ANGRA

 ブラジルの秘宝ともいうべき芸術点・技術点ともに高いメタルバンドであります。ヘヴィメタルにクラシック、ジャズ、民俗音楽、ラテンポップスなんかを練り込んだ優美さをも備えた音楽を奏でてます。
 名盤『Theatre of Fate』(2nd)で名を馳せたVIPERを脱退し、クラシックに専念していたアンドレ・マトス(Vo.&Key.)を、同じ音楽大学に通うラファエル・ビッテンコート(G.)が誘う形で結成。他のメンバーも実力者揃いで、特に新世代のギターヒーロー(なの?)、キコ・ルーレイロさんがギターキッズの心をがっちり掴んだ様です。リズム隊もかなりの手練れってカンジ。
 バンド名はなんでも火の女神からとったということですが、なにせブラジルの神さまなんで詳しくは知らないっス。アルテミスとか天照大御神みたいなモノなのカシラ?と思ってはいるのですけど。メンバーに直接聞けば良かったなあ。軍神とか邪神とかじゃなくて女神ってトコロもこのバンドの音楽性を物語ってるような気がします。あと注意すべき点として、カタカナ表記はすべからず、です。アングラって書くとUnder Groundの略みたいで字面悪いんだもの。
 因みにこのANGRAは日本のみならずおフランスでも大人気。ときどき唐突に裏返る中性的?で繊細(貧相?)なマトス氏のハイトーンヴォーカル、流麗かと思えばジャジーだったりもするキコさんのギター、クラシックの作曲法に裏打ちされた優雅なメロディ、トライバルな捻りの効いたリカルド&ルイスのドラム''ベースなどなどがお洒落さん気取りのパリジェンヌどもの琴線にもびんびんらしいです。つーか、最近彼等の心は完全に日本からフランスへ向いちゃってるかもしれません(涙)。

 個人的にはアンドレ&ラファエルとお食事、という幸運極まりない体験もしちゃったし、もー、一生付いてきますぜ!


ANGELS CRY1st

 HM史上に燦然と輝くウルトラ必殺チューン"Carry On"を擁し、日本全国20万人のメタルキッズをコテンパンにした1stアルバム。ジャケットも薔薇たずさえた天使像(女神像?)が描かれてて綺麗。このページの配色もこのジャケを意識しておりマス。クラシック音楽への入れ込みようが旋律のパクり大々的な導入から伺い知れます。

 まずシューベルトの『交響曲第7番:未完成』を全面的にフィーチャーした1."Unfinished Allegro"で厳かに始まり、2."Carry On"傾れ込みます。イキナリもうアルバムのクライマックスです。シンフォニック度も疾走感もキャッチーさも申し分ございません。全面的にベースがドラム並みにだかだかいってるトコもやたらカッコいいです。歌詞は「人生頑張ろうぜー」って内容なので、凹んだ時に聴いて唄えば精神昂揚・抗鬱効果デス。この曲でぐっ、とこない人。アナタは所謂メロディック・パワー・メタルとは御縁がなかったと言うことでお引き取り願いまする、という試金石でありましょう。
 続く3."Time"イントロの美しいアコギのアルペジオが火照ったカラダを鎮めてくれます。ここまでの一連の流れは実にお見事。・・・この曲自体は割と聴き飛ばしているので、ラストに時計のかちこち音が入っていることに今回こうしてレビュー書いて始めて気が付きました。<ファン失格
 4.タイトル・トラック"Angels Cry"はプログレッシブな展開を持つ曲で、中間部のオリエンタルと言うか呪術的で妖し気なパートからパガニーニの『奇想曲』のフレーズへ繋がるあたりはANGRAにしか出来ない芸当だと思います。第3世界の子供達について詠ってるとのことですが、ライブの時なんかそんなこと誰も気にしちゃいないし。 ところで、コーラス部「えーんじぇーずくらーい〜ん、きゃーんてーくのもー」のcan't take no moreって英語間違ってないスか?>二重否定すなわち肯定でわ? マトスって6ヶ国語あやつるインテリさんらしいから、誤植カシラん。でもラテン系の言語って二重否定なんて几帳面な概念ないしなぁ。
 5."Stand Away"もアコースティック率高めなぱわー・バラード?(こんな言葉ねぇよ) 個人的に思い入れ特に無し。スマン。
 民俗音楽要素が強く、結果的に2ndアルバムへの伏線だったのが6."Never Understand"。でも何故かカイ・ハンセン、ダーク・シュレヒター(GAMMA RAY)、サシャ・ピート(HEAVENS GATE)がジャーマンメタル勢大集結でゲスト参加。アウトロのギターソロってトコがとってつけたようでもあるんですけど(笑)。
 7."Wuthering Heights"はケイト・ブッシュのカバー。マトス氏が彼女の大ファンらしく、イイかんじに仕上がってます。原曲は日テレの「恋のから騒ぎ」でかかってますね。これだけガンマ・レイの当時のドラマー、トーマス・ナックが叩いてます。
 8."Streets Of Tomorrow"はHM然とした曲。でも地味。ANGRAの数ある名曲と比較すると捨て曲扱いかも。初期の頃はライブでもよく演ってたみたいですけど。
 9."Evil Warning"はいきなりコーラス(サビの意の)から始まるという組み立てが斬新なクラシカルかつ疾走の代表チューン。途中タンゴっぽいパートやビバルディ『四季』冬(たぶん)のメロディーが登場。ええ曲だス。仕上がりにはちょっくら不満があるのではありますが、そいつは次のEPで解消するのです。
 ラストの10."Lasting Child"は2部構成で、優雅なインストゥルメンタル"Renaissance"でアルバムは静かに幕を閉じ、安らかなる余韻が残ります。この美しき小曲で「アンドレ・マトス単なるクラシック盗用野郎」説を真っ向否定だい。

 点数付けろって言われても困っちゃうよ。とりあえず100点であと余った点は次回以降に繰り越しってカンジ?


EVIL WARNINGEP

 1st"Evil Warning"の仕上がりには彼等(というよりアンドレ)自身納得が行っていなかったらしく新たにヴォーカルを録り直したのがこのEP(ええ、EPのはっきりした意味は知りませんとも)。曰く『ANGELS CRY』レコーディングの一番最後に"Evil "を録ったらしく「ヴォーカルに新鮮味が欠けてる」と。私自身は1stのはバックコーラスの声がなんか野暮ったく、キーボードの音がもたーっとしていまいちキレがないなぁと思っていたので、この新バージョンは大歓迎。あと"Carry On""Angels Cry"の両曲もアレンジを変えて収録。全体的にキーボードの音が上がってシンフォニックになっていますがその分ちょっとベースが小さいかなと言う気はします。ドラムも変えたみたいです。"Angels "はパーカッションやらアコースティックギターが追加(復活)され、デモ・バージョンに近くなっていて、個人的にはこっち好き。
 以上必殺曲3つと「嵐が丘」のシングル・エディット・短いだけバージョンの4曲入りの日本限定盤です。ファンならば持っといた方が良いでしょう(当たり前ですけど)。初回はTシャツ付き(オイラは持ってねっス)。


HOLY LAND2nd

 1stでジャーマン・メタルの新旗手の座に就いたと思わせたANGRAですが、2ndでは完全なブラジル・ラテン路線で来ました。南米大陸のコンセプト・アルバムです。なんでもブラジルの田舎の農場で4ヶ月の合宿張って曲作りしたとか。1stはメタル史上屈指のアルバムでしたが、この2ndは音楽史上に残る作品です。いやマジで。例えばクイーンズライチの某アルバムなんて目じゃないと思うんですけど。中学校の音楽の授業の世界の音楽鑑賞などで聴かれるに値するのでわ?? 誰か教育実習でやってみ。

 最近ディスクユニオン等の輸入盤店でヨーロッパ(ドイチュ?)盤だかなんだかの『ANGELS CRY』と『HOLY LAND』のカップリングでお値段据え置き(3000円弱)というお買得度300%盤を目にします。つーか抱き合わせの意味が分かっていません。片っぽだけで日本で20万枚売れるアルバムですのよ。両方持ってない方は圧倒的にこれをお買い求めれッ!!

 1.イントロの"Crossing"は、教会から流れてくるルネッサンス期の音楽(パレストリーナ)を初めてアメリカ・インディアンが聴く情景を、また続く波の音で白人到来を表しているそうなのですが、不勉強な自分はパレストリーナの曲って1つも知らないであります。
 2."Nothing To Say"はその名の通りなんの文句の付けようがない名曲です。もはや神曲の域。リフやら展開が実に斬新だと思うのです。メタルでサンバやってるだけジャン、などというケチは却下。アグレッシブ(ANGRAにしては)なリズムが、侵略者スペイン人が原住民を狩りまくり暴虐の限りを尽くしている様を目に浮かばせます。
 3."Silence And Distance" 静と動の対比が見事な展開の曲。ありふれた表現ですけれど。海のことを詠っているそうです。始まりと終わりのピアノ弾き語り?がイイ。
 4.大作"Carolina IV"は船の名前。なお原題は"River To The Sky"だった模様。ブラジルはバイア地方のオロドゥンなるリズムではじまり、大海原を突き進むような中間部、オーケストラルなパートも加わり、最後はブラジリアン・リズムで幕を閉じる。とにかくこのアルバムのここまでの流れは圧巻です。3.の"Silence And Distance"と似た雰囲気なので、ライブで混ぜて演奏されてもまったく違和感がなく、最後になるまで気が付きませんでした。
 5."Holy Land" タイトルトラックはエスニックで美しい南海の孤島のような(どんなだ)曲。幾重にも重なる静かなピアノ、本物のフルートの調べ、パーカッションのリズム。
 6."The Shaman" ホンモノのシャーマンの声の入った妖しい雰囲気を纏った曲。
 7."Make Believe" 鼓笛隊のようなドラムやらハモンドオルガンを使っていたりとメルヘンチックな秀曲。
 8."Z.I.T.O." タイトルの読み方、意味共に不明。プロモーションの際に「日本語にも在るよね?じと〜、って」とかゆっていたので一応そんな感じに読んどけば良いみたい。意味は分かった人がいたら何かあげるとオフィシャルページにも書かれてるし、そう言って笑ってたりもしてたのでなんかおフザケの頭文字じゃないのか、と予想。このアルバムの中では一番直線的なスピードメタル。中間部の荘厳な鍵盤旋律が新日本プロレスの天山広吉の入場テーマのイントロ部に似てるんですけど、って誰もわからないですね。ちぇ。
 9."Deep Blue" 壮大な感じのバラード。歌詞共にアルバムも終焉に近付いていることを感じさせる。キコ(多分)のギターが鳴きまくり。
 10."Lullaby For Lucifer" タイトルはララバイにルシファーとなんだか凄そうなんですが、実際の曲は波の音、海鳥の鳴き声をバックにアコースティック・ギターオンリー。静かに終わりを迎えます。実に結構なアルバムでございました。

 日本盤ボーナストラック11."Queen Of The Night"1st前のデモに入っている、ANGRAとして最初の曲らしいデス(キャリオンじゃないの?)。曲名自体はモーツァルトの『魔笛』の一節と関係があるみたいなんですがね、あんまクラシカルではないです。余計だ、と言う人も。


FREEDOM CALLMini

 『HOLY LAND』の延長線上にあるミニアルバム。これも初回盤はTシャツ付き。今でもときどき見かけることがあります(売れ残ってる!?)。これと次の『HOLY LIVE』のカップリング盤(輸入盤)もありますが、これは納得。

 1."Freedom Call" トライバル路線継続で、彼ら以外には創れないであろうオリジナリティーの高い曲ではあるんだけど、ちょっとメロディーが弱く、盛り上がりに欠けるような・・・。
 2."Queen Of The Night" 前作のボーナストラックだったので日本以外のリスナーには初のお目見え。キーボード・オーケストラパートが増している。大して好きな曲ではなかったけど、聴き返してみると結構いい感じかも、と思った。
 3."Reaching Horizons" 1st前のデモ、『REACHING HORIZONS』に収められていたバラードです。メタルにおけるバラードというのは得てしてリズムが単調でおとなしいだけ、となりがちなのですが、この曲は本当に完成度が高く、大好きな曲です。この曲はラファエルの書いた曲なのでアコギは全部ラファエルが弾いてるのかな??
 4."Stand Away" オーケストラ・ヴァージョン。もともと録ってあったアコースティックギターにサンプラーでオーケストラパートを加えたもの。
 5."Painkiller" このアルバムの目玉はこのJUDAS PRIESTの名曲「ペインキラー」のカバーではないでしょうか(プリーストのトリビュートアルバムVol.2にも収録されています)。そしてイイ出来です。もともとが超名曲だし。ロブ・ハルフォードになりきるためコーヒー2リットル飲んで気分をエキサイトさせてヴォーカルを録ったんだー、とアンドレゆってますが、えとね、コゥヒィってそういう飲み物じゃないと思うんですけど。いや、本場の人間の服用法だからそれが正しいのね。
 6."Deep Blue" これはただのエディット・ヴァージョン。


HOLY LIVELive

 実はコレ持ってない。


LISBONSingle
FIREWORKS3rd
LIVE ACORSTICLive
RAINY NIGHTS(フランス盤シングル)

 『FIREWORKS』の日本盤ボーナストラックだったこの"Rainy Nights"は、98年のアルバム発売当初からフランスでの翌99年春にシングルとしての発売が決まっており、「チクショウ、やっぱりフランスの方が恵まれてやがるうゥ!!」と私は悔しい思いをしておりました。で、同時にあまり出回らないであろう輸入盤を楽しみにもしていましたのよ。・・・えー、なんですか?この1.ラジオエディット2.アルバムバージョン3.インストゥルメンタルバージョンって。要は全ヴ同じジャン!! 手ェ抜きやがって、というかザマぁ見やがれフランスのリスナーども!! これ初めて聴くにしたって「えぇ!?」と思うだろ絶対。せめてアレンジ変わってればまだしも、元々がすげえ名曲って訳じゃないもの。どうしてもコレクション揃えたい人以外は買っちゃダメょ。



そしてANGRA20008月に分裂・・・
マネージメントの問題や音楽性の意見の相違などが原因といわれるが
FIREWORKS』以前にアンドレは脱退を希望していたという。
最早バンドとしてのケミストリーは失われていたに違いない。
FIREWORKS』の製作中、ラファエルはアンドレとは挨拶以外の会話は殆どなかったと語っていた。
あの2度目の来日公演の際のブラジリアンレストランでの二人の笑顔が忘れられない・・・
どちらの言い分も理解できるんですけどね・・・


VIRGO(アンドレ・マトス&サシャ・ピート)

 ANGRA脱退とは関係がない、と語るアンドレのソロ(デュオ?)プロジェクト。QUEENぽいとか本人はゆってた気がするのだが、ロック系を殆ど聴かない私にはよくわからない。マイケル・キスクのアルバムかHELLOWEENのカメレオンのような印象。あまり感じるものは・・・(や、メタルじゃないからね)。要は色んな事がやりたいのね、マトスって人は。

 脱退組のアンドレ・マトス、ルイス・マリウッティ(B.)、リカルド・コンフェソーリ(Dr.)はルイスの兄弟(兄か弟か忘れました)をG.としてSHAMANなるバンドを結成し、曲づくりやライブ活動を行っています。なのでこの趣味プロジェクトに過剰な期待はしていませんでした。息抜きで結構です。この路線で結構です。そのかわり、早ぅアルバム出さんか〜い!>マトス Rhapsodyのプロデュースは今まで通りにネ!>サシャ


REBIRTH4th

 全作『FIREWORKS』から待つこと3年。残されたキコとラファエルの2人が『ANGRA』の名を継承し、タイトル通りの再生を果たした・・・。3rdでは遠くに行き過ぎた、と原点回帰なサウンド(要はキーボードが復活)である。

 新ボーカルはSYMBOLSのエドゥ・ファラスキ。ハンサム。時折アンドレっぽい唱い回しを見せている(恐らく意識的に)。

 雄神のジャケットも神々しく、貫禄の漂う作品。現時点ではこのような感想です。('01 10/24

 さて暫く聴いた感想というか、実は当初は大して期待していなかったのです。いや、気にはかけていたんですけど、残された二人でどこまでやれるのだろう、原点回帰のクラシカルな要素も付け焼き刃な感じだったりするのではないか・・・?と。予習で聴いたSYMBOLSにもあまり魅力を感じなかったため、エドゥのボーカルもどうかなあ?とか、とかくネガティブな聴き方をしていたのでした。そうしてまず感じたのはアルバムの構成と曲が1stと酷似しているのでは?、ということ。2."Nova Era"="Carry On"4."Acid Rain"="Angels Cry"9."Running Alone"="Evil Warning"という風に。また"Unholy War""Carolina IV"に聴こえるし、どこか"ZITO"みたいなフレーズや"Speed"みたいなフレーズも飛び出すし。あとは前3作でほとんどやりつくしたんでしょうが、今作ではあまり目新しいものがない。やっぱもう限界なのかな?

 そんな非常に否定的なファーストインプレッションでしたが、ヘッドフォンで歌詞を見ながら聴いたところ、一変してぐっと来たのでした。やっぱり安っちいへっぽこコンポで聴くなんてミュージシャンに失礼だと実感。まずエドゥの歌唱力。アンドレを意識した唱いまわしはしなやかでかつ力強い。まさにブルース・ディッキンソンとアンドレ・マトスを足して二で割った感じ(エドゥは元々メイデンみたいなバンドをやっていたとかで、ブルース脱退後のアイアン・メイデン新ボーカリストの候補に上がっていたとのこと)。そしてラファエルの歌詞が心に染みたのです。この人昔から良い詞を書くのですが、今回はまったくの部外者の1ファンですら非常に辛い分裂劇があっただけに。「狂気の時間」と彼等が表現した失意と憎悪と悲嘆のそんな状況を乗り切り、新たなスタートを切ったわけで。そしてサンクスリストの最後のかつての仲間達への言葉を見た時、涙が溢れました。山手線の中でしたが(苦笑)。本当に別れとは辛いもので、しかし同時に成長の糧ともなるもので、個人的にも色々感じるものがありまして、ね。いや、"Nova Era"とかさ、"Carry On"とまでは行かないけれど悶絶チューンですし、これは来日が待ち遠しいよぅ!('01 11/4


RITUALSHAMAN 1st

 当初は『ANGRAより先にアルバム出すぜゴルァ!』と表明していたアンドレ・マトス率いるSHAMANのdebut作。といっても“Time will come”のmp3がかなり早い時期に公開されており、なおかつ“For tomorrow”と2曲はネット配信live映像中で聴けたので、デビュー!という感じはあんまりしない。ジャケットは奇しくもと言うかANGRA『Rebirth』を手掛けた方と同じだとか。基本的にはカッコイイんですが・・・、ジジイの顔をドーンとジャケに持ってくるのはどうかと思うよ。それともうちょいバンド名に工夫があってもよろしいのではないでしょうか。

 Victor主催のリスニングパーティーにて一足先に数曲聴き、非常に好印象をもっていました。なのでかなりプラスのバイアスがかかった状態で聴きました。もちました。Avantasiaを聴く限りなんだかますます声がダメになっていっている・・?という不安を持っていたのですが、むしろ声が出るようになっていました、アルバムも生演奏も。

 さて内容ですが、まずはアンドレの歌い方が変わりました。あの賛否両論というかどちらかというと非一辺倒みたいな裏返り声を封印。力強さを感じさせる声を今回は聞かせています。がやっぱり否定的な意見が出ますね。「声が汚くなった」などの。この人どうして叩かれがちなんでしょうか??。 1曲目のインスト“Ancient wings”は非常にダイナミックな映画サントラ風。是非ヘッドフォンとかで音量を上げて聴くことをオススメします。そして2.“Here I am”ヘ。過去のキラーチューン程の殺傷力はありませんが、「うし!」と拳を握り締めたくなります。3.4.もなかなかの佳曲。5.“Time will come”はSHAMANの代表曲となりそうですが、アレンジに不満アリ。mp3配布のデモ時に鳴り響いていた鐘の音が抑え気味にナッテイルノデス!!そりゃねーよー。あとクワイヤの「Never be the same...」の部分がかなりへにゃへにゃで迫力ありません。ドラムのリズムとかカッコイイだけに惜しまれます。鐘が。10.の“Pride”はストレートなメタルチューン、というかやっつけ仕事とまではいわないもののあまりに工夫がないような気がしますよマトス先生。Edguyのトビアス若様と共演しているのですが実はあんまり声の区別がつかない私。Albumの雰囲気ぶち壊しとまでは言いませんよ。Edguyのalbumに入ってたら多分album中のベストチューンて感じだし。ちょっとアルバム後半が弱い気がしますが、個人的にはANGRAの『Rebirth』よりも好き。早く来日公演してください。そんでVIPER演って下さい。