隠したい気持ち

隠したい気持ち 2012_09_14

 

7月の頭に床屋へ行った。
これから暑くなるし、思い切って短くして貰うつもりであった。
髪型に全くこだわりはないので、床屋の兄ちゃんに「短くして。任せるから。」と言ったらスポーツ刈りの一歩手前ぐらいまで短くされた。
でもまあ、それでいいと思ったのである。
髪なんざ、すぐ伸びるよ。

それから2ヶ月以上が過ぎたつい先日。
私は強いライトの下で鏡を見てびっくりした。
頭頂部から前にかけて異様に髪が薄い!!
あり得ないぐらい薄く見えるのである。
うちは禿げの家系なので、私も禿げるだろうし、実際少しずつ禿げてきているんだろうが、それにしても急すぎやしないか。
よくよく検証してみると、髪が全体的に一様に伸びると、毛髪密度の濃いサイドと薄い天辺付近のコントラストがハッキリしちゃうんだよね。
普段は密度の濃いサイドは短く、上に行くほど長いからバランスがとれていたのに、長さが揃うと薄いのがバレてしまう。

鏡を見て私は恐ろしくなった。
とにかくすぐに床屋へ行こうと思った。
そうして、また2ヶ月前の状態に髪を戻して貰ったのである。
改めて鏡を見ると、やはりサイドも地肌が見えていれば、上の方が多少寂しくてもそれほど気にならない。
短髪様様である。

天辺の薄い人が横から髪を持ってきて隠しているのを見ると、見苦しいなって思うじゃない。
その反面、思い切って短くして隠していない人を見ると潔い印象を受ける。
でも、ホントにそうかな?
物理的に隠していないからといって、隠したい気持ちが弱いとは限らない。
禿げを隠したい気持ちはむしろ後者の方が強いんじゃないか。
より美しくないのではないか。
今すぐ床屋に行かなきゃ!と思ったあのときの自分を思うとき、私は自分の禿げを隠したい気持ちを過小評価することは出来ないのである。


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