今年のNISA(少額投資非課税制度)枠をどう使うべきか。 まだ今年も始まったばかりなので慌てる必要はないが、それでも常に考えておくテーマではある。 NISAの使い道としては大凡二通りあるだろう。 持ち続ける事を前提に安定高配当銘柄を探すか、あるいは短期で売却する事を前提にビッグキャピタルゲインを狙うか。 私は過去三年、前者を選択してきた。 しかし、本当は後者を選択すべきなんだろうとは思っている。 NISA枠は一回しか売却できないので、高配当銘柄を買ってしまうと売るべき時に踏ん切りがつかず、結局含み損を抱えてしまうハメになりそうだから。 むしろ、新興企業や潰れそうな企業に一か八かで賭けてみた方が得なのではないか。 資産に余裕があればの話だけどね。 今だったら、やっぱり東芝が注目の銘柄であることには疑いがないだろうな。 シャープみたいに4倍になるかもって思うでしょ。 360万儲かったらその二割、72万円分税金を払わないで済む、などとそろばんを弾いてしまうのが人間というものである。 ただし、東芝はシャープと事情が違って、先のことが全然分からない。 米国における原発の契約がどうなっているのか、我々にはよく分からないから。 後付けの規制強化に対応して建設費用が膨らむと、それを全部東芝(厳密には子会社のウェスティングハウス)側が負担しなければならないなんて、おかしな契約だよ。 誰かが東芝に不利益な行動をとったのではないかと疑われても仕方ない。 原発部門を取り仕切っていた元会長が主犯格かもしれないのに、いまだに執行役員に留まっているあたりも不安を誘う。 半導体事業も先のことは分からない。 半導体って供給過剰と供給過小を繰り返す、波のある産業だから、早く売り払わないと価値が下がっちゃうかもしれないしね。 仮に上手く高値で売れたとしても、その後の東芝本体には優良事業がなくなってしまう。 今後なにで儲けるつもりなのか。 もう既にNISA枠で買っちゃってる人がかなりいるらしいけど、まだ買うのは早いと思うな、私は。 最終的には第三者割当増資なんかが行われて、増資価格が決定する直前あたりが底値になるんじゃないの、と私は思っている。 そういえば、東芝といえば、部活でマネージャーやっててくれた同期の女の子に東芝に入社したのがいたな。 うちの大学から、それも化(ばけ)から東芝に入れるなんて凄いな、と思ったのを覚えている。(今はどうか知らないが、当時、化はあんまり就職が良くなかった) しかし、彼女は数年後東芝を退社してしまう。 本人から直接聞いたところによると、なんでも原発事業をやってるのがイヤだから、だという。 原発事業に配属されたんなら気持ちもわからんではないが、そうじゃないなら辞めなくてもいいのに、と当時は思ったものである。 今頃、それ見たことかと彼女は思っているかもね。 慧眼だったというべきか。 しかし、会社に残ってたら残ってたで、どうなっていたかは分からない。 運良く東芝メディカルに配属されて、今頃キャッシュリッチなキヤノンの配下で働けたかもしれないだろ。 運悪くリストラされるとしても、二十数年給料をもらった上に、割増退職金までもらえたかもしれないじゃん。 いや、そもそも東日本大震災が起きてなかったら、東芝は今頃イケイケだったかもしれないわけだし。 先のことは分からないよ。 結局は今自分がどう思うかで決めるより他にないって事なんだろうな、株にせよ、人生にせよ。 今日は東芝株が急騰したようだけど、私はまだ買わない。 だって、今はまだ東芝を信じられないから。 |