尾瀬 尾瀬ヶ原〜至仏山

尾瀬ヶ原から見る至仏山

富士、北岳、槍の登山三部作を終え、2年。
登山マイブームは去ったかに見えたが、どっこい、沸々と着実に次のネタを考えていたのであった。

2007年6月30日〜7月1日、今回は尾瀬を選択してみた。
日光から独立し、単独の国立公園になると言う話もあり、にわかに話題に上る場所。
子供に一度は見せておきたい、国内でも貴重な自然の姿のひとつだ。
本当は最低2泊位しないと尾瀬全域は回りきれないが仕方ない。
テント泊ステップアップのテストを兼ね、そんなにハードな山行でもないだろう
と言うことで、荷物は多めに担いでみることにした。


むやみに早起きしなくても、
当日は朝6時起床で十分間に合う。
自宅前で新車と記念撮影。
シェイクダウンとナラシを兼ねて出発!
戸倉駐車場に車を停めて
バスで30分ほどで鳩待峠に着く。
ゴミ持ち帰りは当たり前。ゴミ拾い運動が
行われていたので是非にと参加。
他に例を見ない環境意識の高さを感じる。
しかも、こういった環境維持活動は
近年に始まったことではない。


入山口にはマット。他地域の
植物の種子を防ぐためだそうです。
しばらく森の中を歩くと、
段々展望が開けてきて
一気に尾瀬らしくなってくる。
アヤメ平。
尾根なので吹き抜ける風が気持ちいい。
ここまでは最高!
富士見峠で昼食、見晴へのコースをたどる。
この道はもの凄いぬかるみで、
展望もなく、あまり尾瀬らしくないかも。
写真は取り損ねたが、見たこともないほど
巨大なカタツムリを発見。
   

今日の我が家はこんな感じ。
見晴(下田代)キャンプ場。
豪雪で崩壊した炊事場がなくても
水場も屋根も、トイレも照明も完備。
普段のキャンプと変わりません。
山岳地としては格別快適です。
小屋もたくさんある。
一般的な高山との最大の差は、
水が豊富にあること。
おみやげも売っている。


翌朝、天気も良好。
美しい緑の絨毯、尾瀬ヶ原へ。
やはり、山は夕方と早朝が特に幻想的な美しさ。
写真だけでは分からない、
空気と共に五感で感じる山の一日は格別です。
段々雲が晴れてきて、至仏山が
はっきりと見えてきた。
木道沿いは所々花が咲いている。
ミズバショウはすでにほとんど終わり、
ニッコウキスゲにはまだ早い。
所謂ベストシーズンではないかも知れないが、
素晴らしい景観であることは間違いない。
   

至仏山にチャレンジ。
6月までの残雪期は入山制限があるので
今日7月1日は事実上山開き。
30分ほどで早くも森林限界を超え、
今まで歩いてきた尾瀬ヶ原が一望。
向こうは尾瀬の盟主、
もう一つの百名山・燧ヶ岳。
僅かながら雪もあり、久々の涼を感じた。
都合100m位は雪の上を歩きました。
木道と岩場の続く急登はかなりキツく、
本格登山と言って差し支えないです。
ナメてかかってはいけません。
   

2時間ほどの登りで至仏山 山頂へ到着。
百名山・4つ目クリア!
山頂は人でごった返していた。
この後、下山して温泉に立ち寄り帰宅。

至仏山中腹より眺める尾瀬ヶ原、燧ヶ岳
一番上の写真と対応した反対(?)からみた風景です。

それにしても気になったのが、
あまりにも山をバカにしたような装いの観光客が多いこと。
ツアーもあるし、尾瀬ヶ原の木道を歩くだけなら幼稚園児でもOKで、
何事も起こらなくて、天気も急変しなければ、極論すればどんなカッコでも大丈夫だけど。
実際、キャンプ地でも、今までの山行で最も多くの子ども連れを見かけました。
学生さんのにぎやかな団体、小さい子供連れの一家・・・
知名度が高く、入山に関しては敷居が低いので、仕方ないかも知れないが
まるっきり町中と変わらない格好で歩くのはちょっとどうかと思うんだが・・・
もっと怖いのが、至仏山にぺらぺらのスニーカーで挑ませる親子。
高尾山だってもうちょっとマシな靴の方がいいんでは?と思うほどで、
端から見ると、かなり恐怖だ。これが、結構たくさんいた。
勿論、本格登山ルックの人もいた。でも、逆に浮いちゃうかもね。

総じて、コース取りは重要だ。
今回のコースの中では富士見峠から見晴の間は予想以上にきつかった。
木道を歩いていると、大地主でもある東京電力のマークが目に付く。
毎年ものすごい労力と費用がかかっていることは想像に難くない。
電気代を払っている身としてはモト取ったかな(?)という気にもなる。
アヤメ平に行ってみたかったのでコース選択としては後悔はしていないが、
鳩待峠を入れた場合、どうせ戸倉からのバスが必須だし、大清水の方から入山し、
東側の景勝地である尾瀬沼も回ってくるコースも良かったかなと思う。
将来のために燧ヶ岳とセットでとっておこうかな?などと考えている。

野口健よろしく、ゴミ拾いに参加し、結果2つのゴミを回収しました。
これは自己満足かも知れないが、とても良いことをしたような気になる。
本来は尾瀬にいるときだけでなく、いつでもどこでも同じ気持ちになることが肝心だ。
人間一人の力は小さいけれど、一人一人が始めなければ何も始まらない。
まず行動することが大事なんだとよく分かる。
入山するほとんどの人が参加している様子でした。
エントリーすると回収用のビニール袋と記念品のワッペンなどがもらえる。
しかし、実際は木道部分にはまずゴミなどない上に、あっても回収は困難でしょう。
やはり、気持ちが大事です。

テント泊は全く問題なくこなせました。
要するに、駐車場からサイトがめちゃくちゃ離れているキャンプ場だと思えばよい。
至仏に行くのをやめていたら、キャンプコーナーにアップしようかと思うほどでした。
もっとも、山岳としては相当設備の整ったキャンプ地で、天候も問題なかったので
実際に過酷な条件だった場合ではどうなるかわからないけど。
荷物に関しては、私的には重さ自体は思ったほどの負荷アップではなかった。
ザックの善し悪しの方がよほど重要な差となるだろう。
長男の方は、体力的には全く問題なかったが、やはり歩きにくさは否めない。
ザックのサイズが大きすぎて合ってなかったせいもあるが。
また、靴をきちんと履くことが出来ていないと、せっかくの靴も意味なし。
ペース配分や歩き方そのものも、もうちょっと工夫の余地ありだった。
また、今回は虫除けや虫さされ薬を忘れたのが痛かった。
よりによって半ズボンだったから刺されちゃって・・・

食事は、今回はフリーズドライのアルファ米を中心に組み立てて
牛丼、五目ご飯等とスープで、夕食と朝食にしました。
パッケージゴミは出るけど生ゴミが皆無で、軽量、皿洗いも最小限で済む。
コーヒーと非常食もあると安心で、行動に厚みが出て満足度もアップすると思う。
お昼は通りがかりの山小屋で済ませ、水をこまめに補給しました。
チョコなどの行動食は登山中に食べると、もの凄くおいしいし元気が出る。
フリーズドライ食品は軽量でおいしくなってきているとはいえ、
連続で食べるとやはり味気なく、カップ麺もかさばるけど味的に捨てがたいと感じた。
思い切って、夕食を山小屋に頼んでしまうのも一案で、
荷物の軽量化と食事面のクオリティアップの一石二鳥かと思った。

欲を言えばきりがないけど、天候も予報より好転し、
十分満足のいく2日間を過ごせました。

                          2007年7月2日作成
                          2007年7月9日追記


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