ゴルフは70になってから

ゴルフは70になってから 2009_07_20

 

私はほとんど人付き合いというものをしない人間である。
仕事以外で滅多に人と会うことはない。
所属する集団を変えるとそれまでのつきあいも全て切ってしまうので、全く人間関係が広がっていかないのだ。
私は大変結構なことだと思っている。

しかし、辛うじてつきあいの残っているのが部活の連中である。
メールリストに入ってるから、今でも時々メールが回ってくる。
奴らからのメールを読むと、大抵ゴルフの話が入っているな。
早い奴は20代からやってたみたいだが、30をすぎる奴が始めるスポーツはゴルフと相場が決まっているようである。
もっとも、私はそんなのは認めない。
体が動くうちは、目がついて行くうちは、操作対象が動くスポーツをやるべきだと思ってる。
野球でもいいし、サッカーでもいいし、テニスだって卓球だってイイ。
ゴルフなんか70になってからやれ、と私はいつも思っている。
大体、おまえら元々ラグビー部員じゃないのか。
私はラグビー嫌いだけど、おまえらはラグビーをやれ。

ただし、私はゴルフ自体はわりと好きである。
ゴルフのTV放送はよく見る。
昨日の全英オープンも夜中まで観ていた。
59歳のトム・ワトソンが優勝したら、これは歴史的な出来事だったのだ。
観なきゃ損だなと思って夜中まで起きていたのだが、少々当てがはずれてしまった。
プレーオフに入るまではすごく面白かったけどな。

ところで、トム・ワトソンはかつて新帝王と呼ばれた。
帝王、ジャック・ニクラスを立て続けに破ったことで、帝王交替と相成ったのである。
もっともこの呼び名は日本人が勝手に付けただけのようだが。

しかしながら、トム・ワトソンの時代はあんまり長く続かなかった。
私はトム・ワトソンが優勝しているシーンをリアルタイムでは観たことがないな。
私の理解では、ツーピースボールやら、チタンヘッドやらというゴルフ道具の進歩がその一因である。
道具の進歩によって、彼がそれまで磨いてきた技術の価値が低下してしまったのではないか。
私はその道に詳しい訳じゃないけど、ちょうど道具の進歩が著しかった時期と彼が勝てなくなった時期が一致していることは間違いないはずである。

そんなトム・ワトソンが59歳で全英オープン優勝に後一歩というところまでいった。
全長が比較的短いせいもあっただろうが、ワトソンは力でもそんなに見劣りしなかった。
だって、ドライバーの平均飛距離が290ヤードを超えてるって言ってたからな、解説が。
あれは間違いなく道具が進歩したからでしょ。
かつては彼にとってデメリットだった道具の進歩が、今は彼の力になっている。
精度さえ磨けば、16歳から59歳までが同じ土俵で本気で戦えるスポーツになったんだね、ゴルフって。(参加最年少は16歳だった)
これは凄いことだ。
年齢差が40以上あっても本気で戦えるスポーツって他にあるかな?

ということは、である。
ゴルフは70になってからやれ、という私の主張もあながち間違ってはいないのではないか。
歳取ってもできるんなら、今やらなくてもイイじゃないか。
今しかできないスポーツをやれ、という私の主張にも一定の正当性があるように思える。
もっとも、私は部屋の中で筋トレしているだけで、なにも競技には参加していないのだが・・・。


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