ROAD TO 大阪 最終日と感想
11日目(最終日)
2006年8月15日、今日はお昼の新幹線に間に合えば
後はどうでもいいので、チェックアウトギリギリまでホテルに滞在。
新大阪に移動し、まだ食べてなかったたこ焼きを食べて時間調整。
指定席なのでお盆でも関係なく余裕たっぷり。


最終日と言ったって、
実際はただ新幹線で帰るだけ。
8日間掛けて来た道のりが
僅か2時間半で早巻き戻しのよう。
駅弁を食べて、うとうとしていたら
あっという間に着いて、懐かしの東京へ。
現実世界に引き戻される瞬間。

感想・あとがきに代えて

トータル走行568km。
よく走ったなあ。
途中、ロードレーサーの集団に抜かれたり、励まされたりもした。
マイペースを保ち続け、平地で平均して時速20kmちょっとだったろうか。
だいたい1時間おきくらいにコンビニなどで休憩し、水分は随時遠慮なく補給。
昼と3時にはファミレスで長休憩。だいたいこんな感じだった。
気温は37℃になることもあったが、朝早くと夕方はやはり涼しくてラクに感じた。
食事も、カロリーを(多い方に!)気にして遠慮なく摂ったおかげ(?)でバテなかった。
結果論的に、一日の行動量としては今の我々のレベルでちょうど良かったと思う。
周囲の人たちは私たちがもっと疲れ切っているのではと思っていたようだが、
どっこい、意外や普通の状態を維持していたのであった。

ディスカバー・ジャパン。
外国も良いけど、まず日本を知ることの大切さが重要視されるようになって久しい。
日本だって十分すぎるほど広く、多様性に富んでいる。
今回はさーっと流してみたようなものだけど、それでも見所は溢れんばかり。
本当は、せっかく行くのだから・・・という場所は無数にあった。
しかし、時間の制約もあるので全てを見ることは出来ない。
1年くらい掛けて実行したら全然違うものになるんだろうなあ。
もっとスローな旅にもあこがれないではない。


旅を終えてみて、感じることはいつも一緒。
目標達成できた喜びと安心感、
それと裏腹に楽しい時間が終わってしまう寂しさ。
今回は期間も長く、やることも大きかったので感じ方もひときわ違う。
いろいろな意味で、今年は久しぶりに「夏」を感じることが出来た。

長男には、私のわがままにつきあわせてしまい、
こんなことに巻き込んでいったと言う側面も否定できない。
しかし、まだ9歳(ただし月末には10歳)の小学校4年生でも、
頑張れば大阪まで行けるんだということを証明した事実は大きいし、
100%自分の力だけで自走で行ったという経験も消えることはない。

旅の始まる前からずっと体調不良を起こすこともなく、天候にも恵まれ、
台風もうまくやり過ごし、暑さだけはどうしようもなかったけれども、
大きなケガも事故もなく、無事に完遂できて本当に良かった。
家族にも心配を掛け続けていた。
義父母にはお守りまでわざわざ買ってきていただいてしまった。
こんな長い期間、妻や娘と離れていたこともない。
特に娘には淋しい想いをさせてしまったようだ。
かように、周りのサポートも忘れるわけにはいかない。
逆に、こんな長い時間息子とベッタリだったこともない。
いままでも、これからも、もうできないかも知れない。
このようなことが出来た自分は幸せだったのかなとも思う。



今回ツアー中の私の自転車はこんな感じ。

リアサス付きなので、
シートポストに付けるタイプのキャリア。

ちなみに持ち物は
フロントバッグに
 ガイド本と地図、財布、カメラ、携帯、ハンドタオル、日焼け止め、鍵、レインカバー
リアバッグに
 着替え、長男に書かせるための日記帳と筆記具、雨具2人分とシューズカバー
 予備チューブ2台分の各1本、ポンプ、パンク修理セット、携帯用工具
 ファーストエイドキット、ハンドタオル、めがねケース、携帯充電器、歯磨きセット
 レインカバー、各ホテルの予約メールのコピー、ほか

着替えは、着用していた物も含めてそれぞれ
 半袖シャツ3、長袖1、レーサーパンツと普通の短パン各1、靴下2、パンツ2
また、道中で靴下1づつ、エアーサロンパスなどを追加購入しました。
洗濯はコインランドリー利用で、洗剤は現地調達。


今回は最後までパンクとは無縁だったのでチューブやパンク修理セットは
使わなかったが、他は雨具まで全て使うことになった。
やはり、長期の旅行は何があるか分からないので、
雨具はどんなに邪魔でも持っていておいて良かったと感じた。

実は、初日、長男が歩道乗り上げに失敗して転倒したことがあった。
今から考えれば、これがこの旅で最大の危機だったかも?
しかし幸運にも、擦り傷少しで済んだので絆創膏貼っておしまいでした。
それが、汗ですぐ剥がれちゃったので、あまり有効ではなかったかも知れないが。
ファーストエイドキットが真っ先に使用されることになるとは思わなかった。

私たちはロードレーサーと違って車道をずっと走っているわけではない。
安全面を重視すると歩道走行を心がけたいところだ。
しかし、歩道は車道との間の段差を始め、凹凸が多く、走りづらい。
突然階段になってしまったり、本線と離れあらぬ方向へ行ってしまうことも・・・
インターロッキングも見た目には良いが、手に来る振動はかなりのもの。
車道に降りると、あまりにスムースに走るのでずっとこのまま行きたくなる。
場所によっては路肩部分が狭かったり、却って路面が荒れていたりすることもある。
基本的には片側2車線だと余地が狭く、自転車には適さないが、
1車線なら十分な余地があり、無理に歩道を走らなくてもいいことが多いと感じた。

つまり、マウンテンバイクでの遠乗りは本来的な用途からは当然はずれていて
向いているとは言い難いものの、歩道を走るという前提で考え直すと
非常に向いていると言える。ちょっとした段差などでも気を遣わない、
太いタイヤの乗り心地の良さや耐パンク性はロードの比ではない。
これらのことからも、2台ともタイヤを細くしすぎなかったのは正解だったと自負している。

私は、着座姿勢から長男のお尻が痛くなるのではと心配していたが、
パッドとクッションのおかげでそれは大丈夫だったようだ。
それより、2人とも、手の方がしんどかった。
歩道走行は、長時間強い振動にさらされることになるので手には負担だ。
これは甘く考えていた。せめて、バーエンドでもあれば違ったかも知れないが、
今まで必要だと思ったことがなかったので、今回の事前準備でも考えていなかった。
カーボン製のハンドルバーは高価だけど、振動吸収効果はどれほどあるのかな?
今度もし長距離に行くならこれは考えなければ。

普段の長男を見ていて、今回くらいの配分なら行けると思ったし、
実際行けた訳だけど、自転車に対する感覚は乗る人と乗らない人とで全く違う。
また、ママチャリと高価なチャリの差は乗ったことがある人でなければ
分からないと思うけど、長時間乗るなら、天地の差。
距離にしても、10kmも乗ってくれば「ずいぶん遠くから・・・」
なんて言われるのが普通の感覚であろう。
今回の計画や結果も、人に話すとまず驚かれる。
しかし、日常的にサイクリングしている人なら、東京から大阪といえども
「ふうん」程度で済んでしまうこともある。
それでも、小学4年生がとなれば話は別。
ここまでやってる人は、なかなかいないであろう。

長男は今回、意識したかしていないかはともかく、頑張ったと思う。
良い経験であったことは間違いない。
親としては、良い思い出になってくれればそれで良かった。
別に、サイクリストになって貰いたいわけでもない。
山登りやスキー同様、たまたま自分の得意分野でならつきあえるので
いろいろな世界の入り口を見せてあげられるものだけ見せているに過ぎない。
後は自分で選んでいって欲しいと考えています。

私たち父子の鉄人伝説としてこの結果自体は記憶として残るでしょう。
それだけでも、チャレンジした甲斐はあったというものです。
ここまでの大型企画はもう無理かな・・・

                             2006年 8月22日作成
                             2012年11月12日更新


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