私が大学に入学した当初、計算機室のコンピューターはTSSだった。 TSSってのは「Time Sharing System」の略で、大型計算機を時分割して共有するシステムのことである。 各自が使う端末は単なる入力デバイスで、単体では計算機能を有していなかった。 当時すでにそこそこパソコンは普及していたが、みんなが同時に使うわけじゃないので、TSSの方がリソースが有効利用できるという判断だったんだろう。 ところが、大学3年の時だったか、一年ぶりぐらいに計算機室に行ったら、見慣れない端末がずらっと並んでいた。 そう、TSSからワークステーションに切り替わっていたのである。 パーソナルコンピューターが格段に安く高性能になって、TSSは少なくとも教育用としてはお役御免のようであった。 あん時は困ったな。 おそらくガイダンスがあったんだと思うけど、当然受けていない。 どうやって使ったらいいのか、さっぱり分からず途方に暮れた。 それからずっとPCの時代が続いてきたけど、最近は携帯デバイス流行りなこともあって、やたらとクラウド、クラウドって話を聞かされる。 クラウドって何となくTSSに近いような気がするんだよね。 端末は単なる入出力装置になってしまうから。 費用対効果とかデバイスの形状とか用途によって、計算処理をどこでやるのが効率的かっていうのが変わってくるんだ。 何でこんなことを急に書いているかというと、WiiUについて調べていたら、ああそういうことか、と思ったからである。 携帯デバイスは大きさや消費電力から、パフォーマンスに制限が出てくる。 かといって、高速な応答を求められるゲームなんかだと、クラウドでは遅延が大きすぎて使えない。 そうすると、端末とネットの中間で計算処理をやろうって発想が出てくるんだろうね。 端末の外だけど、遅延が問題にならない程度の距離に演算装置を置く。 任天堂がその気なら、WiiUを使って自前の演算能力を持たないiPadみたいなのをつくることだって出来るはずだな。 Wiipadとか名付ければいいじゃない。 WiiUのOSがなにで動いているのか知らないけど。 もしこのアプローチが有効であるならば、自前の計算能力を持たないiPadをアップルあたりが出してくるかもしれないな。 デスクトップやMacノートから出力を飛ばして。 おそらくバッテリーの保ちが良くなるし、軽く出来るし、パフォーマンスも大幅に上昇するだろう。 アップルのタッチパネル路線はDSの影響を受けていそうだし、また持って行かれそうな気がして仕方ない。 |