テクニック

テクニック 2001_12_09

 

私の目はある男の頭に釘付けになった。
凄いテクニックだったのだ。
彼の発表している内容などはどうでも良かった。

私は男性を見るとき、まず頭を見る。
頭髪である。
これはもうハゲの家系に生まれし者の定めで、どうにも気になって仕方がないのである。
今はハゲていなくても、いつかはハゲるだろう。
50で18を目指す私としては由々しき問題なのだ。

その男はガスの燃焼に関する研究発表をしていたのだが、その頭髪にはギャップ理論が応用されていた。
ギャップ理論の応用により、極端なハゲだという印象を巧みに避けていたのである。

具体的に説明しよう。
彼の頭は、てっぺんから前にかけて明らかに薄い。
髪の毛が薄くなると大抵の人間は残った髪の毛を大切にするものである。
しかし、彼は思いきって高い位置まで刈り上げにした。
赤い地肌が見えるくらい短めに刈り込む。
そして、刈り上げの終着点に少しだけ長い毛をつくり、てっぺんから前面への援護に回す。
この援護が沢山すぎないのがミソである。
刈り上げ部と同じように地肌が見える程度にしておく。
こうすることによって「ハゲ」というよりは、全体に髪の毛が短い、もしくは全体にボリュームを落としてある、という印象を持たせることが出来るのだ。
いわば逆ギャップ理論、あるいはノンギャップ理論である。

本来、ハゲていることを隠す、ということは美しくない行為だ。
しかし、かくの如き人間の英知に対しては、むしろ賞賛を贈りたい気持ちである。

私はこのことを兄に知らせなければならないと思った。
兄はもはや土俵際なのである。
ところが兄は、そんなことは誰でも考えることですよ、と事も無げに言うのである。
なんと恐るべきハゲ隠し道!
その道は長く険しい。

出来ることならば、足を踏み入れたくはないものである。
私の意志とは関係なく、その時は訪れるのだろうが・・・。




平等主義 2001_12_09

 

私は女性を見るとき、まず胸を見る。
顔よりも先に胸は見れないだろう、という向きもあろうかとは思うのだが、とにかく胸を見ているのだ。
平たく言えば、オッパイが大好きなのである。
とはいっても、それは私だけのことではあるまい。
たいてい男は誰でも大好きなものである。

しかし、ここで私は一つの疑問を持つのである。
女性は女性の胸が大好きなのか?
男性がオッパイを好む理由を、母性を欲するからだ、などと解説することは良くある。
だったら女性だって同じはずである。
同じように授乳されたわけだから。
自分の胸を見て興奮することは多分ないと思うが、別の女性を見て、「うわっ、吸い付いてみたい!」とか思うのだろうか?

もし、女性がそう思わないのであれば、これは困ったことである。
私達がオッパイに惹かれる別の理由を探さなければならない。
水棲ほ乳類などと比べて、ホモサピエンスの胸の位置が高いのは、視線に近いところに移動した方がオスを惹きつけやすいからだ、とする説もあるくらいで、これは生物の進化をも紐解く重要な問題なのだ。
是非、有志の皆さんで、この謎を解き明かして欲しい。

ちなみに、ここにこの話を書いたのは、私が平等主義者だからである。






戻る