さだまさしを聴き始めたのは母親の影響である。うちに「昼の歌謡曲」
なんぞを録音したテープが20本くらいあった。(グレープ時代の作品含む)
バリバリに(死語?)フォークを感じさせる暗い曲だけでなく、
なかにはさだまさしのトークを思わせるような楽しい曲、恋愛の曲、
家族愛の曲、などなど大変バラエティーに富んだ内容で正直驚いた。
何度も聴いているうちに、その言葉をきちんと噛み締めたくなり
「さだまさしギター弾き語り全曲集」を購入。ギターは弾けるわけ
ないのだが。全曲集というぐらいだから、とにかくたくさんの曲の楽譜と
歌詞が掲載されており、私の宝物となってしまった。
さだまさしの曲の中には、まるで台詞をしゃべっているかの
ように歌うものがいくつかある。さしずめノリの悪いラップとでも
言えばいいのだろうか。楽譜を見たら五線譜によこにずらっと16分
音符が並んでいて面白い。そんな一見単調な曲のなかにも
人を感動させたり、笑わせたりする曲を生み出せるのはすごいと感動
してしまう。
歌の内容を見てみても、それぞれの話が物語りのようになっている
ものが多い。歌詞を読むだけで、登場人物やその背景が鮮明に想像
できる。言いかえればわかりやすい。それゆえ感情移入しやすく、
聴く人を引き付けることができるのだろう。また、それぞれの物語の
主人公は少年であったり、青年であったり、おやじであったり、女性
であったり、様々で飽きることがない。
人生、生死、恋愛、時間の意味を深く追求するような曲もあり、
そんな曲を聴いているうちに「くよくよ細かいことで悩んでも
しょうがない」と思うことがある。逆にもっと暗くなってしまう
こともあるのだが。
さだまさしはスケールが大きいと私が思うアーティストの一人です。
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