風刺が笑えない時代

風刺が笑えない時代 2013_03_31

 

どんどん忍耐力が低下している。
もう2時間映画を観ることが出来ないどころの騒ぎじゃない。
1話完結45分の米ドラマすらシンドくなってきた。
DVDならまだ必殺「早送り」も使えるのだが、Huluは早送りが使えない。
弱ったなーと思っているときに見つけたのが、FROGMAN作のフラッシュアニメだった。
5分程度で1話完結なのがイイ。
オープニングとエンディングが付いている分、実質的には時間あたりの情報量で損をしているかもしれないのだが、早くやっつけられる魅力は大きかった。
これなら耐えられる。
私は新しい作品から順に古い作品へとすべて観ていくことにした。

最初はただ面白い話だったり、意外といい話だったのだが、古いものになるほど風刺色が強くなっていく。
政治ネタ連発。
直接的すぎて、風刺とは呼べないレベルかもしれないな。
それを観ていて、私は笑えないと思った。
その当時の感覚だとまた違うのかもしれないが、いま観るとほとんどイジメの領域に入っているような気がする。

風刺って、凄く強かったり、あるいは何かしらの権威を持っていて直接批判できないようなモノにチクッとやるから面白いわけだ。
でも、今どき批判できないモノなんて存在するのか?
加えて、風刺に値するほど強いモノが日本にあるだろうか?(中国とかなら話は別だが)
政治家だって官僚だって、マスコミに叩かれたらすぐ折れちゃうでしょ。
そのマスコミだって、ネットの批判に晒されれば好き勝手は出来ない。
弱いモノを風刺しても笑えないと私は思うのである。
FROGMANが無名だった時代には、相対的に自分が弱いから風刺することに違和感がなかったのかもしれないけどね。

いま風刺に値するようなものがあるかな、と考えてみると、ネット世論ぐらいしか思い当たらないな。
得体が知れないから批評すること自体が難しいし。
しかも、ちょっと批判すると猛烈な勢いで反発が返ってくるから、怖くて発言しづらい雰囲気にはなりつつあるんじゃないか。
炎上してブログ閉鎖とかって、よく聞くからね。
いま最強でしょ、ネット世論。
ネット世論を相手にチクッとやるなら、いくらかは笑えるかもしれない。


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