私は東京オリンピック開催に大反対であった。 名古屋みたいに余裕がある街ならともかく、東京みたいに人が多いところでやったら、みんな大迷惑だよ。 開催期間中、東京に出張しなければならないビジネスマンの皆さんなんか、ホテルに泊まれないぜ、きっと。 以前、東京マラソンのせいで交通規制にあって、数時間足止めを食らったことがあるけど、もっと規模が大きくなったら・・・と想像しただけでぞっとする。 もっとも、私が反対運動をしても何の効果も無いし、なにより今や東京に住んでないし、全く以て今回の立候補に私は無関心であった。 ところで、私は株を買っている。 8月の終わりぐらいから配当取りで上がるのではないか、と期待していたところ、予想に反して株価は下げた。 首相はいつまで経っても消費税引き上げを決定しないし、アメリカはシリアを攻撃しそうだし、FRBはQE3縮小を開始するのかハッキリしないからだ。 相場は不透明感を嫌う。 いい加減にして欲しいわ、配当落ち日来てまうで!と気をもんでいたところ、全く別のファクターが登場したのである。 東京がオリンピック開催地に選ばれそうだというのだ。 イギリスのブックメーカーの予想では、ぶっちぎりで東京優勢だという。 東京に決まれば株が上がる可能性大! 私は迷った。 東京を応援すべきなのか? 別に私が応援しようがしまいが大勢には関係ないのだが、一応自分の立場を決めておいた方が何かと楽しい。 私は考えた。 株が下がってもいい、と思えるほど東京オリンピックを嫌う理由があるだろうか、と。 思いついたのは、猪瀬の得意げな顔を見るのがイヤだ、というひとつだけだった。 となれば、テレビは見なければいい。 9月8日の夜明け前、私は結果を見届けること無く、東京が勝ちますようにと祈って寝た。 直前になってマドリード優勢の情報が流れていたから、祈り甲斐もあった。 目が覚めて、yahooのトップを見たら東京は勝利していた。 翌9日の株式は予想通り大幅に上昇した。 今後、東京オリンピックに便乗して無駄な公共事業が行われるかもしれない。 ここぞとばかりに営団地下鉄と都営を合併させて、都の負債が国に押しつけられることもあり得る。 開会すれば、交通規制などで東京の人々は面倒な思いをするだろう。 東京の街は外人さんと援軍の地方警察官で溢れ、犯罪発生率は幾分上昇するかもしれない。 閉会後は不法滞在者が大量に発生するだろう。 新築・改築したスポーツ施設のランニングコストに、国や各自治体が数十年にわたって苦しめられることも想像に難くない。 それでも私はもう文句を言う立場に無い。 |