★ 01.9.24◆スコーンの思い出・イギリスの思い出◆




全粒粉スコーンくるみのキャラメリゼ入り

18歳の夏、イギリスに生まれて初めての海外旅行に行った。 一人で海外に行くのはもちろん飛行機だって初体験だったけどちっとも恐くなかった し それはもうワクワク感で胸いっぱいだった。
イギリスの食事で 今も思い出すのは、新聞に無造作にくるまれたフィッシュ&チップスがやけに すっぱかったこととスコーンが美味しかったこと。 ロンドンから電車で出かけたヨークシャー地方のちっちゃくて可愛い町、 B&Bの窓から見えるのはヒースの丘とクリケットに興じる人々。 大都市ロンドンとは違う、本で見て憧れたイギリスの田園風景。 ロンドンでもスコーンは食べたはずなのになぜか想い出すのはその町で食べた スコーンの素朴な味。
さらに忘れられないのが、 インフォメーションで紹介してもらったB&Bのブレックファスト。 薄いイギリスパンにたっぷりのジャムとバター、卵にフライドトマト、ベーコン、 ウィンナ、 フルーツとヨーグルト、たっぷり紅茶は花柄のティーコージーがカントリーっぽい。 洗うの面倒だから、なんて、自宅では絶対使わないような食器類の数、 朝ごはんなのにきちんとセッティングされた食卓に、 簡素ではあるけれど主人のホスピタリティ、そして毎日の生活を、食事を大事にしよ うという敬意を感じた。 イギリスの朝はなんて豊かでお洒落なの、と感動したのを良く覚えている。

イギリスでの経験は、”一食一食をきちんと幸せに食べたい”という 想いの発端になっているようにも思う。どんな観光名所よりも たった一度の食事の風景のほうが鮮明に覚えていることがある。 あちこちで感動した食事の風景が今の私の食卓に何らかの形で反映されていて、 平凡な毎日の食事を幸せな時間にすべく、努力しているんです。 一日の終わりにケラケラ笑って食事ができる生活。 大事なものは日々の中にあるなぁと思う。

最近スコーンにはまっています。10年前の自分の姿、今こうしてスコーンを焼いてる自分、 いろんな事に思いを馳せてしまう食べ物のひとつ。


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