おら、東京さぁ来たら多摩川へ行くだ '99_08_17

おら、東京さぁ来たら多摩川へ行くだ '99_08_17



東京へ出てきたら、絶対やってみたいと思っていたことがある。
それは多摩川へ巨人の2軍の練習を見に行くことだ。
金網越しに選手の動きを眺めて、
「こいつは必ず上がってくるぜぇ」
などと呟いてみたかった。
なんか通みたいでかっこいい。

しかし、東京へ出てきて3年半にもなるのに、それは終ぞ実行されることはなかった。
「終ぞ」というのは、多摩川練習場はなくなってしまったからである。
今はどこで練習しているんだろう?
ジャイアンツ球場だろうか。
「多摩川」=「巨人の2軍」という図式が頭の中に出来てしまっていて、
なんだかジャイアンツ球場では気持ちが盛り上がらないのを感じる。

そんな今日この頃、イースタンリーグ<巨人・日本ハム>戦があることを知った。
夏休みはたった3日しかないのに、何もすべきことが思い浮かばない事もあり、ふと行ってみようかと思い立った。
東京ドームは2度目だ。
東京へ行ったら、ドームは行き放題!と思っていたのだが、いつでも行けると思うと存外体は動かないもののようだ。

さて、試合の方はというと、ラッキーなことに豪華な顔ぶれが揃っていた。
なんと怪我から復帰して調整中の清原が一塁を守っていて、先発は西山。
キャッチャーは杉山だし、これまた怪我から復帰したばかりの広澤が代打。
(余談だけど、広澤の澤は沢じゃないのね)
観客もイースタンリーグだというのに、内外野一階席の6割は埋まっているという混みよう。
折角だから5千円くらい払ってもバックネットのすぐ裏から見ようと思っていたのだが、当日券には「特別」と「自由」の2種類しかなく、席を選ぶことは出来なかった。(特別1500円、自由1000円)
それでもバックネット裏やや斜めの30列目に座れたので、ラッキーだったかもしれない。

試合内容は、西山が一軍で投げるときとはうって変わって、素晴らしいピッチングをしていたことが一番印象に残っている。
付け加えるなら、清原が守備に打撃にへなちょこぶりを発揮して、みんなをガッカリさせていたことくらいかな。(頑張れよ、清原)

それよりも私が気になったのは、私の後ろに座っていた4人組。
20才前後のグループだろうか。
試合を見ながら、あれやこれやと野球談義に花を咲かせていた。
その中の一人に、やたらと巨人の選手に詳しいのがいて、聞いたこともないような選手の特長を得意げに喋っていた。(間違っているような気がす
る所もあったが)

「そう、これなんだよ。
 俺もこんな風に解説してみたいんだよ。」
そして、「ああ、多摩川に行っておけばなあ」とまた思った。
後悔先に立たず、である。
いつか練習を見に行こう、必ず!

私はその4人組の熱い野球談義に耳を傾け続けた。


戻る