冷凍庫に500mlペットボトルのダイエットペプシを入れておいた。 早く冷えて欲しかったのだ。 余談になるが、私は水のかわりにダイエットぺぷしを飲む。 何年か前にアメリカに旅行したとき、ダイエットコーラがあまりにも美味しくて、毎日飲んでいるうちに習慣になってしまった。 向こうのダイエットコーラにはカフェインが入っていて、日本のものよりも味が強く、また炭酸のきめが細かい(ような気がする)。 日本では飲めないので、かわりにダイエットペプシを飲んでいるわけだ。 さて、冷凍庫に入れたペプシを取り出すと、少し冷えすぎているように思えたが、凍ってはいなかった。 夏はすぐにぬるくなるからちょうどいいや、と思い、キャップをひねった。 「プッシュッ」 っと、いつものように炭酸の抜ける音がする。 次の瞬間、ダイエットペプシは上から下に向かって、確実に目視できるスピードで、ほんの少し白っぽく色を変えた。 あれっ?っと思いながらも口に運んでみると、非常に出が悪い。 よく見るとシャーベット状に凍っていたのだ。 正確に描写するとすれば、粉雪をペットボトルに詰めて、水でしめらせた様な感じとでもいえばいいだろうか。 実に面白いと思った。 きっとこういう瞬間に出くわしたとき、人は科学への興味を持つんじゃないかなあと、なんとなく考えていた。(もっとも、この現象は気圧が下がった事によっ て、凝固点が上がっただけだと思うけど) 実は以前にも面白いなあ、と思った現象がある。 銭湯で、体を洗ったゴシゴシタオルから滴が落ちるのを、何気なく眺めていたときだ。 私はいつも、洗ったタオルを石鹸箱の上に置いておく。 タオルの端から下までは、およそ1センチ。 石鹸箱の下には小さな水たまりが出来ていて、そこに滴は落ちようとしていた。 滴が落ちた瞬間、私は何か違和感を覚えた。 滴は落ち続けている。 私は凝視した。 よ〜く見ると、滴は水とすぐには交わろうとしないで、周りの水を押し広げて、限界まで膨らんでから破裂しているように思えた。 タオルに残っていた石鹸の成分が、滴の表面に膜を作っていたのかもしれない。 「こんな現象を見て、私は科学に興味を持ったのです。」 なんて話があったら良かったのだけど、そういうわけにはいかなかった。 私はそれを見て、「ああ、まるでBBS(伝言版)みたいだ」と思った。 はじめは楽しくて、人の迷惑も顧みず書きまくって、摩擦を起こして、苦しんで、いずれはBBS(ここでは水たまり)を構成する一人になるんだ。 そんなことを考えていた。 一つ間違えば、自分の中に何かブレイクがあったのかもしれないんだけど。 惜しい話ではある。 人間、向き不向きってのはあるらしい。 <訂正 2000_08_17> ペプシが固まる件で訂正。 気圧は下がると通常凝固点は下がるはずだから、上の見解は間違っている。 断熱膨張による温度の低下、と見た方が良いかも。 |