白くて長い友達

白くて長い友人 2003_09_12

 

白髪を抜きたい!
私はとても抜きたいのである。
特別、若作りしたいわけではないのだが。

なんで抜きたいのか、自分でもよくわからない。
子供の時分、母親の白髪抜きでお小遣いをもらっていたからだろうか。
あれはいい小遣い稼ぎだった。
若い頃は白髪が少ないので報酬も少ないが、歳を取ると白髪が増えて報酬が増える。
あたかもロールプレイングゲームの経験値のように良くできたバランスであった。
私は白髪を抜くのが大好きなのである。
もちろん自分の白髪も。

しかし、白髪とはいえ、やはりそれは「髪」である。
全然無いよりはある方が良い。
ハゲよりはロマンスグレーがイイ!
この辺がとても辛いところである。

頭のサイドとか後ろなら、ありすぎて困っているほどなので、どんどん抜いていきたい。
問題なのは、頭のてっぺんとか髪の分け目付近の白髪である。
この辺りは髪が薄く感じられて仕方がない。
お風呂に入った後に鏡なんかを見るとドキッとするね。
髪は下へ向かって垂れているので、当然といえば当然のことなのだが。
まだまだ大丈夫だと強がっていても、やはりこの辺りを抜くのは抵抗があるだ。

しかしながら、抜き難ければ抜き難いほど抜かねばならない。
美しさとはそういうものである。
サイドや後ろを抜くなら、てっぺんだろうが、分け目だろうが抜かねばならないのだ。
私は抜く!
激しく抜く!

もっとも、抜いてみたら根元の方が黒かった時などはひどく寂しい。
自分から捨てた友人に帰ってきてくれとは言えないのである。


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