宮之浦岳縦走 友人と
2013年3月18、19日
今回は友人2名と合わせて、3名のパーティー山行となった。
前日の17日に屋久島入りして、ガスカートリッジの購入および登山弁当とタクシーの手配を行う。
屋久島は以前からたいへん興味のそそられていた島で、ついに念願かなっての上陸になった。
標高1936m、日本百名山というだけでなく、世界遺産。


36人乗りのかわいい飛行機
飛行場から安房まではタクシーで15分ほど
とってもローカルで安心(?)
ちょっぴりトロピカルな雰囲気は気のせい?
今日のお宿の屋久島グリーンホテル
の近くの寿司屋さん、いその香り。
なかなかおいしかったですよ〜


白谷雲水峡 登山口
5:45ころにタクシーで到着し、
真っ暗な中、さっそくお弁当を食べて
明るくなるのを待って6:17出発!
折角来たのだからと原生林コースをチョイス。
この雰囲気はまさに屋久島のイメージそのもの。
名もない巨木、苔むす森・・・
雨もまたよきかな。


縄文杉 12:38
王者の風格はさすが。
すぐそこの休憩小屋でお昼の弁当。
その後、新高塚小屋に14:30頃着。

なお、雨でコンデジが逝ってしまったので
トロッコ道などの写真はなく、
ここからはスマホの写真のみです。
雨の中無理やり撮ったのでピンボケ・・・
翌朝、やはり明るくなるのを待って6:12出発。
夜の星空同様、朝焼けがとても美しかった。
早い人たちは3時ころから行動開始していたけど、
ヘッドライトで登るのは遠慮したい。


ヤクシカのお出迎え
山中にたくさんいて、まったく人を恐れない。
害獣として駆除しているらしいが、
いっそのこと、シカ料理を名物にしたら?
昨日とはうって変わって超晴天!
グイグイ高度を上げて行くに従い、山岳風景に。
この縦の変化を楽しめるのが屋久島の
いいところであり、世界遺産の理由でもある。


8:53 山頂に到着
ちょうどツアーの方たちと一緒になったが
その後私たちだけの時間もありました。
誰かいれば写真撮ってもらえるから、いいか。
360度素晴らしい眺望
今、私は九州一高い所にいる!
島だけに、周り全てを見下ろす感じ。
頂点に立っている感は格別なものがあった。


淀川小屋の前の川
異常なまでのきれいさにうっとり。

14:30頃、淀川登山口に下山。
バスもあるけどタクシーでホテルに移動し、
温泉に立ち寄り、空港へ。

結果として、2日とも8時間半の行動時間でした。
初日は主に雨のため、2日目は主に疲労のため、自分としての当初予定をオーバーした。
多少行動時間が増えるのは、3人の経験や体力にバラつきがあるのでやむを得ないところ。
まあ、時間的にはバッファの中に納まったから最終的には問題なかった。
それにしても、初日は嵐のような雨で、自分の登山史上最大に降られました…

人数が多いと心強いし、小屋での食事やお酒も楽しさ倍増だ。
「3人寄れば」って奴で、小屋での自炊、ラーメンやコーヒーもまたうまい。
ビール一人500ml、焼酎3人で1200mlも完飲。苦労して担いでいった甲斐があった(?)
ちなみに、3月の平日にもかかわらず、小屋は定員まであと少しといった感じでした。

今回、当初は実行したものとは逆回りコースの想定だった。
初日は淀川口から登頂して新高塚小屋まで、2日目に縄文杉を通って雲水峡に降りるプラン。
登山口の標高が高い淀川からスタートしたほうがラクだと思ったからだ。
また、このコースなら、屋久島の主な見どころを結構網羅できるかなと。
レンタカーでは縦走できないし、3人であれば、タクシー移動もそんなに割高ではない。
目的地にダイレクトに行けて、時間の自由度もバスとは比較にならない。

ところが、1日目雨、2日目晴れの予報。
いくら雨はもとより覚悟の屋久島といえども、翌日晴れの予報であれば
雨の中登頂を果たしてもつまらないかと思い、土壇場で逆回りへ計画変更した。
当初予定に比べ2日目が多少長くなるがこの天候では、やむを得ないかと。
そして1日目、雨の中の苔むす森もまた風情があってよろしい。
っていうか、むしろ良かったんじゃないかと思えるほどの雰囲気でした。
2日目は快晴!まさに絶景。文字通りの360度パノラマを堪能。
下山コースは、雨が上がっているのにまだ沢登りのようになっている個所もあって、
もし雨の中ここを登っていたらかなり大変だっただろうと思った。
計画変更して本当に良かった。
2日間で屋久島を味わい尽くしたんじゃないかと思えるほどの濃密さでした。

「生命」ってなんだろう?
歩いていてふと感じたこと。
動物であれば、個体の数を数えることは比較的容易。しかし、植物の場合はどうか?
接ぎ木であったり、合体木であったり、根がつながっていたり
明確に個体数を勘定することはできないであろう。
そうだ、木には「ATフィールド」などないのだ。
私たちは、「木が何本」というように考えがちだが、実はそのように数えることはできない。
いうなれば、島全体で一つの生命とでもいうべきなのだ。
もっと言えば地球全体、いや宇宙で一つなのかもしれない。
逆に細胞一つ一つが独立した生命といえるのかもしれない。
周囲130qのこの島は確実に一つの小宇宙を形成していて、完結した世界がある。
変化に富んだ、美しくも儚い、しかし力強い自然の姿を存分に見せてくれた。
そう思うと、一歩一歩足を進めるたびに足裏から何かが流れ込んでくるような錯覚さえ覚えた。
しかし、私が見たもの感じたものは実際のところ、全体からすればほんのわずかなものであろう。
その垣間見たものを増やすべく、また来たくなるのも自然な感覚だと思った。

ホテルの人たちも、タクシーの運転手さんも、一様にホスピタリティを感じた。
商店街の人も、空港職員も、みな気持ちいいくらい親切で、
とても助かったことも多々あるし、何より気持ちがうれしかった。
島は観光で成り立っていることを意識していることもあるのだろう。
確かに、都会的サービスはないし、スキルも落ちるかもしれない。
でも、そんなことはここでは全く求められていないし、必要でもない。
他にもこういう所はあるだろう。しかし、色々な魅力トータルのレベルの高さは相当なものだ。
屋久島が人を引き付ける理由の一つが、ここにもあると信じる。


                          2013年3月27日作成


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