ごはんには塩味

ごはんには塩味 2021_08_11



かつて「高級袋麺戦争」と呼ばれるほどの高級袋麺ブームがあった。
もう10年ぐらい前のことかな。
切っ掛けは東洋水産が発売した「マルちゃん正麺」が大ヒットしたこと。
通常の袋麺より一個あたり実売で20円ぐらい高いだけなのだが、元が5個で398円で売られているような商品だから利益率が飛躍的に高まった。
これはメチャメチャおいしい商品だった。
それを受けて、同業他社も高級袋麺を次々と発売した。
一度はカップ麺から撤退した「ラ王」が袋麺として復活したのもこの時だったはず。
しかし、このブームも長くは続かなかった。
みんながこぞって高級袋麺を発売したもんだから、過当競争になってしまったのだ。
やがてセール合戦が始まって、ほんの一二年で「サッポロ一番」などの定番商品と変わらない値段になってしまったのである。

何で今更こんな話を書いているのかというと、袋麺に関して困ったことがあるからである。
私は特にラーメンにこだわりは持っていないので、特売品の袋麺を買うことが多い。
そうすると、最近は「サッポロ一番」なんかより、圧倒的に「マルちゃん正麺」や「ラ王」の方がセールになる頻度が高いことに気付かざるを得なかった。
もう全然高級袋麺じゃないの。

で、食べるでしょ。
ラーメンを食べる分にはイイんだよ。
どれでも大抵おいしいよ。
でも、残り汁にごはんを入れると全然おいしくないの。
私はどれほど金持ちになっても、ラーメンの残り汁にごはんを入れて卵でとじずにはいられないである。
そうすると、高級袋麺ブーム出身は総じておいしくない。

おそらく塩みが弱いんじゃないかな。
脂分が多かったり、旨み成分が強くても、どういうわけかおいしくない。
ごはんを入れるなら断然「サッポロ一番」みたいに昔からあるラーメンの残り汁。
やっぱり米には塩味だなって、私は改めて感じているのである。
だからこそ旧高級袋麺の方が安く売られてしまうのかもしれないな。
高級袋麺であるときは塩みの弱さが高級感につながったけど、高級でなくなった途端に味が薄いと捉えられてしまう。
セールでしか売れないものにはそれなりに理由があるということか。


戻る