スーパーへ買い物に行く途中、整地した上に地面を深く掘っている現場に出くわした。 マンションでも建てるのかもしれない。 よくよく注意を払ってみれば、道を挟んで向かい側でも建築作業中のようであった。 ひょっとすると、私が住んでいるような田舎でも、中心部への回帰現象が起きているのではないか。 というのは、私の身近でも変化が起きているからである。 二十数年間空き地だった我が家の隣が誰かに売れたらしい。 境界線の確定のために立ち会ってほしいと頼まれて、私は初めてそれを知った。 それ以前から、近くにモデルルームみたいなのかちょいちょい出来てたり、長年空き地だった場所に売り地の看板が立ち始めたり、変化の兆しはあったんだ。 私が住んでいる場所は県庁所在地である市の中心にほど近く、その上バスが三方向に分岐する交差点があって、交通の便が良いところである。 にもかかわらず、ここ20年ぐらい人がどんどん減って、そこらじゅう駐車場だらけになった。 昔はそれなりに繁盛していた商店街もほぼ消滅した。 土地が比較的高いからなのかな。 若い人は中心から離れたところに家を構えるんだよね。 しかし、それもそろそろ終わりなんじゃないか。 土地なんか持ってても固定資産税とられるだけだから、手放したい人は多いだろう。 孫の代になれば思い入れもなくなるしね。 手放したい人が増えれば、地価が下がると同時に需要も出てくる。 安ければわざわざ遠くに土地を買う必要はないからな。 さらに人口減少社会に於いては、田舎の中でも比較的マシな自治体に住む必要もある。 過疎が進む地域では行政サービスも低下するからね。 田舎になればなるほど、ゴミ捨ての分別が厳しかったり、水道代が高かったりするもんだ。 人口で頭割りすると、どうしてもひとりあたりの負担は重くなる。 今どきはコンパクトシティが流行りだけれども、図らずとも人は中心に集まってくるんだろうな。 そう考えてみると、我が家なんかは割と優位なポジションにあるのかもしれない。 こんな土地、相続しても売るに売れないだろ、と思っていたのだが、意外とそれなりに需要はありそうだな。 家の処分をどうするのか、が私にとって大きな心の負担になっていたのだが、最悪売り飛ばせば、解体費用を差し引いてもプラスになると思えば気も楽だ。 |