最近、ニュースをみると中国でデモが起きた話ばかりである。 あれは観てる方も辛いな。 昔やったことのつけを今払わされているわけである。 私は当時のことは当時の感覚で語られるべきだ、という考えの持ち主なので、当時の日本を全否定するつもりはない。 しかし、もうちょっときちんと勉強させないといけないな、日本人にも。 かつて日本がどういうつもりで戦い、侵略し、植民地化し、その課程でのどの行為が当時の感覚で妥当なことで、どれが間違っていたのか。 同じ旧植民地でも台湾なんかは反日感情が薄いわけで、それがなぜなのかを考えさせるべきである。 おそらくいまの日本人は何となく昔悪いことをやったようだ、と思っているだけで、ほとんど何も知らない。 教えられてないから。 暗部を隠したい一心で何もかも一切合切隠しちゃったんだな。 日本人の大半は、昔の人がやっただけで俺らは知らん、と思っているんじゃないか。 このままで行くと、日本と中国の関係はますます悪化していく。 これからの日本はロシアよりも中国の脅威におびえる時代になっていくだろうから、これは大問題である。 本来ならば、韓国と手を組んで中国対その他連合でアジアのパワーバランスを取っていこう、なんて話になるといいんだけど、韓国とも仲が悪いから困ったものだ。 前置きが長くなってしまった。 本題は別の話である。 中国人には中華思想というのがあるんだそうだ。 私は歴史小説を読むなかでそれを知った。 中華思想の「華」は世界を意味し、要するに漢民族文化だけが人間世界だ、ということのようである。 もっと言うと、漢民族文化に浴しないものは人間ではない、ということになる。 私たち日本人なんかはそもそも人間の仲間に入れてもらっていない。 だから彼らには自尊心がある。 蒙古人に支配されようが、満州人に支配されようが、精神的には常に優越していたはずだ。 中華思想によれば、中国=世界なので、そもそも国という概念も存在しないわけで、蒙古人の国になった、みたいな感覚も持たなかっただろうと想像している。 ところが、あのデモである。 デモに参加しているのは若者が中心だという。 彼らには中華思想はもうないんだな、おそらく。 ああやってデモするということは、相手の上位性を認めてしまうことになるから。 これは全くの想像だけど、インターネットなんかで世界の情報を沢山持つようになって、中国=世界っていう感覚は持てなくなってきているんじゃないか。 どうも中国というのは世界の中でそんなに認められていない、と気づいてしまったんだろう。 中国という国を彼らは世界との対比で捉えはじめているんじゃないかという気がしている。 また文化と文明は異なるものだけど、しばしば混同して捉えられることがある。 例えば、ヨーロッパ文明をキリスト教とセットで見せられると、文明の凄さを文化の凄さだと勘違いして、文明と文化をセットで受け入れちゃうことはあるよな。 いま中国は世界の工場といわれているけど、やはり最先端の技術は投下されない。 付加価値の小さい商品を作らされることが多いのだ。 そうすると、何となく自分たちの文化が低くみられていると感じるのではないか。 もしそうならば、中華思想を持つことは出来ないだろうな。 以上は私のいい加減な知識で考えたことである。 専門家には読まれたくないな。 とても恥ずかしい。 かつて歴史小説で読んだ中国の民はもういないのかな、などとテレビを観て思っていた。 それも何となく寂しい話である。 |