考え方に変えていき、話すことに対して自信をつけていくことを大切に
していると思います。また発語の練習を行いながら吃音に対する考え方も改善してい
くことは大切だと思います。

自分の練習のペースを保っていくためにも、これからも電話のご指導よろしくお願いい
たします。


ルームコメント

 当受講生の文で一番重要な箇所は、
その時今までの自分は吃音を正しく理解しよう
とせずに自分の吃音から逃げてばかりいたのではないかと思い始めました。吃音の問
題を正面から見つめていこうと思ったのは社会人になってからでした。”の部分です。

どうも学生の時分は、どうしてよいかわからない状態にあると思われます。筆者自身もそうでし
た。しかし社会に出ると言葉の問題は、何とかしなければいけないという現実に直面せざるを得
なくなります。ここで、敵を知り、己を知れば、百戦危うからずという諺に学ぶといいのです。吃音
の原因は分かっていないという俗論に惑わされずに、吃音をある距離を置いて冷静に冷静に眺
めてみるのです。吃音の性質が分かるまで冷静に辛抱強く眺めつづけるのです。そうするとだん
だんと吃音の姿、性質が見えてきます。さらに、自分の心の動きを観察することも必要です。相手
から変に思われないように必至に何かを隠そうとしている自己の姿が見えてくるかも知れません。
ここで”敵を知り、己を知れば百戦危うからず”という諺が生きてくるのです。つまりそれまでの対
応の誤りに気が付けば、そこから吃音改善は、始まると言えるのです。敵は本能寺に有りという
ように、敵は、自分の対応のまずさにあると気が付けば、対応を変えていく、ここに吃音改善の
キイは、あるのです。







 受講生 J 様  レッスン開始日   平成15年5月13日
                  レッスン受講回数 27回 レッスン累計回数 21時間

 (声をいただいた日 : 平成16年1月9日)

  吃音改善を取り組み始めた動機について

    小学校のころから吃音に悩み、いやな思い、恥ずかしい思いをしてきた。
   社会人になり、人前で話す機会も多くなり、なんとかしたいと思った。特に電話が
   苦手だが、電話は日常生活に深く関わっているので、ここでしっかり改善させたい
   と思った。

  吃音改善の成果について
    吃音がおこる原因などを説明してもらい、「病気ではない、改善する可能性は
    十分ある」ということがわかり、安心感をもてた。

  ・ レッスンを始めてから、10ヶ月ほどだが、以前よりも落ち着いて話せるようになった。
    言葉がつまりそうになっても、もう一度ゆっくり言い直すことで、気持ちも落ち付き、
    うまく話せることが多くなった。
  ・ 意識的にゆっくり話す習慣がついてきた。
  ・ 電話もうまく話せる回数が増えてきた。
  ・ レッスンしている時は、落ち着いてうまく話せるが、実際の場面では、無意識にあせって
    しまい、うまく話せなくなるときもある。

    全ての場面で、緊張しなくなったわけではないが、少しずつ改善してきていることが実感
    できる。今後ともレッスンを続けてがんばっていきたい。


 ルームコメント

 吃音の悩みは、吃音の軽さ重さに比例するものではなく、向上心に比例するの
ではないかと考えたりもします。向上心が強ければ、イメージ通りにものごとを
やり遂げたいという思いは強いものです。吃音の悩みは、イメージを実現できない
という悩みでもあります。イメージを実現できないのなら、当面、現在持っているイ
メージは、捨てて、実現できる別のイメージに変えてみよう、イメージを変える勇気
を持ってくださいと指導してきました。
 当受講生は、イメージを変える勇気と柔軟さ、丁寧さを持っておりまして、それが
改善に結び付いていると思われます。

 ”言葉がつまりそうになっても、もう一度ゆっくり言い直すことで、気持ちも落ち付き、
  うまく話せることが多くなった。”という部分は、成長の姿を表しています。話すこ
とは、スケートに似ていて、@滑っていて少しもバランスを崩すと冷静さを失い’もう
ダメ’と思って転んでしまう人、Aバランスが崩れても慌てずに冷静にバランスを立
て直して滑りつづけられる人、吃音に悩んでいる人は、圧倒的に@のタイプに入る
と思われます。当受講生は、”言葉がつまりそうになっても、もう一度ゆっくり言い直
すことで”とあるようにバランスが崩れても慌てずに冷静に再度バランスを立て直せ
るようになったということです。これは、大変な成長です。

 ”無意識にあせってしまい、うまく話せなくなることもある”という部分は、条件反射
的に考察するのならば、レッスンによって新しく作られつつある安定された発語経験
がまだ期間として短いために、とっさの場面では以前の吃音経験からくる条件反射
の強くでることがあるということです。この状態も、レッスンを実践して安定された発語
経験の数と期間が増えれば、だんだんと減っていくものです。ですからレッスンを持続
することが、”無意識にあせってしまい、うまく話せなくなることもある”を減らしていく
道になります。このような状態は、急に消えるものではなく、新しい経験が古い経験よ
りも優性になるまで、時間はかかるものです。


 受講生 I 様  レッスン開始日   平成15年8月10日
          
レッスン受講回数 18回 レッスン累計回数 27時間

(声をいただいた日 : 平成16年 1月1日)

  いつもお世話になっております。受講生の〇〇です。昨年中はご指導いただき、どう
もありがとうございました。ご指導をしていただくよう になってからまだ5ヶ月ですが、着
実に成果が表れていると思います。 この調子でこれからも焦ることなくじっくりとレッスン
に取り組んでい きたいと思っておりますので、今年もご指導のほどよろしくお願いいた
します。

  
ルームコメント

 当受講生は、大変礼儀作法の整っている方で、つまり身体表現のきれいな方で
筆者自身の立ち居振舞いの粗野な面(身体表現の形が悪い)を反省させられます。
この丁寧な性格が、当ルームの指導内容を忠実に実行していただく結果に結び付
いて改善が動き出していると思われます。今後とも辛抱強く不適切な部分を適切な
形に変えていかれるよう指導に励みます。





 受講生 F 様    レッスン開始日 平成15年 10月 20日
         
    レッスン受講回数 8回  レッスン累計時間 8時間

(声をいただいた日 : 平成15年11月6日)

レッスンを受けてまだ間もないですが、確実に改善に向かっています。

レッスンの効果

@     発語不安があるものの何とかなるだろう、できるだろうと思えるようになった。
  これは先生の吃音に対する理論的な裏づけのあるアプローチのおかげである。

A     職場などの自己紹介、電話などにおいて何とか問題なくできるようになってき
  ている。

今後の目標

吃音改善は自分の吃音状態を的確に理解し、吃音状態に陥らないよう、陥ってもすぐに立ち
直れるように自分をコントロールできるようになることであると思います。レッスンの成果
を現場に実践することでさらに上手に自分をコントロールできるようになりたいです。これ
からもレッスンよろしくお願いします。


ルームコメント

 当受講生の改善は、かなり早いと感じられます。この要因を考察いたしますと、次の
通りです。
1) 言葉以外の面で、かなり優れている面が多く、それが自己への自信につながって
   いる。
2) いままでの吃音改善の考え方を捨てて、当ルームの指導内容を正確に理解して
   実行してみようという意欲と柔軟性(この柔軟性は、特に重要です)がある。




受講生 D 様        レッスン開始日 平成15年 2月 5日
              レッスン受講回数 7回  レッスン累計時間 10.5時間


(声をいただいた日 : 平成15年 5月22日)
こんにちは。いつもお世話になっております。
無事、〇〇〇〇〇から内定をいただくことができました。
練習なしで挑んだ一次、二次面接よりもかなりリラックスして話すことができたよう
に思います。
また近い内に利用することになると思いますがその時はまた御指導の程よろしくお願
い致します。
それでは失礼いたします。本当にありがとうごさいました。

ルームコメント

 就職活動で内定を獲得した喜びのメールです。面接の前日、面接の特別レッスンを
当ルームで受け、面接に臨みました。名前の発語に難点を持っていましたので自己紹
介での名前の発語のポイントを丁寧に指導しましたが、良い結果につながり、当ルーム
も大変うれしく思いました。内定先も日本を代表する有名企業で本人の能力を正当に評
価されたものです。


受講生 C 様        レッスン開始日 平成13年 5月13日
              レッスン受講回数 37回  レッスン累計時間 55.5時間


(声をいただいた日 : 平成14年11月22日)
昨日はどうもありがとうございました。
今日の号令、なんとか上手くいきました!二回は少し詰まりましたが、あとのは完璧!
成功したのはどちらとも始業のほうでした。終業のときは始業が成功したんだから言え
るはず、とか余計な雑念が入ってしまったきがします。やっぱり頭カラッポが一番です
ね。どうもありがとうございました(^O^)/


ルームコメント

 授業で号令の当番が回ってくると緊張するものです。”きりっつ、きょうつけ、れい”
これを、代表して発声することも吃音という言葉の問題を持っていると不安になります。
前日、この号令の特別レッスンを行なって、細かいポイントも指導して実行していただ
きました。結果、”なんとか上手にいきました!”という報告を受け、安堵いたしました。
こういうものは、”なんとか”で、十分なのです。このような小さな成功体験が自信を
育てていくものです。



受講生 B 様        レッスン開始日 平成14年 5月17日
              レッスン受講回数 5回  レッスン累計時間 5時間


(声をいただいた日 : 平成14年7月26日)
 前回の保護者会の話はおかげさまで60点ぐらいの出来でした。やっと合格圏内に
入ってきました。
 ありがとうございました。


ルームコメント

 当受講生は、幼児教育の仕事をしており、保護者会でたくさんのお母さん方の前で
お話をするときに、極度に上がってしまいしどろもどろになるという問題をかかえてお
りました。話し方を観察すると、直すべき点がたくさんあり、説明の上で当ルームの
話の進め方の方法を反復練習していただきました。その練習の成果が60点という
結果がでて、上出来です。話し方3割、内容7割だと思われます。話し方は、60点で
十分ですから、内容の方で80点を取れるように努力するをおすすめいたします。



女子大学生A 様    レッスン開始日 平成14年 7月 3日
         
レッスン受講回数 18回 レッスン累計時間 9 時間

                               

(声をいただいた日 : 平成14年10月31日)
私は幼いころから吃音の傾向にあり、その事に大きなコンプレックス
を感じていました。吃音になるのではないかという不安、そして嫌悪
感。話すことを諦めてしまい、伝えたいことを伝えられないもどかしさ。

改善ルームを利用し、それら全てが無くなったわけではありません。
しかし、吃音に対する気持ちが変わったことは確かです。ずっと吃
音と今まで付き合ってきたので、吃音が治るとは思っていません。
もう私は一生このままなのだと、半ば諦め状態で、これからも人前
で話すという場面を少しでも避けて、人と話すことが大好きな自分
を騙し騙しやっていくのだろうと思っていました。

しかし、吃音が起こる原因や改善方法を指導していただき、話すと
いう行為に余裕を持つことが少しだけ出来るようになってきました。
特に、なぜ吃音が起こるかという仕組みを知ると、とても楽になり
ました。客観的に吃音症状について考えることで、吃音状態に陥っ
てる自分を冷静に見ることが出来るようになってきたからです。

まだ、テクニック的にはまだまだ練習が必要だと思いますがアル
バイトの接客でも、今まで一度も発語できなかった言葉が言えるよう
になったり、落ち着いて話をすることができるようになってきました。
また、吃音になってもあまり焦りや不安を感じないようになりました。
自分の吃音に対して神経質になり過ぎなくなった点はプラスになっ
ていると思います。

いつも電話指導でおっしゃっている「意気込まずに静かな調子で・・・」
を思い出し、これからも吃音と付き合いながら、少しずつ改善していけ
たらいいな、と思います。

 今後もご指導、よろしくお願いします。


ルームコメント
 
当受講生には、大変感心しました。かなり遠方にお住まいの方ですが、まず電話を入れて、
説明会の予約を取って当ルームへ一人で来られました。説明会で初めてお会いしても、人
見知りの傾向はなく、しっかりした態度は、勉学の他にアルバイトや地域活動への積極的
な参加によって培われた社会性の表れでもありました。吃音を持ちながら、初めての人に
直接電話でアポイントメントを取って、お会いして物怖じすることなく質問をしたり相手のお
話を聞いて意思決定を行なうことは、殆どビジネスパースンとして必要な基本的能力でも
ありますが、学生のうちからこの能力を身に付けていられることに感心いたしました。
レッスンの日程もきちんと計画的に考えて、お取りになるので、安心して見ていられます。



    更新日:2006/7/09     あなたは 番目のお客さんです .