ANGRA ブラジルの秘宝ともいうべき芸術点・技術点ともに高いメタルバンドであります。ヘヴィメタルにクラシック、ジャズ、民俗音楽、ラテンポップスなんかを練り込んだ優美さをも備えた音楽を奏でてます。 個人的にはアンドレ&ラファエルとお食事、という幸運極まりない体験もしちゃったし、もー、一生付いてきますぜ! HM史上に燦然と輝くウルトラ必殺チューン"Carry
On"を擁し、日本全国20万人のメタルキッズをコテンパンにした1stアルバム。ジャケットも薔薇たずさえた天使像(女神像?)が描かれてて綺麗。このページの配色もこのジャケを意識しておりマス。クラシック音楽への入れ込みようが旋律の まずシューベルトの『交響曲第7番:未完成』を全面的にフィーチャーした1."Unfinished Allegro"で厳かに始まり、2."Carry On"に傾れ込みます。イキナリもうアルバムのクライマックスです。シンフォニック度も疾走感もキャッチーさも申し分ございません。全面的にベースがドラム並みにだかだかいってるトコもやたらカッコいいです。歌詞は「人生頑張ろうぜー」って内容なので、凹んだ時に聴いて唄えば精神昂揚・抗鬱効果デス。この曲でぐっ、とこない人。アナタは所謂メロディック・パワー・メタルとは御縁がなかったと言うことでお引き取り願いまする、という試金石でありましょう。 点数付けろって言われても困っちゃうよ。とりあえず100点であと余った点は次回以降に繰り越しってカンジ? 1stの"Evil Warning"の仕上がりには彼等(というよりアンドレ)自身納得が行っていなかったらしく新たにヴォーカルを録り直したのがこのEP(ええ、EPのはっきりした意味は知りませんとも)。曰く『ANGELS CRY』レコーディングの一番最後に"Evil 〜"を録ったらしく「ヴォーカルに新鮮味が欠けてる」と。私自身は1stのはバックコーラスの声がなんか野暮ったく、キーボードの音がもたーっとしていまいちキレがないなぁと思っていたので、この新バージョンは大歓迎。あと"Carry On"、"Angels Cry"の両曲もアレンジを変えて収録。全体的にキーボードの音が上がってシンフォニックになっていますがその分ちょっとベースが小さいかなと言う気はします。ドラムも変えたみたいです。"Angels 〜"はパーカッションやらアコースティックギターが追加(復活)され、デモ・バージョンに近くなっていて、個人的にはこっち好き。 1stでジャーマン・メタルの新旗手の座に就いたと思わせたANGRAですが、2ndでは完全なブラジル・ラテン路線で来ました。南米大陸のコンセプト・アルバムです。なんでもブラジルの田舎の農場で4ヶ月の合宿張って曲作りしたとか。1stはメタル史上屈指のアルバムでしたが、この2ndは音楽史上に残る作品です。いやマジで。例えばクイーンズライチの某アルバムなんて目じゃないと思うんですけど。中学校の音楽の授業の世界の音楽鑑賞などで聴かれるに値するのでわ?? 誰か教育実習でやってみ。 最近ディスクユニオン等の輸入盤店でヨーロッパ(ドイチュ?)盤だかなんだかの『ANGELS CRY』と『HOLY LAND』のカップリングでお値段据え置き(3000円弱)というお買得度300%盤を目にします。つーか抱き合わせの意味が分かっていません。片っぽだけで日本で20万枚売れるアルバムですのよ。両方持ってない方は圧倒的にこれをお買い求めれッ!! 1.イントロの"Crossing"は、教会から流れてくるルネッサンス期の音楽(パレストリーナ)を初めてアメリカ・インディアンが聴く情景を、また続く波の音で白人到来を表しているそうなのですが、不勉強な自分はパレストリーナの曲って1つも知らないであります。 日本盤ボーナストラック11."Queen
Of The Night"は1st前のデモに入っている、ANGRAとして最初の曲らしいデス(キャリオンじゃないの?)。曲名自体はモーツァルトの『魔笛』の一節と関係があるみたいなんですがね、あんまクラシカルではないです。余計だ、と言う人も。 『HOLY LAND』の延長線上にあるミニアルバム。これも初回盤はTシャツ付き。今でもときどき見かけることがあります(売れ残ってる!?)。これと次の『HOLY LIVE』のカップリング盤(輸入盤)もありますが、これは納得。 1."Freedom
Call" トライバル路線継続で、彼ら以外には創れないであろうオリジナリティーの高い曲ではあるんだけど、ちょっとメロディーが弱く、盛り上がりに欠けるような・・・。 実はコレ持ってない。 『FIREWORKS』の日本盤ボーナストラックだったこの"Rainy
Nights"は、98年のアルバム発売当初からフランスでの翌99年春にシングルとしての発売が決まっており、「チクショウ、やっぱりフランスの方が恵まれてやがるうゥ!!」と私は悔しい思いをしておりました。で、同時にあまり出回らないであろう輸入盤を楽しみにもしていましたのよ。・・・えー、なんですか?この1.ラジオエディット2.アルバムバージョン3.インストゥルメンタルバージョンって。要は全ヴ同じジャン!! 手ェ抜きやがって、というかザマぁ見やがれフランスのリスナーども!! これ初めて聴くにしたって「えぇ!?」と思うだろ絶対。せめてアレンジ変わってればまだしも、元々がすげえ名曲って訳じゃないもの。どうしてもコレクション揃えたい人以外は買っちゃダメょ。
ANGRA脱退とは関係がない、と語るアンドレのソロ(デュオ?)プロジェクト。QUEENぽいとか本人はゆってた気がするのだが、ロック系を殆ど聴かない私にはよくわからない。マイケル・キスクのアルバムかHELLOWEENのカメレオンのような印象。あまり感じるものは・・・(や、メタルじゃないからね)。要は色んな事がやりたいのね、マトスって人は。 脱退組のアンドレ・マトス、ルイス・マリウッティ(B.)、リカルド・コンフェソーリ(Dr.)はルイスの兄弟(兄か弟か忘れました)をG.としてSHAMANなるバンドを結成し、曲づくりやライブ活動を行っています。なのでこの趣味プロジェクトに過剰な期待はしていませんでした。息抜きで結構です。この路線で結構です。そのかわり、早ぅアルバム出さんか〜い!>マトス Rhapsodyのプロデュースは今まで通りにネ!>サシャ 全作『FIREWORKS』から待つこと3年。残されたキコとラファエルの2人が『ANGRA』の名を継承し、タイトル通りの再生を果たした・・・。3rdでは遠くに行き過ぎた、と原点回帰なサウンド(要はキーボードが復活)である。 新ボーカルはSYMBOLSのエドゥ・ファラスキ。ハンサム。時折アンドレっぽい唱い回しを見せている(恐らく意識的に)。 雄神のジャケットも神々しく、貫禄の漂う作品。現時点ではこのような感想です。('01 10/24) さて暫く聴いた感想というか、実は当初は大して期待していなかったのです。いや、気にはかけていたんですけど、残された二人でどこまでやれるのだろう、原点回帰のクラシカルな要素も付け焼き刃な感じだったりするのではないか・・・?と。予習で聴いたSYMBOLSにもあまり魅力を感じなかったため、エドゥのボーカルもどうかなあ?とか、とかくネガティブな聴き方をしていたのでした。そうしてまず感じたのはアルバムの構成と曲が1stと酷似しているのでは?、ということ。2."Nova Era"="Carry On"、4."Acid Rain"="Angels Cry"、9."Running Alone"="Evil Warning"という風に。また"Unholy War"は"Carolina IV"に聴こえるし、どこか"ZITO"みたいなフレーズや"Speed"みたいなフレーズも飛び出すし。あとは前3作でほとんどやりつくしたんでしょうが、今作ではあまり目新しいものがない。やっぱもう限界なのかな? そんな非常に否定的なファーストインプレッションでしたが、ヘッドフォンで歌詞を見ながら聴いたところ、一変してぐっと来たのでした。やっぱり安っちいへっぽこコンポで聴くなんてミュージシャンに失礼だと実感。まずエドゥの歌唱力。アンドレを意識した唱いまわしはしなやかでかつ力強い。まさにブルース・ディッキンソンとアンドレ・マトスを足して二で割った感じ(エドゥは元々メイデンみたいなバンドをやっていたとかで、ブルース脱退後のアイアン・メイデン新ボーカリストの候補に上がっていたとのこと)。そしてラファエルの歌詞が心に染みたのです。この人昔から良い詞を書くのですが、今回はまったくの部外者の1ファンですら非常に辛い分裂劇があっただけに。「狂気の時間」と彼等が表現した失意と憎悪と悲嘆のそんな状況を乗り切り、新たなスタートを切ったわけで。そしてサンクスリストの最後のかつての仲間達への言葉を見た時、涙が溢れました。山手線の中でしたが(苦笑)。本当に別れとは辛いもので、しかし同時に成長の糧ともなるもので、個人的にも色々感じるものがありまして、ね。いや、"Nova Era"とかさ、"Carry On"とまでは行かないけれど悶絶チューンですし、これは来日が待ち遠しいよぅ!('01 11/4) 『RITUAL』(SHAMAN 1st) 当初は『ANGRAより先にアルバム出すぜゴルァ!』と表明していたアンドレ・マトス率いるSHAMANのdebut作。といっても“Time will come”のmp3がかなり早い時期に公開されており、なおかつ“For tomorrow”と2曲はネット配信live映像中で聴けたので、デビュー!という感じはあんまりしない。ジャケットは奇しくもと言うかANGRA『Rebirth』を手掛けた方と同じだとか。基本的にはカッコイイんですが・・・、ジジイの顔をドーンとジャケに持ってくるのはどうかと思うよ。それともうちょいバンド名に工夫があってもよろしいのではないでしょうか。 Victor主催のリスニングパーティーにて一足先に数曲聴き、非常に好印象をもっていました。なのでかなりプラスのバイアスがかかった状態で聴きました。もちました。Avantasiaを聴く限りなんだかますます声がダメになっていっている・・?という不安を持っていたのですが、むしろ声が出るようになっていました、アルバムも生演奏も。 さて内容ですが、まずはアンドレの歌い方が変わりました。あの賛否両論というかどちらかというと非一辺倒みたいな裏返り声を封印。力強さを感じさせる声を今回は聞かせています。がやっぱり否定的な意見が出ますね。「声が汚くなった」などの。この人どうして叩かれがちなんでしょうか??。 1曲目のインスト“Ancient wings”は非常にダイナミックな映画サントラ風。是非ヘッドフォンとかで音量を上げて聴くことをオススメします。そして2.“Here I am”ヘ。過去のキラーチューン程の殺傷力はありませんが、「うし!」と拳を握り締めたくなります。3.4.もなかなかの佳曲。5.“Time will come”はSHAMANの代表曲となりそうですが、アレンジに不満アリ。mp3配布のデモ時に鳴り響いていた鐘の音が抑え気味にナッテイルノデス!!そりゃねーよー。あとクワイヤの「Never be the same...」の部分がかなりへにゃへにゃで迫力ありません。ドラムのリズムとかカッコイイだけに惜しまれます。鐘が。10.の“Pride”はストレートなメタルチューン、というかやっつけ仕事とまではいわないもののあまりに工夫がないような気がしますよマトス先生。Edguyのトビアス若様と共演しているのですが実はあんまり声の区別がつかない私。Albumの雰囲気ぶち壊しとまでは言いませんよ。Edguyのalbumに入ってたら多分album中のベストチューンて感じだし。ちょっとアルバム後半が弱い気がしますが、個人的にはANGRAの『Rebirth』よりも好き。早く来日公演してください。そんでVIPER演って下さい。 |