ナウシカに怒られるよ

ナウシカに怒られるよ 2003_02_28〜03_01

 

電力不足である。
なんでも3月には電力消費見込みに対して余剰供給力が0%になるんだそうで、ことによると停電が起こるかもしれない。
この原因は、例の事故(の隠蔽)のせいで原子力発電所が停止したからなのだが、私はまあ良い機会だという気がしている。
いつでも好きなだけ電力を使えると人間は思いすぎているし、そのくせやたらと原子力発電を批判する世間の風潮が私は大嫌いなのだ。
この機会に電気を消費するということがどういうことなのか、よく考えてみるといい。
人間に与えられているのは太陽だけなのである。

ところで、私には不満なことがある。
学生達の心ない振る舞いに私は激怒しているのだ!

彼らはいつもエアコンをばんばん使っている。
衣服で調節しようなどという気は全くない。
常に快適な室温を保とうとするのだ。
扉が閉まっていると通りにくいからといって、居室と実験室をつなぐ扉はいつも開けっ放しなので、その消費電力たるや想像を絶するものがある。
おまけにパソコンはいつもつけっぱなし。
帰るときもモニタは待機状態のまま。(待機状態でも電力は消費する)
未来を背負う彼らがこんな有様では、日本のお先は真っ暗である。

彼らは決して問題意識を持っていないわけではない。
むしろ人並み以上に持っている。
明晰な頭脳の持ち主なのである、彼らは。
しかし、それを自分の生き方に活かそうとまでは思っていないのだ。

私は歯痒い。
私に彼らほどの頭脳があったならば、エネルギーの研究でこの世界だって救ってみせるのに!
いやまあ、そこまで言うと嘘になるし、私に彼らほどの頭脳があれば、おそらく医学部に進んで「看護婦さんとウハウハ!」を狙っていたに違いないのだが・・・。

そんなある日、傍若無人なエアコンの温度設定にどうしても我慢できなくなって、私は学生達に言ってやったのである。
「こんな設定温度高くしてると、ナウシカに怒られるよ!」と。
たまたま『風の谷のナウシカ』の漫画本が研究室に置いてあったので、思いつきで言ってみただけのことだった。
ところが、これは意外に効いた(様に見えた)。
彼らは私の言うことをきく義理など持ち合わせてはないのだが、さすがに贅沢が過ぎる、と気づいたようである。

そこで私は思ったのだが、「ナウシカ」を使ってやればいい。
「ナウシカ」という言葉は非常に強いメッセージを持っている。
『風の谷のナウシカ』という作品をどう捉えるかは人それぞれだが、ここで問題なのは世間一般に「ナウシカ」がどう認識されているかということである。
電力の話と「ナウシカ」をセットで持ち出せば、誰だって無駄に電力使ってちゃいけないな、と思うだろう。

私達は今まで「でんこちゃんに怒られるよ」を使ってきた。
しかし、あいつはダメだ。
東京電力の回しもんだよ、所詮。
電気を使ってもらわないと電力会社は儲からないんだから。

やはり、もっと強いメッセージを発していきたい。

「ナウシカに怒られるよ!」

この言葉をどんどん使ってやったらいいと、私は思うのである。
「ナウシカ」という言葉の力を借りることは美しくないことだが、結果として無駄なエネルギー消費を抑えられるならば、我慢してもいい。




<おまけ>

コンビネーション攻撃として

A:「ナウシカに怒られるよ!、なあ?」
B:「はい、大海嘯が来ます。」

も、是非使って欲しい。(I君の発案)


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