卑怯な比較

卑怯な比較 2011_06_18

 

電気代がヤケに高いと前から思っていた。
東京にいたときと暮らし方は変わっていないのに、電気代が千円ぐらい高くなっていたのだ。
試しに実家の冷蔵庫の消費電力を測ってみたら、なんと一日あたり3kWhほども消費していた。
月に90kWh、年で1080kWhである。
道理で高いわけだ。
まあ、14年も前の冷蔵庫だから当たり前か。
古い冷蔵庫を最新の物に買い換えると消費電力が半分になる、とかよく聞くけど、カタログスペックを信じるなら半分どころじゃない。
三分の一だぜ。
冷蔵庫の買い換えは省エネに大きく貢献するな。
早速私も新しい冷蔵庫を発注した。

しかし一方で、あんまり省エネに貢献しない買い換えも存在する。
電球型のLEDってどうなのかね。
あんまり意味ないんじゃないかな?
だって、比較対象がそもそも卑怯でしょ。
発熱電球と比較するって。
発熱電球、もう日本で作ってないじゃん。
比較するなら、電球型蛍光灯と比較すべき。
蛍光灯と比較しても消費電力は半分なんだけど、電球型のソケットを使ってる場所って、トイレとか廊下とかベッドサイドとかあんまり長時間使わないところが大半でしょ。
そんなところにわざわざ電球型蛍光灯の4〜5倍もするLED電球買わなくてもいいじゃん。
この間、発熱電球とLEDの売上シェアが逆転したとかってニュースで見たけど、なんか違うような気がして仕方ない。

どうせ換えるなら、リビングのシーリング照明をLEDに換えた方がいい。
専業主婦の家庭なんかだと一日16時間とか点きっぱなしなわけでしょ。
本気で省エネを推進するなら、政府も照明の付け替えにエコポイントでもつけてやればいいのに、と私は思う。

もっともシーリング照明のLEDって思ったほどには消費電力低くないみたいだね、カタログスペックで見た限りでは。
せいぜい30〜40%減程度。
寿命も実際には蛍光灯と比べて、それほどメリットはないし。
日本の蛍光灯、べらぼうに優秀だからね。
以前職場が新しい建物に引っ越して、10年のうちに交換した蛍光灯は15%ぐらいだったよ、私が面倒見てた範囲では。
たぶん、大半が3万時間以上切れなかった。
耐用時間15000時間って書いてあっても実際にはもっと保つんだよ。
一方でLEDそのものの寿命はほとんど無限でも、電気回路の方が劣化しちゃうから、やっぱりLED照明もある程度の時間しか保たない。
これでは今ひとつ買い換える気にはならないね。
さすがにシーリング照明に発熱電球を持ち出して比較するわけにも行かないだろうしな。


<後日談 2011_06_23>

新しい冷蔵庫が届いたので、早速計測してみた。
初日は安定しないだろうから2日目に。

カタログスペックで年間330kWhの冷蔵庫だから、一日0.9kWhぐらいのはずだが、実測値は 1.55kWhだった。
全然違うじゃん。
今年初の夏日に測ったから、たくさん消費したのかな。
冬場に相当下がってくれないと帳尻合わないぞ。
それでも買い換えによって消費電力が半分になったことは間違いないが。

季節で消費電力が変わるとすれば、古い冷蔵庫の年間消費電力は予想より低かったのかもしれない。
4〜5年で元が取れる、とか思ってたけど、そんなに上手くはいかないか。



<後日談 2011_12_20>
だいぶ寒くなったから計測し直してみた。
新しい冷蔵庫の一日の消費電力は0.59kWhだったな。
外気温によって消費電力が大きく変化することがわかった。
それでも、カタログスペック通りの数字は出てない。
カタログより2割は多いと思った方が良さそうだな。


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